(No.206)

スペインにおけるエボラ出血熱発生例

 6日、世界保健機関(WHO)はスペインにおいて初のエボラ出血熱 (EVD) 国内発症例が発生したことを報告しました。今回の症例は、アフリカ以外の場所での初のヒト-ヒト感染となります。
 患者は西アフリカへの渡航歴のない医療従事者の女性で、スペイン国民のEVD患者(シエラレオネで感染、9月22日にスペインのマドリードに帰国、25日に死亡)の治療に従事していました。患者は9月24・25日の2回、このEVD患者に接触しており、接触のあった両日とも、適切な個人防護具 (PPE) を装着していたと報告されています。
 スペインEVD国家プロトコールにより、彼女は感染リスクの少ない接触者とみなされ、モニターされていました。患者は9月29日に発熱し、10月6日にマドリードのアルコルコン病院に隔離入院しました。その後、マドリードのラパスカルロスⅢ病院に転院し、隔離・治療を受けています。
 6日に検体は国立研究所へ送られ、同日にエボラウイルス陽性と診断されました。
 スペインの公衆衛生当局は伝搬様式の解明のための調査を開始しています。曝露後21日間の日々の健康監視のため、彼女の濃厚接触者の特定、およびスペインでの治療を受けた最初のスペイン国民のEVD患者の接触者に対しても同様の措置が継続されています。
 EVD症例が報告された全ての国に関して、今後、WHOはスペインでのEVD更新情報を掲載することはないでしょう。WHOのEVD対応に関する定期的な更新情報の提供はWHOのEbola situation reports で閲覧可能です。
 WHOは、個人がEVDに感染したことが確認されたか、その疑いがあるか、EVD症例との接触があった場合を除いて、いかなる旅行や貿易に関する規制も適用されることを勧奨しません。接触者には、適切に防護処置を行った医療従事者や研究所のスタッフは含まれません。
 国が取るべき対応について、緊急委員会からの推奨事項は、IHR Emergency Committee on Ebola outbreak in West Africaにあります。