(No.20)

ブラジルにおける黄熱
2017年3月6日更新

 ブラジルにおける黄熱の最新流行状況を踏まえて、国際間の旅行者に対する黄熱ワクチンの推奨についての最新情報

 2017年3月3日現在、黄熱ウイルスの伝播は、黄熱のリスクマップ(GRYF)に関する科学的、技術的顧問団によって確認されWHOによって公表されたリスク評価(1月27日の既報:関西空港検疫所海外感染症情報2017年No.11、1月31日、2月14日のWHO International Travel and Healthウェブサイト)に先行して、これまでリスクはないとされていたブラジルの大西洋沿岸部まで拡大しています。
 エスピリト・サント州で観察された拡がりの速さや、調査中の黄熱の動物間感染やヒト感染例がヴィトリア州の都市部に近いこと、さらにはエスピリト・サント州全体として黄熱予防接種キャンペーンの実施されていることを考慮し、WHO事務局はエスピリト・サント州全体に黄熱の感染の危険があると考えるべきと断定しました。
 そのため、黄熱に対するワクチンはエスピリト・サント州では海外からのすべての渡航者に推奨されます。
 2013年に黄熱伝播の危険があると決定された他の地域では、2017年1月27日のWHOの記事で発表されたように、新たな変更はありません。
 黄熱の伝染の危険があると考えられる新しい地域についての今回の決定は予備的であり定期的に更新されます。
 エスピリト・サント州を含む、黄熱リスクにさらされていると考えられるブラジルの地域を訪れる渡航者に対するWHO事務局による現在のアドバイスは以下の通りです:
・渡航の最低10日前に黄熱ワクチンをうけること。国際保健規則(2005)附則7の通り、WHOによって承認
 された黄熱ワクチンの単回投与により、黄熱病の予防として免疫は維持され生涯有効です。黄熱ワクチン
 接種における禁忌対象者(9ヵ月以下の子供、妊娠中もしくは授乳中の女性、高度の卵アレルギーがある、
 重度の免疫不全)または60歳以上の渡航者は、かかりつけの医師に相談しなければなりません;
・防蚊対策の採用
・黄熱の症状や徴候を認知する
・黄熱の伝播の危険がある地域に渡航し黄熱の徴候と徴候が生じた場合、帰国した同時に治療を求めること。

 2017年、予防接種の国際証明書の必要条件に関する最新版は、黄熱の予防接種と渡航者のWHO予防接種
推奨の証明について、WHOのウェブサイトInternational Travel and Health で利用可能です。アメリカ大陸の地域における加盟国によって施行される国際証明書の必要条件に関する特定の情報は、PAHO黄熱ウェブ
サイトで利用可能です。

【出典】
Emergencies preparedness, response
Yellow fever – Brazil
6 March 2017
Disease Outbreak News
http://www.who.int/csr/don/06-march-2017-yellow-fever-brazil/en/