(No.114)

西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(14) 平成26年5月12日更新

ギニア
 5月7日18時の更新情報です。ギニア保健省(MOH)は、155例の死亡例を含む累計236例のエボラウイルス疾患(EVD)の診断確定例を報告しました。5月6日の最後の更新以降、エボラウイルスPCRによって新たに2例が診断確定され、このうち1例が死亡したことにより、84例の死亡例を含む累計129例が診断確定されています。新たに2例の疑い例が報告されましたが、このなかに死亡例はありません(疑い例58、死亡例34)。また、可能性例の数に変化はありません(可能性例49、死亡例40)。5月7日の時点で、コナクリで1人、ゲケドゥで2人の患者が隔離されています。直近で診断確定例が隔離された日付は、コナクリの4月26日、ゲケドゥの5月7日です。

 集団発生の始まりからのEVDの臨床例の地理的分布は、コナクリで53例(うち24例が死亡)、ゲケドゥで151例(うち108例が死亡)、マセンタで22例(うち16例が死亡)、キシドゥーグーで6例(うち5例が死亡)、ダボラで4例(うち4例が死亡)、ディンギラエで1例(うち1例が死亡)です。キシドゥーグーでは4月1日以降、マセンタでは4月9日以降、コナクリでは4月26日以降、新たな症例は報告されていません。ディンギラエとダボラでは、3月の終わり以降に新たな症例は報告されていません。

 集団発生の始まりからの診断確定例と死亡例の累計は、コナクリで40例(うち20例が死亡)、ゲケドゥで74例(うち52例が死亡)、マセンタで13例(うち10例が死亡)、キシドゥーグーで1例(うち1例が死亡)、ダボラで1例(うち1例が死亡)です。

 サーベイランスや接触者の追跡調査が強化され、症例や検査データが統合されることにより、症例数が変更になる可能性が残っています。PCR検査が陰性の臨床症例を検査するために、エボラウイルスの血清学的検査を導入したことにより、検査による診断確定例の最終的な数が変わりそうです。

 EVDの潜伏期間は最大3週間です。ギニアの保健当局は今後数週間、新たな症例を報告する可能性があります、そして近隣諸国でさらなる疑い例も出てくるかもしれません。
リベリア・シエラレオネ
 リベリアとシエラレオネには、新たな警告はありません。リベリアは、コートジボアールとシエラレオネと国境を越えた会議を開催するための準備を進めています。
世界保健機関(WHO)による対策
 WHOは、ギニア保健省やリベリア保健省が行うEVD予防と制御活動を支援し続けています。5月7日の時点で、113人の専門家が活動を支援するために配置されています。the global WHO surge mechanismを通じて54人の専門家が配置され、地球規模の感染症に対する警戒と対応ネットワーク(GOARN)の協力機関の中から33人の国際的な専門家が配置され、外部から10人が募集され、地域にWHO職員が16人再配置されました。医療人類学、臨床症例管理、情報管理、医療情報、監視、疫学、感染症の予防と管理、検査サービス、物流、リスクコミュニケーション、社会的動員、財務および管理および資源動員などの専門的知識が、各領域において動員されています。

 現在までに、88人の専門家はギニア、21人はリベリア、1人がシエラレオネ、そして3人がWHOアフリカ地域担当オフィスに派遣されています。

 さらに、11人が、医療人類学、臨床症例管理、監視、疫学、検査サービス、物流、リスクとメディア通信の分野において、配置されて展開中です。

 WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニアやリベリアへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。