(No.158)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(108)  平成26年7月14日更新



2014年7月3,5,6,8日 サウジアラビアの国際保健規則(IHR)担当窓口は新たに7人の中東呼吸器症候群(MERS-CoV)感染確定例と既報例の死亡を報告しました。

7月3日報告例の詳細は以下の通りです。
●55歳のリヤド州・アダワサル市在住の女性が6月25日に発症し、7月2日に入院となっています。現在状態は安定しています。7月3日にMERS-CoV感染診断確定しています。患者は基礎疾患を有するとのことです。配偶者が所有するラクダ牧場にしばしば通っていたとのことです。発症前14日以内に生のラクダ製品を摂取したり、診断確定したMERS-CoV感染患者と接触した既往は無いとのことです。6月15日にリヤド市を訪問し、1日滞在したとのことです。現在、接触者の調査が続行されています。

7月5,6日報告例の詳細は以下の通りです。
●52歳のマッカ州・ジェッダ市在住の男性が6月24日に発症し、クリニックを受診しましたが改善しないため7月2日、呼吸器症状と腎不全で入院となりました。現在危篤状態です。7月4日にMERS-CoV感染診断確定しました。旅行歴はないとのことです。
●72歳の北部国境州・アラル市在住の男性が発症し、7月3日に入院となっています。患者は7月5日にMERS-CoV感染診断確定しましたが7月6日に死亡しています。患者は複数の基礎疾患を有していました。最近の旅行歴やMERS-CoV患者との接触歴、生のラクダ製品を摂取はありません。

7月8日報告の3例の詳細は以下の通りです。
●70歳のマッカ州・ターイフ市在住の男性は6月28日に発症し、7月4日に入院となり、現在集中治療中です。7月6日にMERS-CoV感染診断確定しました。基礎疾患を有していたとのことです。旅行歴やMERS-CoV患者との接触歴はありませんが、発症の一週間前に生のラクダミルクの摂取歴が有り、飼っている山羊との濃厚な接触歴があります。
●74歳のリヤード州・リヤド市在住の男性は、7月4日に発症し翌日入院となっています。現在状態は安定しています。7月6日MERS-CoV感染診断確定しました。基礎疾患は有していないとのことです。発症前2週間以内の旅行歴やMERS-CoV患者との接触歴、動物との接触歴や生のラクダ製品を摂取はありません。
●70歳のリヤード州・リヤド市在住の男性は7月1日に発症し、7月5日に入院しました。現在状態は安定しています。7月6日にMERS-CoV感染診断確定しました。基礎疾患を有しているとのことです。発症前2週間以内の旅行歴やMERS-CoV患者との接触歴、動物との接触歴や生のラクダ製品を摂取はありません。

7月10日報告例の詳細は以下の通りです。
●49歳東部州・ハッサ市在住の男性は6月28日に発症し、7月8日に入院しました。現在状態は安定しています。7月9日にMERS-CoV感染診断確定しました。患者は基礎疾患を有しているとのことです。患者には旅行歴やMERS-CoV患者との接触歴はありません。患者は農場を有しており、鳥、山羊、ラクダとの直接的な接触歴があります。本患者との接触者、農場で働いている人、ラクダ等から15検体が採取されています。患者との接触者の調査が進行中です。

現在までに世界保健機関(WHO)には834人の診断確定例が報告されており、うち少なくとも288人が同疾患と関連して死亡しています。