(No.149)

中国の鳥インフルエンザA(H7N9)について(98) 平成26年6月30日更新

 2014年4月22~23日および25日、台北の疾病管理センター(CDC)は追加2例の鳥インフルエンザウイルスA(H7N9)感染確定例を報告しました。今回、台北で3・4番目の症例となります。

 詳細は以下の通りです。

 4月22日に報告された患者は、33人の団体ツアーで台北を旅行した、中国江蘇省南京の44歳の基礎疾患を持つ女性です。4月12日に体調不良で南京の病院を受診しており、全身脱力と食欲不振を認めるにも関わらず、4月17日から団体ツアーで台北旅行へ出発しました。19日に台北の病院に入院し、その後20日に医療センターに転院しています。22日に鳥インフルエンザウイルスA(H7N9)陽性と診断されました。発症1週間以内に、中国で生鮮市場で食肉処理をされた鶏肉を購入し、調理しています。22日、台北のCDCは他32名のツアーメンバーリストを入手しています。ツアーメンバーは24日に中国へ帰国しています。23日現在では、メンバーの1人が発熱の症状を認めています。

 4月25日に報告された患者は、頻回に台湾海峡を越えて旅行する元来健康な39歳男性です。19日に発症し、23日に入院しています。25日に鳥インフルエンザウイルスA(H7N9)陽性と診断されました。3月31日から4月19日の間に北京と江蘇省に渡航しています。中国渡航中、家禽との接触や生鮮市場への出入りはなかったとしています。

 台北のCDCは以下の対策を講じています。

 1.疫学調査、濃厚接触者の追跡、医学的観察
 2.インフルエンザや鳥インフルエンザウイルスのサーベイランスだけでなく、原因不明の肺炎サーベイ
   ランスの強化や定期的な定点インフルエンザサーベイランスの実施
 3.さらなる調査のために、中国の国家衛生・家族計画(出産)委員会(NHFPC)に対して、4月22日に報告
   された症例に関わるツアーメンバーリストと25日に報告された症例の渡航歴の送付