(No.163)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例報告(110)

 014年7月23日の更新情報です。7月12日、イランの国際保健規則(IHR)担当窓口は世界保健機関(WHO)に対して中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)の感染確定例1例を追加報告しました。
 患者はケルマーン州の67歳女性です。基礎疾患に慢性閉塞性肺疾患(COPD)を持っており、COPD増悪のため6月6日に入院し、14日に退院した後は自宅療養していました。状態は安定していましたが、6月25日に重症急性呼吸器症状が出現し再入院となりました。7月5日にMERS-CoVが確認され、同日に死亡しています。発症14日前までの渡航歴、動物との接触歴、ラクダの生(乳)製品の摂食歴、明らかなMERS-CoV感染確定例との接触歴はありません。しかし、最初の入院中に他の重症呼吸器感染症患者と濃厚接触しています。
 患者と接触した医療従事者と患者家族の追跡調査は継続しています。
 
 さらに、サウジアラビアはMERS-CoV感染確定例のうち新たに3例が死亡したことを報告しました。
 
 現在までに、世界中からWHOに公式に報告されたMERS-CoV感染確定患者は837人で、このうち291人が死亡しています。