(No.113)

西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(13) 平成26年5月9日更新

ギニア
 5月5日18時現在、ギニアの保健省の報告によれば同国でのエボラ出血熱(EVD)の患者数は235人、うち157人が死亡しています。PCRによる診断確定例は127人で、5月2日から変わっていませんが、死亡者は2人増えています。そのうち1人は診断確定例で、後の1人は可能性例です。これにより、診断確定例の死亡者数は83人となりました。新たな可能性例、疑い例は発生していません。さらに55例(34例の死亡者を含む)は疑い例に分類されました。5月7日の時点で、コナクリとゲケドゥで1人ずつ患者が隔離されています。最近に確定診断され、隔離された患者は4月26日コナクリの例と、5月1日のゲケドゥの例です。

 今回のアウトブレイク(臨床例)の地理的分布は、コナクリ53例(24例死亡)、ゲケドゥ149例(107例死亡)、マセンタ22例(16例死亡)、キシドーグー6例(5例死亡)、ダボラ4例(4例死亡)、ディンギラエ1例(1例死亡)となっています。キシドーグーでは4月1日以後、マセンタでは4月9日以後、コナクリでは4月22日以後、新たな患者の発生はありません。ディンギラエ、とダボラでは3月末から新たな患者発生の報告はありません。

 今回のアウトブレイク(診断確定例)は、これまでコナクリ40例(20例死亡)ゲケドゥ72例(51例死亡)マセンタ13例(10例死亡)キシドーゴー1例(1例死亡)ダボラ1例(1例死亡)となっています。この3週間の疫学的データではゲケドゥでの新たな患者発生は減少しています。
シエラレオネ
 5月7日の時点で、シエラレオネではEVDの患者は確認されていません。3月16日から5月7日までに、シエラレオネの保健衛生省(MOHS)は、EVDや、ラッサ熱のようなウイルス性出血熱(VHF)様疾患の患者106人を検査しました。結果、PCR法による検査では1例もEVDは陽性となりませんでしたが、ラッサ熱に関しては10人でウイルスの感染が確定診断されました。シエラレオネではラッサ熱は地域流行している疾患です。35人の接触者が追跡調査され、15人は21日間の監視期間が終了し解放されましたが、20人は現在も健康監視中です。
世界保健機関(WHO)による対策
 WHOは、ギニアやリベリアの保健省が行うEVD予防と制御活動を支援し続けています。5月7日時点で113人の専門家がその活動の支援のために配置されました。54人の専門家がthe global WHO surge mechanismを通じて配置され、33人の国際的な専門家は地球規模感染症に対する警戒と対応ネットワーク(GOARN)の協力機関の中から配置され、10人は外部の相談機関から雇われました。16人のWHOのスタッフが地元に再配置されました。専門的知識が、調整、医療人類学、臨床症例管理(患者治療)、情報管理、医療情報、監視、疫学、感染症の予防と管理、検査サービス、物流、リスクコミュニケーション、社会的動員、財務および管理、および資源動員、の各領域において動員されています。

 現在までに88人の専門家はギニアに、21人はリベリアに、1人がシエラレオネに、3人がWHOのアフリカ地域担当オフィスに派遣されています。さらに12人が、医療人類学、臨床症例管理、監視、疫学、検査サービス、物流、リスクとメディア通信の統制のため配置され、展開中です。