(No.119)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(94) 平成26年5月19日更新

 2014年5月16日の更新情報です。5月15日、オランダの国際保健規則(IHR)担当窓口は、オランダにおける2例目の中東呼吸器症候群コロナウイルス (MERS-CoV) 感染の診断確定例を世界保健機関(WHO)に報告しました。この症例は、5月14日にオランダで報告された最初のMERS-CoV感染患者と関連があり、国内での接触者の追跡調査の中から発見されました。

 この2例目の患者は、オランダ在住の73歳の女性で、最初の患者の近親者です。両患者は、サウジアラビアでの旅行を共にしており、旅行全体を通してホテルの部屋を共有していました。2例目の患者は持病があり、5月5日にサウジアラビアのメッカで呼吸困難を含む最初の症状がありました。5月10日にオランダに戻った後、軽度の呼吸器症状と発熱がありましたが、彼女にとっては受診するほど深刻な症状ではありませんでした。

 接触者調査の際、患者の臨床症状が一般開業医によって再評価され、MERS-CoVを確認するための検体が提出されました。患者から採取された検体は検査中ですが、初期の検査結果で患者はMERS-CoV陽性であることが確認されています。現在、患者の発熱症状と軽度の呼吸器症状は安定した状態で、隔離入院しています。

 患者の接触者の大部分は最初の患者の接触者と重複していますが、濃厚接触者(機内での接触者を含む)の特定が開始されています。

 2012年9月から現在まで、世界中からWHOに公式に報告されたMERS-CoV感染患者は614人で、このうち181人が死亡しています。今回の更新で、世界中の合計は報告された全ての患者を含んでおり、加えて、5月10日から15日までの間にサウジアラビアからWHOに41例の診断確定例が公式に報告されました。WHOはサウジアラビアと協力して、これらの患者の追加情報について、できるだけ早く最新情報を提供していく予定です。