船舶の検疫

 神戸検疫所では、「検疫法」に基づき神戸港・尼崎西宮芦屋港・東播磨港・姫路港に入港する船舶の検疫を行っています。

 「検疫」とは、日本国内には常在しない感染症の病原体が、海外から船舶又は航空機を介して侵入するのを防ぐことを目的としており、その感染症の患者(感染が疑われる者を含む。)を発見した場合、診察、検査などを実施し、感染症の種類によっては、隔離、停留、消毒等の措置を講ずることとなります。

 船舶の検疫方法には、検疫法で規定された海域(検疫区域)に錨泊した船舶に検疫官が乗り込んで行う「臨船検疫」と、船舶を岸壁等に接岸させて検疫官が乗り込んで行う「着岸検疫」及び乗船せずに船舶からの情報に基づき書面審査を行う「無線検疫」があります。神戸検疫所で検疫を受ける船舶のほとんどは、「無線検疫」が適用されています。

 「無線検疫」は、検疫を受けようとする船舶から、事前に船内の保健状況等に関する通報を受けて内容を審査します。その結果、船舶を介して検疫感染症の病原体が国内に侵入するおそれがないと認められる船舶について入港を認める検疫方法です。一方、検疫感染症の患者の乗船が確認されるなど、検疫感染症の病原体が国内に侵入するおそれがある船舶については「無線検疫」が適用されず、「臨船検疫」又は「着岸検疫」を行うこととなります。

臨船検疫

 検疫法で規定された海域(検疫区域)に錨泊した船舶に検疫官が乗り込み、検疫を行います。


  • 検疫対象船舶への乗船

 対象となる船舶が到着後、速やかに検疫官が乗船し検疫を開始します。検疫官は関係書類の提出を受けて審査を行うとともに、船長や船医から航海中の乗組員、乗客の健康状態を聴取します。また、必要に応じて船内の衛生管理状況を確認したり、乗組員や乗客について診察や検査を行います。


  • 船長からの聴取

  • 船室の検査

  • 医薬品の確認

 これらの結果、その船舶を介して検疫感染症の病原体が国内に侵入するおそれがないと認めた場合は検疫済証を、または、検疫感染症の病原体が国内に侵入するおそれがほとんどないと認めた場合は、仮検疫済証を交付し検疫が終了します。

 仮検疫済証が交付された船舶は、交付後の一定期間内に船内で検疫感染症患者が発生した場合等には、その仮検疫済証の効力が失効し、再び検疫を受ける必要が生じます。