(No.126)

西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(18) 平成26年5月29日更新

ギニア
 2014年5月23日から27日までの更新情報です。新たに4つの感染地域から6人の死亡者を含む14人のエボラウイルス感染症(EVD)が報告されました。ボッファから1人の死亡者を含む5人、テリメレから4人の死亡者を含む7人、ボケから1人、ドゥブレカから1人の死亡者が報告されています。コミュニティ内や院内感染がゲケドゥやマセンタやコナクリで引き続き発生しています。

 5月27日18時時点で、EVDの臨床例の累計数は281人で、うち死亡例が186人です。

 臨床例と死亡例の分類は次のとおりです:診断確定例は163人(うち103人が死亡)、可能性例は66人(うち56人が死亡)、疑い例は44人(うち23人が死亡)。 EVDの臨床例の地理的分布は次のとおりです:コナクリ48人(うち26人が死亡)、ゲケドゥで176人(うち126人が死亡)、マセンタで31人(うち19人が死亡)、キシドゥーグーで7人(うち5人が死亡)、ダボラで4人(うち4人が死亡)、ディンギラエで1人(うち1人が死亡)、さらに今回報告された新たな地域も加わります。隔離されている人数は16人です(ゲケドゥで10人、テリメレで3人、ボッファで3人)。経過観察されている接触者の人数は427人です(コナクリで250人、ゲケドゥで213人、マセンタで126人、テリメレで88人)。


シエラレオネ
 シエラレオネではカイラハン県から16人(7人が診断確定例、9人が疑い例)及び5人の死亡者が報告されています。カイラハン県はシエラレオネの東部に位置し、ギニアのゲケドゥやリベリアとの国境地域です。


リベリア
 リベリアでは4月9日から新たな感染例は報告されていません。社会的動員や監視活動が国境地域で現在も進行中です。症例数は再分類や後ろ向き調査、症例や検査データの統合、監視強化により変わる可能性があります。


WHOの対応
 シエラレオネでのEVDの発生を受けて、WHOは状況を再調査して取るべきキーとなる行動を提案するため、多段階の電話会議を行いました。それらには、WHOの担当国事務所での緊急対応チームの設置、専門家、兵站および資材の配置、触媒基金(catalytic funds)の提供、等が含まれます。

 WHOは、ギニアとシエラレオネの両国でのいくつかの地域社会での地域(住民)の抵抗と症例の隠蔽に取り組むため、政府当局や地域社会のリーダーへの積極的な参加を推進しています。

 ギニアでは保健省と協力機関が、EVDの新たな流行地域での流行調査、リスクアセスメント、患者対応、感染制御、そしてゲケドゥとコナクリでの抵抗勢力を対象とした社会的動員等からなる、対応に取りかかっています。

 WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニアやリベリアへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。