(No.181)

西アフリカにおけるエボラ出血熱の集団発生(44) 平成26年8月20 日更新

疫学とサーベイランス

 2014年8月17日から8月18日までの間に、エボラウイルス疾患(EVD)の新規患者221人(診断確定例、可能性例、疑い例を含む)と死亡者106人が、ギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネから報告されました。


保健部門の対策
 
 WHO(世界保健機関)は影響国、アフリカと取引する会社や組織、国家的、世界的な指導者との高水準な対話を強化し続けています。現在、いくつかの会社は影響国との取引を停止しました。航空会社や船会社も含まれています。これらの決定の結果、影響国は燃料や食糧や基本的な供給が不足し始めています。WHOはWNF(国際連合世界食糧計画)とともに十分な食糧と必需品を確保するために働きかけていますが、エボラウイルス感染に関する科学的根拠に基づいて取引を決定するよう企業に呼びかけています。
 最近の流行においては、エボラウイルス疾患(EVD)症例の大部分がヒト-ヒト感染によるものであり、在宅看護やいくらかの臨床的設定や埋葬儀式において感染予防対策がなされていない結果となりました。 EVDは空気感染ではないと理解することが重要です。EVD感染者やEVDによる死体からの体液(吐瀉物、痰、血液など)との接触の結果感染しているかもしれません。影響国に物資や支援をもたらす企業はEVD曝露のリスクは低く、WHOは国際保健規則(IHR)のもと、企業や組織にこれらの必要な物資を供給し続けることを奨励しています。世界中の国々はEVD症例の監視を活発に継続しています。疑い例の報告がとWHOにより受理され、活動期のEVD症例かどうかいくつかの国々で組織的に検証されています。総合的にこれらの報告は監視が機能し各国が対応するための準備がステップアップしているという良い徴候です。本日はギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネ以外では新症例は認めませんでした。
 WHOからのハイレベルな代表団が現在影響国で戦略的な活動対応計画を適応させるために国家当局やパートナーとともに働いています。伝染が拡がっているリベリア、シエラレオネの指導者と会議を開いています。
 EVDと確定診断された個人または患者と接触したケースを除いて、いかなる渡航や貿易を制限することをWHOは推奨していません。(接触歴のある医療関係者と研究所スタッフを含みません。)各国での処置に関する、緊急委員会からの一時的な方針は、IHR Emergency Committee on Ebola outbreak in west Africaで閲覧できます。


患者数情報の更新

 2014年8月18日時点のギニア、リベリア、ナイジェリア、シエラレオネにおけるEVDの診断確定例、可能性例、疑い例、死亡例

 

新症例

確定

可能性

疑い

ギニア

症例

36

423

140

  16

579

死亡

2

254

140

 2

396

リベリ

126

242

502

228

972

死亡

95

212

239

 125

576

ナイジェリア

症例

0

12

0

3

15

死亡例

0

4

0

0

4

シエラレオ

59

783

52

72

907

死亡

9

335

34

5

374

221

1,460

694

319

2,473

死亡

106

805

413

132

1,350


※ 新症例は2014年8月17日から8月18日までの間に報告された患者
 
 症例数の総数は、分類変更、後ろ向き調査、症例と検査結果の統合、そして強化されたサーベイランスにより変化します。記載されているデータは、保健省から報告された最も有用性の高い情報に基づいています。