(No.137)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(101) 平成26年6月16日更新

 2014年6月14日の更新情報です。アルジェリアの国際保健規則(IHR)担当窓口は、中東呼吸器症候群コロナウイルス (MERS-CoV) の感染確定例を世界保健機関(WHO)に報告しました。これはアルジェリアで初めての診断確定例となります。

 症例の詳細は以下の通りです。
 1例目は、2014年5月14日にサウジアラビアに巡礼に出かけた一行のメンバーの66歳の男性です。5月23日サウジアラビア滞在中に発症しました。同28日にアルジェリアに帰国後、直ぐに入院しています。この男性は基礎疾患を有しています。
 2例目は、2014年5月5日にサウジアラビアに巡礼に出掛けた59歳の男性です。5月23日にサウジアラビアで発症し、同29日に入院しています。基礎疾患はありませんでしたが、集中治療の甲斐なく6月10日に多臓器不全で死亡しています。

 2013年6月からアルジェリア保健・人口病院改善省(MSPRH)は、MERS-CoVの早期発見とモニターのための活動を強化してきました。MSPRHは、既に5月29日に、同国ティパサ、トレムセン両県の保健部局から、疑い例が2例の情報を受けていました。翌30日に、同国パスツール研究所で2名の診断が確定しました。MSPRHからの指導により、治療及び予防手段が実行されています。その内容は以下の様なものです。
・危機管理委員会の会合
・サーベイランス強化のための(出)入国場所の周知、巡礼に出掛ける旅行者への情報提供。情報資料の作成と旅行者への配布。旅行者に対する、消毒薬やマスクのみならず公衆衛生上の勧告に関するリーフレットの配布等の、旅行者への働きかけを実施するための特別な区域が設置されました。
・調査チームがサーベイランスと警戒態勢についての国の命令にもとづいてMERS-CoVの確定例、疑い例のフォローアップを実施しています。
・メディアを含めた種々の情報チャネを用いて情報提供キャンペーンが進行中です。

 WHOにはこれまで世界中からすくなくとも210例の関連死を含んだMERS-CoVの感染確定例が699例報告されています。