(No.94)

アフリカ中央部(赤道ギニア、カメルーン)におけるポリオの流行状況について
平成26年4月18日更新

 2014年4月14日、赤道ギニアで1999年に国内で最初のポリオの報告があって以来、新たに3人の野生ポリオウイルス1型( WPV1 )確定症例が報告されました。赤道ギニアで発見されたこの遺伝子配列は、カメルーンで断続的に流行が続いているWPV1と関連しています。セントロスール、ビオコノルテとLitoralの患者はそれぞれ1月28日、1月19日、3月24日に麻痺症状を呈しました。現在、赤道ギニアでの流行に対する対応は4月21日から24日に2価経口ポリオワクチン( OPV )の全国予防接種日(NIDS )を含めて計画されています。推定では、この国の子どもの40%が完全な免疫を持っています。

 3月17日、世界保健機関(WHO)はカメルーンからポリオが世界的に拡がる危険を考慮し、リスク評価を「非常に高い」レベルにあげました。リスク評価が上がった要因として、WPV1の追加3症例(1月6日、25日、31日に麻痺を呈した症例)が、同国の新たな地域から確認されたためで、同国では2013年10月に4例を検出した後、WPVの断続的な検出と感染地域の地理的拡大、監視システムの欠落、中央アフリカからの脆弱な難民流入なども確認されています。カメルーンで新たに確定症例が見つかったため、予定していた予防接種の全国予防接種キャンペーン(4月11日~13日)への変更、2014年5月、6月の全国的なキャンペーンを含む、追加緊急流行対策計画を実施することとなりました。予防成功に不可欠な事は、予防接種キャンペーンの質の実質的改善として、全ての子供に複数(所定)回数のOPVを確実に接種することです。 また、流行地域の範囲特定と追跡といった監視システムの質を急激に向上させるための努力が、同様に重要です。

 特にガボンやコンゴ共和国といった近隣諸国でもまた、ポリオの免疫水準と監視調査の感度は評価されています。ガボンでは、4月22日から26日に15歳未満の全ての子どもを対象とした、全国的な予防接種キャンペーンが計画されています。また、同キャンペーンは、コンゴ共和国では、5月1日に実施される予定です。

 全ての国、特にポリオの感染報告があった国や地域へ頻回に渡航し、接点のある国においては、迅速に新たなウイルスの輸入を検出し早急な対応を可能とするため、急性弛緩性麻痺(AFP)症例のサーベイランスを強化することが重要です。

 国、領域、そして地域は、また、新しいウイルスの侵入を最小限に留めるため、統一的に地域レベルでの高い予防摂取率を維持する必要があります。

 WHOの海外渡航と旅行では、ポリオ流行地域を出入国する全ての旅行者に(所定の回数の)、ポリオの予防接種が推奨されています。