(No.176)

シエラレオネにおけるエボラ出血熱の流行の終息 
平成27年11月7日更新

 2015年11月7日、WHO(世界保健機関)は、シエラレオネにおけるエボラ出血熱(EVD)流行の終息を
宣言しました。同国における最後のEVD確定患者の血液検査で二度の陰性が確認されてから、
42日(WHOが設定した流行終息を判断する期間)が経過しました。

 シエラレオネは、2014年5月に最初のEVD患者が記録されて以降、合計8,704人がエボラウイルスに
感染して、3,589人が死亡(うち221人は医療従事者)しました(いずれも確定例の人数)。

 現在、シエラレオネは、90日のサーベイランス強化期間に入っており、2016年2月6日まで実施
されます。また、WHOはこの期間中もシエラレオネへの支援を継続する予定です。
この新たな段階は、EVDの新たな患者の可能性を早期発見するために重要です。

 WHOは、シエラレオネにおけるエボラに対する戦いにおいて、今回の重要な道程を達成した政府と
国民を称賛しています。人類の歴史上で最も前例のないEVD流行との戦いの間、途方もない努力と献身
によりこの道程を達成しました。

 シエラレオネ政府の強いリーダーシップは、世界中のパートナーと協力して、流行を封じ込めるために
必要な専門家を動員しました。シエラレオネは、2014年の9月と10月に患者の大規模な増加を経験
しましたが、治療施設の設置や安全かつ厳粛な埋葬チームの編制、コミュニティとの協力によって抑制
されました。

 迅速な対策チームと強力なコミュニティ関与が、国家対策戦略の礎となりました。国際的なパートナーは、エボラウイルスの検出と同定、新しい感染伝播の鎖を切断するための迅速な対応能力を維持するために政府を支援し、技術支援、人材、食糧、物資や機器を提供しました。

 EVD流行は、家庭、医療制度、経済や社会構造にダメージを与えています。この全てを回復させる必要が
あります。また、医療や社会的支援を必要とする継続的な健康問題を有する推定4,000人の生存者が
残っています。

 WHOは、流行の制御から警戒の強化や保健サービスの回復へ移行する期間に、強化スタッフの
シエラレオネ滞在を継続する予定です。

【出典】
WHO, Ebola
News - 7 November 2015
http://www.afro.who.int/en/sierra-leone/press-materials/item/8139-who-commends-sierra-leone
-for-stopping-ebola-virus-transmission.html


シエラレオネの終息宣言に伴う検疫所の対応の変更につきましては、厚生労働省のホームページ「エボラ出血熱について」の『3 通知』をご参照下さい。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/ebola.html