(No.230)

ポルトガルにおけるレジオネラ症流行 2014年11月13日更新

 9日、ポルトガルの国際保健規則連絡窓口はビラフランカ・デ・シーラという、リスボン郊外地区におけるレジオネラ症の大流行について世界保健機関(WHO)に報告しました。

 詳細は以下のとおりです。
 6日と7日に、最初の17例が同定されました。その後、症例は指数関数的に増加しています。12日、ポルトガル保健省保健総局は、合計302例のレジオネラ症を報告しました。これまでに、5人はレジオネラ症による死亡が確定しています。さらに、4人の死因は現在検索中です。症例は全て、ビラフランカ・デ・シーラでの大流行と疫学的関連があります。
 この流行は、ポルトガルで最も大きなレジオネラ症集団発生で、急速な拡がりをみせており、公衆衛生上の緊急事態と考えられます。
 現在、現場に地域流行調査チームが設置され、この調査チームは疫学・臨床・微生物学・環境衛生といった専門家チーム、および疫学的状況下にある自治体や環境調査を実施している自治体からの他の利害関係者によって支援されています。

予防策
 予防措置として、流行地域では噴水が閉鎖されており、水道水の塩素濃度が高くなっています。流行地域の主要な産業施設の冷却塔が閉鎖されています。
 ポルトガル保健省保健総局は、流行発生源を特定して流行が終息するまで、以下の予防勧告をしています:
 ・シャワー、ジャグジー、ジェットバスを避ける
・週に一回、約30分間漂白剤溶液中にシャワーヘッドを浸漬することにより消毒する
・可能な限り、給湯器の温度を75ºC以上に設定する

 保健総局は、健康、環境、気象の国家機関と連携しています。また、欧州連合(EU)のパートナー(特に、欧州疾病予防管理センター(ECDC)やWHO)との密接なコミュニケーションやコラボレーションを維持しています。必要に応じて、WHOヨーロッパ地域事務所やドイツのボン環境衛生センターでは、専門家を動員する準備がなされています。