(No.131)

西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(21) 平成26年6月9日更新

2014年6月6日更新情報です。

ギニア
 2014年6月2日から3日の間に、新たに11例のEVD報告(うち死亡例3例)がありました(診断確定例8例、可能性例1例、疑い例2例)。内訳は、コナクリで新たに7例(うち死亡例1例)、ゲケドゥで新たに2例(うち死亡例1例)、テリメレで新たに1例(死亡例なし)、ボッファで新たに1例(死亡例)です。これにより、ギニアでのEVDによる患者数は344例(診断確定例207例、可能性例81例、疑い例56例)となり、うち死亡例が215例となりました。
 その地理的分布は、コナクリ65例(うち死亡例27例)、ゲケドウ193例(うち死亡例143例)、マセンタ44例(うち死亡例26例)、デボラ4例(全て死亡例)、キシドゥグゥ7例(うち死亡例5例)、ディンギライ1例(死亡例)、テリメレ23例(うち死亡例5例)、ボファ7例(うち死亡4例)となっています。
 隔離状況については、コナクリで6例、ゲケドゥで9例、テリメレで15例、ボファで1例の合計31例が入院中です。観察中の接触者は国内で987人となっており、その分布はコナクリ329人、ゲケドウ323人、マセンタ176人、テリメレ104人、ボファ55人です。

シエラレオネ
 2014年6月2日から5日の間に、EVDの疑い例が新たに9例発生し、同疾患は81例(うち死亡例6例)となりました(診断確定例31例、可能性例3例、疑い例47例)。
 カイラフンがシエラレオネでの発生の中心地となっています。最近の11例がケネマ病院で発生しました。接触者30人の監視が継続されています。社会的な抵抗が症例の発見とフォローアップの障害となっています。

リベリア
 2014年4月6日以降、新たな診断確定例は発生していません。
 11人の接触者(5人は医療従事者、6人は一般社会での接触者)は現在監視継続中です。この11人は、「シエラレオネのカイラフン近郊の可能性例であり、リベリアのフォヤで死亡した事例」の接触者です。遺体は埋葬のためにカイラフンに戻されています。症例数は再分類や後ろ向き調査、症例や検査データの統合、監視強化により変わる可能性があります。

世界保健機関(WHO)の対応
 WHOと協力機関は、流行国での予防手段と感染制御について支援を続けています。対策実施のため6人の専門家と5,000以上の個人防護具がシエラレオネに配備されています。
 WHO は、国連中央緊急対応基金(CERF)(238,000$)、国連人道問題調整部緊急基金(OCHA emergency fund)(約50,000$)、英国国際開発省(200,000£)へ基金の拠出を申し出し、シエラレオネを支援しています。WHO本部とアフリカ部局は合同で、ギニアに対して集団発生対策の再調査に関する支援を行っています。シエラレオネにおけるEVDの集団発生対策費用はおよそUS$1,800,000です。2014年6月3日、WHO は、ギニア、リベリア、シエラレオネの国境を越えた協力を促進しています。
 関係各国は、国境を越えたサーベイランスを強化し、社会的な抵抗に対処するため社会的動員によるコミュニケーション手段を一致(調和)させることに同意しています。
 WHOは、この事例に関する現在の情報からは、ギニア、リベリア、シエラレオネへの渡航や貿易を制限することを推奨していません。