(No.76)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症確定例(158)-サウジアラビア
2015年6月1日更新

 2015年5月24日から25日の間にサウジアラビア王国の国際保健規則担当窓口は世界保健機関(WHO)に対して中東呼吸器症候群コロナウイルス感染症(MERS)の診断確定例を新たに2例(内1人死亡)の報告をしました。

 症例の詳細は以下の通りです。
 1.フフーフ在住の非同国人71歳男性が5月21日に発症しました。患者は関連の無い疾患で5月10日から
  入院中でした。5月24日の検査でMERSCo-V陽性となっています。既知の危険因子への発症前
  2週間での曝露歴については調査中です。現在病棟の陰圧隔離室に収容されており、状態は安定して
  います。
 2.フフーフ在住の68歳女性が胸痛と発熱で5月13日に心疾患センターへ入院となりました。入院中の
  5月20日に呼吸困難が悪化し、23日の検査でMERS-CoV陽性が確認されました。患者は25日に
  死亡しました。患者には合併症がありました。家族がヒツジとラクダを所有していましたが発症前
  2週間にこれらの動物との接触があったか、あるいは他の危険因子への曝露があったかどうか
  調査中です。
 上記2例への家庭および医療従事者での接触者について追跡調査が実施されています。

 また上記以外にWHO に同国から過去に報告のあった患者のうち2人が新たに死亡したと報告がなされています。(既報153の1例目、既報147の1例目)

 現在までWHOには1,152例のMERS-CoV診断確定例と内434例の死亡が報告されています。

 【出典】
  WHO, Global Alert and Response (GAR).
  Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – Saudi Arabia,
  1 June 2015
  http://www.who.int/csr/don/01-june-2015-mers-saudi-arabia/en/