(No.180)

西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(43) 平成26年8月19日更新

疫学とサーベイランス

 2014年8月14日から8月16日までの間に、エボラウイルス疾患(EVD)の新規患者113人(診断確定例、可能性例、疑い例を含む)と死亡者84人が、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネから報告されました。


保健部門の対策

 WHOや他の関係機関のエボラウイルス流行対策は、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネにおいて増え続けています。感染者が自分達の地域外へ病気を運ぶ可能性を減らすために、ギニアのゲケドゥ、シエラレオネのケネマとカイラフン、リベリアのフォヤなどの深刻な影響を受けた都市を含めた高感染伝播地域に検疫ゾーンを設定しています。
 これは、これらの地域に住む人々を、国の他の地域への移動や潜在的なEVD感染伝播の増加から防ぎます。しかし、それはまた、食糧や他の必需品へのアクセスを制限する障壁になることを意味しています。EVDの感染伝播を防止することは非常に重要ですが、これらの地域にいる人々が、食糧、水、良い衛生や他の基本物資へアクセスできることが不可欠です。
 WHOは、検疫ゾーンの人々が定期的に食糧援助や他の非医療物資を受け取ることを確保するために、国際連合世界食糧計画(WFP)と協力しています。現在、WFPは、ギニア、リベリア、シエラレオネの検疫ゾーンに住む約1万人に食糧を配布するために、その計画をスケールアップしています。
 食糧は、入院患者や食糧を購入するために家を離れることができない検疫下にある人々に配布されています。安定的に食糧を提供することは、無駄な移動を制限する強力な手段です。
 WHOは、個人がEVDに感染したことが確定されたか、もしくはその疑いがあるか、またはEVD患者との接触があった場合を除いて、いかなる旅行や貿易に関する規制が適用されることを勧奨しません(接触者には、適切に防護処置を行った医療従事者や研究所の職員は含まれません)。国が取るべき活動についての緊 急委員会の暫定的勧告については、次のサイトを参照してください。

西アフリカのエボラ流行に関するIHR緊急委員会
 http://www.who.int/mediacentre/news/statements/2014/ebola-20140808/en/


患者数情報の更新
 2014年8月16日時点のギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネにおけるEVDの診断確定例、可能性例、疑い例、死亡例

 

新症例

確定

可能性

疑い

ギニア

症例

24

396

140

7

543

死亡

14

252

140

2

394

リベリ

48

200

444

190

834

死亡

53

178

202

86

466

ナイジェリア

症例

3

12

0

3

15

死亡例

0

4

0

0

4

シエラレオ

38

775

34

39

848

死亡

17

326

34

5

365

113

1,383

618

239

2,240

死亡

84

760

376

93

1,229

※ 新症例は2014年8月14日から8月16日までの間に報告された患者
 症例数の総数は、分類変更、後ろ向き調査、症例と検査結果の統合、そして強化されたサーベイランスにより変化します。記載されているデータは、保健省から報告された最も有用性の高い情報に基づいています。