(No.25)

中国における鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例
2017年3月16日更新

 2017年3月10日、中国の国家衛生・計画出産委員会(NHFPC)は世界保健機関(WHO)に対し、同国に
おいて新たに合計26人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例が検査で確認されたことを報告しました。

症例の詳細情報
 発症日は2017年2月19日から3月4日の範囲です。この26人の感染例のうち8人が女性でした。年齢は15歳から79歳で中央値は56.5歳でした。症例は次の地域から報告されています;重慶市(1人)、福建省
(2人)、広西チワン族自治区(5人)、貴州省(2人)、河南省(4人)、湖南省(2人)、湖北省(1人)、
江蘇省(2人)、江西省(4人)、四川省(3人)。
重慶市における鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルスのヒト感染例の報告は2013年に報告されて以来です。
報告時点で3人が死亡し、21人が肺炎(3人)か重症肺炎(18人)のいずれかの診断を受けています。その他2人の臨床症状が現時点では不明です。22人が家禽か生鳥市場への曝露歴があり2人が家禽への曝露歴がないと報告されており、2人について曝露の可能性は不明で現在調査中となっています。集団感染例は報告されておりません。
2013年初頭以来、現在までに鳥インフルエンザA(H7N9)の確定診断患者が合計1,307人報告されています。

公衆衛生上の取り組み
 2016年12月以来のヒト感染例の増加を考慮し、中国政府は国家レベルと地方レベルで以下のような強化策を講じています。
・省政府は会議を開催しました。重要な省において生鳥市場を閉鎖しています。
・省政府は地域のサーベイランス、感染予防、感染制御に関し他分野での管理体制と、検査、指導を強化
 し、生鳥市場の管理と地域間輸送に焦点を絞った感染対策の促進を図っています。
・あらゆる地域の医療施設において患者の治療を指導するために研修が継続して行われています。
・最近中部や西部の省における感染例の報告が増加しているため、それらの省において感染予防や感染制御
 に対する技術的な指導を強化しています。
・自己防衛の指導と共にリスクコミュニケーションや情報を一般市民に提供しています。

WHOのリスク評価
 2016年10月1日以来に発症した5番目の鳥インフルエンザA(H7N9)の流行におけるヒト感染例の総数は、流行早期の急増と比較しても多くなっています。

【出典】
Emergencies preparedness, response
Human infection with avian influenza A(H7N9) virus – China
Disease outbreak news
16 March 2017
http://www.who.int/csr/don/16-march-2017-ah7n9-china/en/