(No.193)

  パラグアイ、メキシコ、ベネズエラにおけるジカウイルス感染症
2015年12月3日

  パラグアイ

2015年11月27日、パラグアイ国際保健規則(IHR)担当窓口は、同国北東部に位置しブラジルと国境を
接するPedro Caballero市において6例のジカウイルス感染例が検査で確認されたことを汎アメリカ
保健機構/世界保健機関(PAHO/WHO)に報告しました。

 診断は国家関連施設である保健省の中央公衆衛生研究所において、RT-PCR法を用いて行われました。
集団発生した発熱患者のうち、デング熱、チクングニア熱が陰性であった血液検体から感染例が同定
されました。患者は症状として、頭痛、筋肉痛、関節痛、眼の奧の痛み、吐き気を呈していました。
 患者の年齢は14歳から45歳で、半数は女性でした。全ての患者は、健康管理ネットワークによる
異なる保健医療機関において外来治療を受けました。引き続き調査が進められています。

メキシコ

 2015年11月26日、メキシコ保健当局は、2例の国内発生例(ヌエボ・レオン州およびチアパス州)と
1例の輸入感染例(コロンビアへの旅行歴があり)の計3例のジカウイルス感染例が確認されたことをPAHO/WHOに報告しました。国家関連研究所において、RT-PCR法を用いて診断が行われました。
 メキシコ保健当局は、これらに対応して感染予防対策および規制措置を実施しています。引き続き調査が
進められています。

ベネズエラ

2015年11月27日、ベネズエラ国際保健規則(IHR)担当窓口は、7例のジカウイルス感染疑い例の報告を
受けました。診断は国家関連施設であるラファエル・ランヘル(Rafael Rangel)国立衛生研究所において
行われました。RT-PCR法により4検体でジカウイルスが陽性でした。結果はコロンビア国立衛生研究所で
再確認されました。患者は40歳から55歳の女性で、ブラジル国境付近の住民でした。ベネズエラの保健
当局は、これらに対応して感染予防対策および規制措置を実施しています。引き続き調査が進められて
います。

WHOからのアドバイス

アメリカ大陸におけるジカウイルス感染症の流行拡大を受けて、PAHO/WHOは加盟国に対して、
ジカウイルス感染例を検知し確定する能力の確立、すべての医療レベルにおいて発生するであろう
さらなる負担に対する医療サービスの準備、特に媒介蚊が存在する地域において蚊を減らすための有効な
公共的な情報伝達戦略を推奨しています。最新の疫学更新情報を参照して下さい。

【出典】
WHO, Emergencies preparedness, response.
 Zika virus infection – Paraguay,Mexico,Venezuela
 3 December 2015
http://www.who.int/csr/don/03-december-2015-zika-paraguay/en/
http://www.who.int/csr/don/03-december-2015-zika-mexico/en/
http://www.who.int/csr/don/03-december-2015-zika-venezuela/en/