(No.125)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(97) 平成26年5月29日更新

 2014年5月28日の更新情報です。5月25日、ヨルダンの国際保健規則(IHR)担当窓口は、ヨルダンのアンマンでの新たな1例の中東呼吸器症候群コロナウイルス (MERS-CoV) 感染確定例を世界保健機関(WHO)に報告しました。

 症例の詳細は以下の通りです。

 患者はヨルダンのアンマン行政区域に在住の69歳の男性で、外科的処置のため4月29日に入院し、5月3日に退院しました。8日から発熱症状があり、その後、症状が悪化し、11日に同じ病院へ入院しました。2日後の13日に咳を訴えはじめ、同日に検体を患者から採取し、検査しましたがMERSは陰性でした。しかし胸部X線検査では肺炎が認められました。23日に患者から2回目の検体採取を行い、PCR検査を行ったところMERS陽性でした。患者は現在、集中治療室におり、危篤状態です。

 患者には基礎疾患がありますが、渡航歴はなく、動物との接触歴もありません。またMERS-CoVと診断確定された患者との接触歴もありません。しかし、同じ病院にはMERS-CoVと診断確定され死亡した患者がいました。この死亡した患者は5月6日にWHOに報告されています。

 現在、接触者の追跡調査、および、家族、医療従事者、同医療機関の(入院)患者に対してMERS-Cov(感染)のスクリーニング検査が行われています。

 2012年9月から現在まで、世界中からWHOに公式に報告されたMERS-CoV感染患者は636人で、このうち193人が死亡しています。この合計 数は今回報告された患者を含んでおり、5月16日から18日までの間にサウジアラビアからWHOに公式に報告された17例の診断確定例が含まれています。 WHOは患者の追加情報に関してサウジアラビアと協力して、できるだけ早く最新情報を提供していく予定です。