(No.57)

リベリアにおけるエボラ出血熱の流行の終息
2015年5月9日更新

 2015年5月9日、リベリアでエボラ出血熱(EVD)の最後の確定例が埋葬されてから42日(WHOが設定した流行終息を判断する期間)が経過したことを受け、WHO(世界保健機関)はリベリアにおけるEVD流行の終息を宣言しました。

 この目標に到達できたのは、リベリア大統領とリベリア政府の強力なリーダーシップと決意、リベリアのコミュニティの決定と警戒、グローバルパートナーの広範な支援(特に米国政府や地域・国際保健チームの弛まぬ英雄的な働き)によるものです。

 2014年3月下旬に始まったリベリアにおけるエボラ流行は、4,573人の死亡者と10,212人の感染者、その他の重い影響を与えた多数の人々を出し、リベリアの保健システムと全住民に壊滅的な打撃を与えました。

 リベリアにおける最後のEVD確定例は、3月27日に死亡して翌日に安全に埋葬されました。これ以降、新たな確定例は確認されていません。最後の確定例が検査で二度のウイルス陰性を確認する、もしくは最後の感染患者を埋葬して42日(ウイルスの潜伏期間の2倍)が経過すると、エボラ流行の終息を宣言することができます。

 リベリアの場合、コミュニティの関与はウイルス伝播を抑える鍵となり、コミュニティによる警戒は再流行を防止するために不可欠となっています。WHOはリベリア政府と同様に、その危険性を認識し、他の地域のエボラ流行が終息するまでリベリア国民の警戒心が低下しないように促していきます。

 リベリアに新設された緊急オペレーションセンターは、サーベイランスや国境地域の情報共有を強化しており、新たなエボラ患者や他の緊急事態を同定して対応できるように配置されています。

 【出典】
  WHO, Ebola
  News - 9 May 2015
  http://apps.who.int/ebola/liberias-success-in-ending-ebola

 ※ リベリアの終息宣言に伴う検疫所、自治体、医療機関等の対応の変更につきましては、厚生労働省
  のホームページ「エボラ出血熱について」の『3 通知』をご参照下さい。
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/ebola.html