(No.136)

中東呼吸器症候群コロナウイルス感染確定例(198)-サウジアラビア
平成27年8月27日更新

 2015年8月22日から23日までの間に、サウジアラビアの国際保健規則(IHR)担当窓口はWHO(世界保健機関)に対して、13人の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染確定例を新たに報告しました。
うち12人はリヤド市内のある病院で起こっているアウトブレイクに関連しています。

詳細は以下の通りです。

1. リヤド市在住の42歳の外国籍男性は8月20日に発症し、同日入院しました。患者には合併症はありません。検査でMERS-CoVの診断が確定しています。現在病棟の陰圧室に収容されており、状態は安定しています。患者は既報197のNo7の患者及び、既報195のNo1の患者との接触歴があります。

2.リヤド市に在住する26歳の外国籍の女性医療従事者は8月20日に発症し、同日勤務先の病院に入院しました。同病院はMERS-CoVのアウトブレイクが発生している病院です。患者には発症前2週間他の既知の危険因子への曝露歴はありません。患者には合併症は無く、8月21日の検査で診断が確定しました。現在自宅に
隔離されており、状態は安定しています。同病院に入院中のMERS-CoV感染患者や共通で担当した医療従事者との疫学的な繋がりについて調査中です。

3.リヤド市に在住する58歳の外国籍の女性医療従事者は8月20日に発症し、勤務している病院に同日入院しました。同病院はMERS-CoVのアウトブレイクが発生している病院です。患者には発症前2週間他の既知の
危険因子への曝露歴はありません。患者には合併症はなく、8月21日の検査で診断が確定しました。現在患者は自宅に隔離されており,状態は安定しています。同病院に入院中のMERS-CoV感染患者や共通で担当した
医療従事者との疫学的な繋がりについて調査中です。

4.リヤド市在住の69歳の男性は8月16日に発症し、8月21日に入院となりました。患者には合併症があり、8月22日の検査で診断が確定しました。現在ICUに収容されており重篤な状態です。患者は発症前の2週間
以内にMERS-CoVのアウトブレイクのあった病院に出かけています。同病院に入院中のMERS-CoV感染患者や共通で担当した医療従事者との疫学的な繋がりについて調査中です。

5.リヤド市在住の40歳の女性は8月18日に発症し、同日入院しました。患者には合併症はなく、8月21日の検査で診断が確定しました。現在ICUに収容されており、重篤な状態です。患者は既報196のNo11の患者との接触歴があります。患者には発症前2週間他の既知の危険因子への曝露歴はありません。

6.リヤド市在住の78歳の外国籍男性は8月18日に発症し、同日入院となりました。患者には合併症があります。8月21日の検査で診断が確定しました。現在ICUに収容されており、重篤な状態です。患者は既報197のNo20 の患者との接触歴があります。発症前2週間他の既知の危険因子への曝露歴はありません。

7.リヤド市在住の26歳の男性は5月18日に他疾患で入院しましたが8月18日に退院しました。その病院ではMERS-CoVのアウトブレイクが発生していました。患者には発症前2週間他の既知の危険因子への曝露歴はありません。8月19日に発症し、別の病院に翌日入院しました。8月22日の検査で診断が確定しています。
現在自宅に隔離されており状態は安定しています。入院中のMERS-CoV感染患者や共通で担当した医療従事者との疫学的な繋がりについて調査中です。

8.リヤド市に在住する28歳の外国籍の男性医療従事者は8月18日に発症し、翌日勤務先の病院に入院しました。患者には合併症はありません。8月21日の検査で診断が確定しました。現在自宅に隔離されており、
状態は安定しています。患者は次に記載のNo9のMERS-CoV感染患者の治療にあたっていました。発症前2週間他の既知の危険因子への曝露歴はありません。

9.リヤド市在住の49歳男性は8月3日から他疾患で入院していましたが8月7日に退院となっています。
同病院ではMERS-CoVのアウトブレイクが発生していました。発症前2週間他の既知の危険因子への曝露歴はありません。患者は8月16日に発症し、同日別の病院に入院となりました。8月20日の検査で診断が確定しています。現在自宅に隔離されており状態は安定しています。同病院に入院中のMERS-CoV感染患者や共通で担当した医療従事者との疫学的な繋がりについて調査中です。

10.リヤド市在住の61歳男性は8月17日に発症し、8月20日に入院しました。患者には合併症があります。
8月21日の検査で診断が確定しました。現在病棟の陰圧室に収容されており、状態は安定しています。患者は既報196 のNo12の診断確定患者とアウトブレイクのあった病院での接触歴があります。発症前2週間他の
既知の危険因子への曝露歴はありません。

11.リヤド市在住の41歳男性は8月19日に発症し、翌日入院となりました。患者には合併症はありません。8月21日の検査で診断が確定しました。現在病棟の陰圧室に収容されており,状態は安定しています。患者は既報196のNo12の診断確定患者とMERS-CoVのアウトブレイクが発生した病院での接触歴があります。
発症前2週間他の既知の危険因子への曝露歴はありません。

12.リヤド市在住の57歳女性は8月17日に発症し,同日入院となりました。患者には合併症があります。
8月19日の検査で診断が確定しました。現在病棟の陰圧室に収容されており、状態は安定しています。
患者には既報197のNo27,既報194のNo14の2人の診断確定患者との接触歴があります。

13.リヤド市在住の63歳男性は8月19日に発症し,同日入院となりました。患者には合併症はありません。8月21日の検査で診断が確定しました。患者には合併症があります。8月21日の検査で診断が確定しました。現在病棟の陰圧室に収容されており、状態は安定しています。発症前2週間他の既知の危険因子への曝露歴は調査中です。

上記の患者について家庭内及び、医療従事者で接触した人の追跡調査が実施されています。
加えて、サウジアラビアのIHR担当窓口は既報197のNo19の患者が死亡したことをWHOに報告しました。
2012年9月以降WHO には全世界で1474人のMERS-CoV感染確定患者が報告されており内515人が関連死
しています。

【出典】
 WHO Global Alert and Response(GAR)
 Middle East Respiratory Syndrome Corona Virus(MERSCo-V)- Saudi Arabia 27 August 2015
 http://www.who.int/csr/don/27-august-2015-mers-saudi-arabia/en/