(No.121)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(95) 平成26年5月23日更新

 2014年5月22日の更新情報です。5月17日、米国の国際保健規則(IHR)担当窓口は、米国における2例目の中東呼吸器症候群コロナウイルス (MERS-CoV) 感染確定例を世界保健機関(WHO)に報告しました。

 米国で確認された最初の症例(既報90-輸入例)の接触者調査の一環として、MERS-CoVの検査が接触者に対して実施されました。最初の症例と接触した10日後に採取した気道検体のPCR検査はMERS-CoV陰性でしたが、接触した14日後に採取した血液検体でMERS-CoVに対する抗体が陽性でした。患者は基礎疾患がある70代の男性で、米国外への渡航歴はありません。現在は無症状です。

 抗体検査の結果は、この患者がMERS-CoVに感染した可能性を示唆しています。しかし患者は、WHOの現在の症例定義である「PCRでのMERS-CoV陽性」を満たしていません。

 2012年9月から現在まで、世界中からWHOに公式に報告されたMERS-CoV感染患者は632人で、このうち193人が死亡しています。この合計数は今回報告された患者を含んでおり、5月16日から18日までの間にサウジアラビアからWHOに公式に報告された17例の診断確定例が含まれています。WHOはサウジアラビアと協力して、これらの患者の追加情報について、できるだけ早く最新情報を提供していく予定です。