(No.69)

中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染症-アラブ首長国連邦
8月29日更新

 2017年7月29日にアラブ首長国連邦の国際保健規則(IHR)担当窓口は新たに1人の中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)感染例を報告しました。

症例の詳細情報
 各患者の詳細が記載された一覧表は出典先よりダウンロードできます。

 アラブ首長国連邦アルアインに在住し同地で就労中の患者は、同市の病院を2017年7月16日受診しました。胸部レントゲン上、肺炎の所見があり、非侵襲性の換気装置と抗生剤による治療を受けていました。7月25日に症状が悪化し、喀痰が採取され、MERS-CoVとインフルエンザの検査が実施されました。その翌日にも病状の改善は認められず、同市にある2次病院に搬送され、集中治療室(ICU)に収容されました。2回目の喀痰の採取が26日に実施され、翌日、両検体ともにおいてMERS-CoV陽性が 確定しました。現在ICUにおいて患者には人工呼吸器が装着されています。感染源については現在調査中ですが、本記事発表時点ではまだWHOに対して調査結果の報告はなされていません。 
 WHOには現在までに全世界で2,067人のMERS-CoV感染確定例が報告されており、そのうち少なくとも720人が関連死しています。

公衆衛生上の取り組み
 アブダビの保健省は各患者とその接触者の追跡調査を実施し、89人の医療従事者と、95人の職場での接触者について監視を行っています。全ての確定された接触者には最終接触から14日間の監視が実施されています。現在までの所さらなる感染者の発生はみとめていません。


(WHOによるリスク評価、WHOによるアドバイスは前回までと同文のため省略しています。)

【出典】 WHO Emergencies preparedness, response
Middle East respiratory syndrome coronavirus (MERS-CoV) – United Arab Emirates
Disease outbreak news
28 August 2017
http://www.who.int/csr/don/28-august-2017-mers-uae/en/