(No.147)

タンザニアにおけるコレラの流行
2015年9月11日更新

 2タンザニアの保健社会福祉省(MOHSW)は、世界保健機関(WHO)にタンザニアにおけるコレラの流行を報告しました。同国では最初にマラ州のロルヤ(Rorya)地区でコレラが流行しました。最近3週間以上の新たな患者報告はありませんが、2015年7月下旬までキゴマ(Kigoma)でも流行していました。8月15日にダルエスサラーム(Dar es Salaam)、8月18日にモロゴロ(Morogoro)で流行が始まり、8月25日には
ダルエスサラーム、プワニ(Pwani)、イリンガ(Iringa)、モロゴロの4地域で新たなコレラ流行が報告
されています。9月6日時点で、コレラ累積患者数(疑い患者と確定例を含む)は13人の死亡者を含む971人となっています。流行地域ではコレラ菌(血清型小川)が検出されています。

公衆衛生の対策
地域格差を明かにし、緊急的なニーズを把握するために早急な評価が実施されています。地方当局、MOHSW、 WHO、関連機関は成果判定のために隔週で会議を開催しています。国際専門委員会は
流行拡大防止活動を盛んに実施しています。WHOや関連機関の支援を受け、ダルエスサラームとモロゴロに患者管理を行うために5つの治療センターを設置しました。MOHSWは患者発見サーベイランスや水の供給、衛生監視、研究室の管理、社会的介入などの支援のために専門家を配置しました。

リスク評価
 今回の流行に対し、WHOはタンザニアへのいかなる渡航や貿易の制限は推奨していません。

背景
 コレラはコレラ菌による下痢性疾患です。多くのアフリカ諸国では予防衛生と下水の未発達がその態勢と
処理能力の不足と相まってコレラの流行は繰り返されています。タンザニアでは最も影響のあったキゴマを
含め、過去にコレラの流行を経験しています。今年、同国はコレラの予防と管理のために長期計画を策定
しました。

 コレラは予測や防止が可能であり、最終的に全国民のためにきれいな水の供給、衛生設備の設置、満足いく衛生状態の確保と持続により根絶可能です。主なコレラの効果的な予防と制御は統合された専門的知識、
公衆衛生部門外活動を含む包括的アプローチ、患者の生活環境、治療や臨床管理、経口ワクチン接種を受ける機会を含む要素、社会的動員、疫学サーベイランスに依存しています。

【出典】
 WHO Disease outbreak news
 Cholera – United Republic of Tanzania
 http://www.who.int/csr/don/11-september-2015-cholera/en/