(No.28)

エボラウイルス病ーコンゴ民主共和国(2)

5月15日更新

 2018年5月10日コンゴ民主共和国赤道州におけるエボラウイルス病のアウトブレイクニュースの報告以来、新たに7人の疑い患者が同州の保健省に報告されました。重要な事に最新の更新情報では患者の見直しと再分類が行われ、除外された患者も出ています。
2018年4月4日から5月13日の間に総数39人の患者が報告され、19人が死亡(患者の死亡率は49%)し、3人の医療従事者が含まれています。患者はビコロ保健行政区(29人、うち診断確定例2人、可能性の高い例20人、疑い例7人)イボコ保健行政区(8人、うち可能性の高い例3人、疑い例5人)ワンガタ保健行政区(2人、うち可能性の高い例2人)となっています。現時点で393人の接触者が同定され、フォローアップされています。ワンガタ保健行政区は州の港湾都市であるムバンダカ(人口120万人)と隣接しています。現場対策チームは報告例が正しいかどうか検証してるところです。患者数についてはさらに情報が入れば訂正される可能性があります。

公衆衛生対策
・コンゴ民主共和国の保健省は対策について協力をしています。
・世界保健機関(WHO)は、保健省や国境なき医師団(MSF)とともに、研究中のrVSV-ZEBOV組換えワクチンを輪状接種方式で接種しています。
・ビコロ、イボコ、ムバンダカ保健行政区では、保健省はWHOやパートナーと共に新規患者発見のためのサーベイランスの強化、接触者の追跡調査、患者の治療、コミュニティー活動、安全かつ威厳のたもたれた 埋葬、対応のコーディネートを行っています。
・WHOは保健省の対策をサポートするために50人の公衆衛生専門家を派遣しています。
・国連人道支援航空サービス(UNHAS)により物資や人員の派遣のため5月13日からキンシャサ発ムバンダ カ、及びムバンダカ発ビコロの便が毎日予定されています。
・WHOは緊急対策基金からUS100万ドルを拠出しました。国連は同中央緊急対応基金からUS200万ドルを拠出し、ウェルカムトラストは必要な重要調査に、200万ポンドを提供しています。
・WHO事務局長、緊急事態対策官房審議官はWHOのアフリカ地域事務局長とともに5月13日に対応を見直し、保健省への新たなサポートを議論するためにキンシャサ入りする予定です。

WHOによるリスク評価

 今回のアウトブレイクの広がりについての情報は限られており、現在も調査は進行中です。患者の報告はアクセスの難しい遠隔地からもなされています。しかし流行地域がコンゴ共和国や中央アフリカ共和国と繋がっているコンゴ川に近いことから、近隣の国へ波及するリスクが高くなっています。目下のところ、WHOは公衆衛生上のリスクは国家レベルでは高く、WHOの地域別レベルでは中等度であり、国際的なレベルでは低いとみなしています。さらなる情報が入手できればリスク評価は見直される予定です。
 現時点では今回の流行はIHR(2005)により定義される国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態には合致せず、IHR(2005)に基づいての緊急委員会招集にはいたらないとしています。

WHO によるアドバイス
 WHOは現在利用可能な情報に基づき、コンゴ民主共和国への渡航および貿易に対するいかなる制限も推奨していません。WHOはこの流行に関連して渡航と貿易措置の監視を継続しており、現在のところ国際的な交通に制限はありません。

エボラウイルス病の詳しい情報は、以下のリンクを参照してください:
Ebola Virus Disease fact sheet

【出典】
Emergencies preparedness, response
Disease outbreak news
Ebola virus disease – Democratic Republic of the Congo
14 May 2018
http://www.who.int/csr/don/14-may-2018-ebola-drc/en/