(No.49)

中国における鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例
6月12日更新

 2017年5月19日、中国の国家衛生・計画出産委員会(NHFPC)は世界保健機関(WHO)に対し、同国本土において新たに合計17人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例が検査で確認されたことを報告しました。
 2017年5月26日、NHFPCはWHOに同国本土においてさらに9人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例が検査で確認されたことを報告しました。

症例の詳細情報
 2017年5月19日、NHFPCは合計17人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例を報告しました。発症日は2017年4月29日から5月13日の範囲です。この17人の感染例のうち6人が女性でした。年齢は30歳から84歳で中央値は56歳でした。症例は次の地域から報告されています;安徽省(1人)、北京市(1人)、重慶市(1人)、河北省(6人)、湖南省(1人)、江蘇省(1人)、陝西省 (1人)、山西省(1人)、山東省(2人)、四川省(1人)、浙江省(1人)です。山東省からの報告は今回が初めてです。報告時点で2人が死亡し、15人が肺炎(6人)か重症肺炎(9人)のいずれかの診断を受けています。16人が家禽か生鳥市場への曝露歴があり、1人は家禽への曝露歴に関する情報がありませんでした。集団発生の報告はありません。
 2017年5月26日、NHFPCは合計9人の鳥インフルエンザA(H7N9)のヒト感染例を報告しました。発症日は2017年5月7日から5月24日の範囲です。9人の感染例すべて男性でした。年齢は36歳から74歳で中央値は63歳でした。症例は次の地域から報告されています;北京市(1人)、河北省(1人)、江蘇省(1人)、山西省(1人)、山東省(1人)、四川省(3人)、浙江省(1人)です。報告時点で死亡例はなく、9人が肺炎(2人)か重症肺炎(7人)のいずれかの診断を受けています。8人が家禽か生鳥市場への曝露歴があり、1人は家禽への曝露歴に関する情報がありませんでした。集団発生の報告はありません。

公衆衛生上の取り組み
 中国政府は国家レベルと地方レベルで以下のような強化策を講じています。

・リスク評価、予防および対策強化のためのガイダンスを継続しています。
・生鳥市場の管理と地域間輸送に焦点を絞った感染対策の強化を継続しています。
・効果的な予防と管理の対策を提供するため詳細な感染源調査を実施します。
・致死率を下げるために鳥インフルエンザ(H7N9)のヒト感染例の早期発見と治療を継続します。
・自己防衛の指導と共にリスクコミュニケーションや情報を一般市民に継続して提供しています。
・感染予防や感染制御のさらなる指導を提供するために、ウイルスによる汚染範囲やウイルスの変異の規模を
 明らかにし、ウイルス学的サーベイランスの強化を行います。