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中国における鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例
2017年1月3日更新

 2016年12月30日、香港特別行政区の保健局は世界保健機関(WHO)に対し、新たに1人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染確定例を報告しました。

症例の詳細情報
 患者は70歳の男性で、基礎に慢性疾患を持っており、2016年12月13日から16日の間に広東省の深圳市と中山市を旅行していました。この患者は、発熱、湿性の咳、息切れ、嘔吐および下痢を12月26日から呈していました。患者は、12月27日に香港特別行政区の公立病院を受診し、28日に隔離病棟に入院しました。28日に採取された痰検体を検査したところ、鳥インフルエンザA(H7N9)RNAが陽性でした。また、この患者は報告時点において危篤状態でした。
 この患者は中山市において、12月14日に生きた家禽を販売する移動式の屋台のそばを通っていますが、
家禽との直接接触はなかったと報告されています。また、この患者は香港特別行政区において12月22日に
生鮮市場近くの店で冷凍された鶏を購入していますが、この店では生きた家禽は販売されておらず、患者は
生鮮市場には入場しておりません。
 12月30日現在、合計17人の濃厚接触者とその他の85人の接触者が特定され、医学的なサーベイランス下に置かれています。12月29日以来、この患者と共に旅行していた人に湿性の咳があり、同日、公立病院へ入院となっています。この患者の呼吸器検体が同院により検査され、鳥インフルエンザA(H7N9)RNAが陰性でした。
 2013年初頭以降、国際保健規則(IHR)を通して、鳥インフルエンザA(H7N9)の確定診断患者が合計809人報告されています。

【出典】
Emergencies preparedness, response
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus – China
Disease outbreak news
3 January 2017
http://www.who.int/csr/don/03-january-2017-ah7n9-china/en/