(No.127)

西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(19) 平成26年6月3日更新

ギニア
 新しくテリメレとボッファからエボラウイルス感染症(EVD)症例と死亡例の報告が続き、(以前報告のあった)コナクリとマセンタからは42日間以上報告がありません。5月28日の最終更新から、新たに確定例10例と死亡例7例が報告されました。現在の移り変わる疫学的状況は、ゲケドゥ、マセンタ、コナクリの執拗な住民の抵抗によるものであると部分的に説明がつきます。

 5月28日18時時点で、193人の死亡例を含む291例が報告されています。詳細は、確定例172例のうち死亡例108例、可能性例71例のうち死亡例62例、疑い例48例のうち死亡例23例です。地域別の内訳は、コナクリで53例中27例死亡、ゲケドゥで179例中133例死亡、マセンタで40例中23例死亡、キシドーグーで7例中5例死亡、ダボラで4例中4例死亡、ディンギライエで1例中1例死亡、ボッファで4例中死亡例なしでした。

 隔離症例の総数は13例(ゲケドゥで9例、テリメレで3例、コナクリで1例)です。接触者追跡調査は493例(ゲケドゥで275例、マセンタで125例、テリメレで93例)です。


シエラレオネ
 5月29日18時時点で、5つの地域から新たに34例(確定例7例、可能性例3例、疑い例24例)、うち疑い死亡例1例が報告されました。EVDの累計数は50例(確定例14例、可能性例3例、疑い例36例)、うち死亡例6例(確定例2例、可能性例3例、疑い例1例)です。地理的分布の内訳は、カイラフンで 37例うち死亡例6例、ケネマで1例うち死亡例なし、コインドゥグで1例うち死亡例なし、ボーで1例うち死亡例なし、モヤンバで1例うち死亡例なしです。


リベリア
 5月29日時点で、フォヤ地区で新たに疑い死亡例が報告されました。遺体はシエラレオネで埋葬されました。この症例に関してリベリアとシエラレオネの両国で調査しています。

 症例数は再分類や後ろ向き調査、症例や検査データの統合、監視強化により変わる可能性があります。

 現在、一部の流行地域では、住民の抵抗、不適切な治療施設や人材資源不足といったEVD対策上の問題に直面しています。


WHOの対応
 WHOと協力機関は、シエラレオネとギニアの両国に支援のために専門家を配置し、効果的なEVD対策準備ために新たな流行地域での流行調査、リスクアセスメント、管理施設の設置、患者対応、感染制御、抵抗勢力を対象とした社会的動員等からなる対応に取りかかっています。

 シエラレオネにおいて、WHOと協力機関はコインドゥに治療センターを設置し、シエラレオネのカイラフン地区から検体の検査室試験を実施し、ギニアのゲケドゥで分析します。

 WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリア、シエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。