(No.92)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(83) 平成26年4月18日更新

 2014年4月17 日の更新情報です。17日、マレーシアとアラブ首長国連邦(UAE)保健省は、新たに5人の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定症例を報告しました。 17日に、マレーシア保健省からWHOに報告された詳細は以下のとおりです。
 基礎疾患を持つ54歳男性は、3月15日から28日まで、サウジアラビアのジェッダへ18人のグループで巡礼旅行をしました。4月4日に発症し、7日にマレーシアのジョホールにある開業医で治療を受け、9日に病院へ転院し、13日に死亡しています。患者は3月26日にラクダ農場を訪れ、ラクダのミルクを飲んでいました。
 この症例はマレーシアで最初のMERS-CoV感染確定例となります。同国保健省は、今のところ濃厚接触者やマレーシアの医療施設内では、ヒトヒト感染は認められていないと報告しています。

 17日にUAE保健省からWHOに報告された詳細は以下のとおりです。
 4人の医療従事者が、4月10日に死亡したアブダビの感染確定例との接触者としてスクリーニング検査を受けています。詳細は以下のとおりです。
 1人目:アブダビ出身の44歳男性は、4月13日に検査を受けています。基礎疾患はなく、症状は認めていません。
 2人目:アブダビ出身の30歳男性は、4月13日に検査を受けています。基礎疾患はなく、症状は認めていません。
 3人目:アブダビに住む34歳のフィリピン人男性は、4月13日に検査を受けています。基礎疾患はなく、症状は認めていません。
 4人目:アブダビ出身の28歳男性は、14日に発症しました。基礎疾患はありませんでした。

 以上の4人は全員、以前の感染確定例との接触があった事が分かっています。最近の渡航歴や動物との接触はありません。3人は病院に入院・隔離され、安定した状態にあります。1人は検査の結果報告を待たずに母国(フィリピン)に戻っています。他の医療従事者や家族への調査は継続しています。
 2012年9月から現在まで、世界中からWHOに報告されたMERS-CoV感染患者は243人で、このうち93人が死亡しています。