(No.207)

ジカウイルス感染症の流行状況(31)
平成28年11月24日更新

 2016年11月24日、世界保健機関(WHO)はジカウイルス感染症の流行状況を更新しました。

更新情報
・ 初めて蚊媒介によるジカウイルス感染症の報告があった国または地域:
  なし
・ 初めてジカウイルス感染症と関係する可能性の高い、または先天性の感染が示唆される小頭症や
 その他の中枢神経(CNS)奇形が報告された国または地域:
  なし
・ 初めてジカウイルス感染症と関係するギラン・バレー症候群(GBS)例が報告された国または地域:
  なし
・ ジカウイルスと小頭症およびその他の神経学的異常に関する第5回緊急委員会が、2016年11月18日に
 開催されました。事務局長はこの委員会での推奨を受け入れ、国際的に懸念される公衆衛生上の
 緊急事態(PHEIC)の終息を宣言しました。しかし、ジカウイルスとそれに関連する合併症は、
 引きつづき深刻で耐え忍ぶべき公衆衛生学的な課題です。ジカウイルス感染と小頭症の間の関連性が
 研究により示されていますが、このことにより世界的な対策と研究課題を成し遂げていくための強固な
 技術的な仕組みがますます必要となっていくでしょう。これまでのジカウイルスに対する協働と対策は、
 この感染症の長期間にわたる特質とその結果に対処するために捧げられた資源とともに機能する
 持続的なプログラムへと段階的に拡大されているところです。以前の緊急委員会の推奨に関しては、
 WHOが長期プログラムへと活動を移すための移行計画を実行する3ヶ月の間は、引きつづき該当すると
 考えられます。確立された仕組みに立脚し、ジカウイルス対策戦略を踏まえながら、WHOは、患者の
 探索、感染予防、治療および支援の分野における60を超える協力者に対して引きつづき協働と支援を
 行い、また、ヤブカ属の蚊が生息することが立証されている国々と地域の準備対策を強化するための
 研究を行っていきます。

分析
・ 全体的には、世界的なリスク評価は変わっていません。ジカウイルスは媒介蚊が存在する地域に
 地理的に拡がり続けています。いくつかの国や地域においてジカウイルス感染症例の報告数が
 減少していますが、依然として高レベルの警戒の維持が必要です。

【出典】
Zika situation report
24 November 2016
Zika virus, Microcephaly and Guillain-Barré syndrome
http://www.who.int/emergencies/zika-virus/situation-report/24-november-2016/en/