(No.176)

西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(40) 平成26年8月11日更新

疫学とサーベイランス

 2014年8月7日から8月9日までの間に、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネからエボラウイルス疾患(EVD)の新規患者69人(診断確定例、可能性例、疑い例を含む)と死亡者52人が報告されました。


保健部門の対策
 EVDに感染し、2人の医療従事者への実験的な治験薬による最近の治療は、ヒトでテストされていない、または安全が確認されていない薬または治療を、EVDの流行下で使用すべきかどうかについて、重要な問題を投げかけています。現在、薬の量が限られており、誰がこの治療を受けるべきかについても問題提議されています。
 11日WHOは、エボラ流行に対する実験的な治療の役割を評価するために、医療倫理学者、科学専門家の代表を召集し、流行国からも人々を召集します。

 2つの問題が検討されました。

① 込みのある治療や予防方法として、未知の副反応を伴う未承認の介入(治療)を行うことが倫理上正しいのか?もし正しいなら、それらを使用するにあたり、どのような基準や条件を満たす必要があるのか?

② もし現在の状況下で未承認の介入(治療)を行うことが倫理上正しいとして、その時はどの基準で治療方法の選択を行うべきか、誰が優先的に治療や予防を受けるべきか?
 
 これについての調査結果がWHOのウエブサイトに12日に掲載されます。


患者数情報の更新

 EVDに起因する新規患者と死亡者について、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネの保健省から報告が続いています。2014年8月7日から9日までの間に、死亡者52人を含むEVDの新規患者69人が4カ国から報告されました。ギニアでは患者11人と死亡者6人、リベリアでは患者45人と死亡者29人、ナイジェリアでは新たな患者と死亡者は出ていません。シエラレオネでは患者13人と死亡者17人です。

2014年8月9日時点のギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネにおけるEVDの診断確定例、可能性例、疑い例、死亡例

新症例

確定

可能性

疑い

ギニア

症例

11

362

133

11

506

死亡

6

238

133

2

373

リベリ

45

158

306

135

599

死亡

29

146

125

52

323

ナイジェリア

症例

0

0

10

3

13

死亡例

0

0

2

0

2

シエラレオ

13

656

37

37

730

死亡

17

276

34

5

315

69

1176

486

186

1848

死亡

52

660

294

59

1013


 ※ 新症例は2014年8月7日から8月9日までの間に報告された患者

 症例数の総数は、分類変更、後ろ向き調査、症例と検査結果の統合、そして強化されたサーベイランスにより変化します。記載されているデータは、保健省から報告された最も有用性の高い情報に基づいています。