(No.213)

フランス本土でのチクングニア熱 2014年10月23日更新情報

 2014年10月21日、WHO(世界保健機関)は、フランスのモンペリエで4人のチクングニア感染例が局地的に発生したと、フランスIHR(国際保健規則)連絡窓口により通知を受けました。この症例はフランス国立アルボウイルス研究センターで検査診断されました。これは2010年以降のフランスで初めてチクングニア熱の局地的な感染例です。
 
 4人のチクングニア症例は同じ家族内で発生し、9月20日から10月12日の間に発症しています。4症例が住んでいるモンペリエの近所で、カメルーンからのチクングニア症例が発生しています。4人とも発症前15日間に居住地区外への渡航歴はありません。

 フランスの厚生省は、以下の公衆衛生案を実行しました。
・局地的伝播を予防目的とした媒介動物のコントロール
・疾患の集団や症状を知り、いつどこで治療できるか、感染予防方法について情報を用意する
・臨床症例のマネジメントにおける医療従事者へのアドバイス
・血液や患者の組織を介して感染が起こるリスクの評価


 チクングニア熱は死に至ることは稀で、感染した蚊を介してヒトへ伝播するウイルス性疾患です。チクングニア熱の症状は高熱、頭痛に加えて、手首や足首などの関節痛を伴うことが重要であり、その痛みは数週間に渡り患者を苦しめます。これらの症状は蚊にさされてから4日から7日の間に現れます。チクングニアの名前は、マコンデ語の「折り曲げる(that which bends up)」に由来し、この疾患により体を折り曲げて苦しむ姿を表しています。