海外渡航に関するQA 目次

 

第一部 海外旅行や海外赴任などでの注意事項

 

渡航前の準備に関する質問

Q 1 海外旅行へ行くことになりました。どのような感染症に気を付ければよいでしょうか?

Q 2 渡航のための予防接種はどこで受けられますか?

Q 3 トラベルクリニックとは何ですか?どこにありますか?

Q 4 予防接種は何回受ければよいのですか?1回の接種だけでも効果がありますか?

Q 5 いくつかの予防接種を受けるには、どのくらいの期間が必要ですか?

Q 6 妊娠中、もしくは授乳中でも予防接種は受けられますか?

 

黄熱に関する質問

Q 7 黄熱の予防接種は、日本国内ではどこで受けられますか

Q 8 のような場合に黄熱の予防接種が必要ですか?

Q 9 黄熱の予防接種によって引き起こされる症状(副反応)にはどのようなものがありますか?

Q10 黄熱予防接種を受けることができない人や接種時に注意が必要な人はどういった方ですか?

Q11 健康上の理由で黄熱の予防接種できない場合、どうすればよいでしょうか

Q12 黄熱の国際予防接種証明書(通称:イエローカード)は、いつもらえますか?

また、有効期間はどれくらいですか?

Q13 黄熱の国際予防接種証明書再発行や変更には、どのような手続きが必要ですか?

 

渡航プラン別の質問

Q14 バックパックでの世界一周旅行を予定しています。どのような予防接種を選べばよいですか?

Q15 留学のため、海外に滞在します。どのような予防接種を選べばよいですか?

Q16 海外赴任に伴い、子どもを含め家族で海外に長期間滞在します。どのような予防接種を選べばよいですか?

Q17 ボランティア活動で、開発途上国の僻地に滞在します。どのような予防接種を選べばよいですか?

Q18 マラリアの蔓延地域を旅行することになりました。マラリアの予防薬はどこで入手できますか?

 

滞在先・渡航後に関する質問

Q19 海外で動物に咬まれた場合や、怪我をした場合、どうすればよいでしょうか?

Q20 海外から帰国後、具合が悪くなりました。どこへ受診すればよいでしょうか?

 

 


 

第二部 東京検疫所で実施している予防接種

 

接種前(事前予約など)に関する質問

Q21 東京検疫所で接種できる予防接種は何ですか?それらの同時接種は行っていますか?

Q22 東京検疫所で狂犬病の予防接種を受けられますか?

Q23 東京検疫所で予防接種を受けるにはどうすればよいですか?また、いつから予約できますか?

Q24 東京検疫所の場所はどこですか?

また、周辺に食事をする場所や駐車場はありますか?収入印紙は買えますか?ATMはありますか?

Q25 予約を変更・キャンセルするにはどうすればよいですか?

Q26 黄熱以外の予防接種の証明書を発行してもらうことは可能ですか?

 

予防接種当日に関する質問

Q27 当日はどのくらい時間がかかりますか?

Q28 急用が入り、集合時間に間に合いそうにありません。どうしたらよいですか?

Q29 当日持って行く物は何ですか?どのような服装がよいですか?

 

接種後の注意事項に関する質問

Q30 予防接種後の飲酒や運動などに制限がありますか?お風呂に入れますか?

Q31 予防接種後、注射したところが腫れてきましたが、大丈夫でしょうか?

Q32 予防接種後、急に熱などの症状がでてきましたが、大丈夫でしょうか?


第一部 海外旅行や海外赴任などでの注意事項

 

渡航前の準備に関する質問

 

Q 1 海外旅行へ行くことになりました。どのような感染症に気を付ければよいでしょうか?

A 1 まずは、厚生労働省検疫所の情報サイト For Traveler’s Health(FORTH)ホームページをご覧ください。海外で健康に過ごしていただくための総合的な情報が掲載されています。

       こちらで新着情報を把握するとともに、渡航前の健康管理ポイントなどをお役立ち情報で確認しておくことをおすすめします。

また、海外には日本で発生していない感染症があります。行き先が決まりましたら、まず行かれる国や地域でどのような感染症が流行しているか、・地域別感染症情報で調べてみてください。渡航先で流行している感染症について詳しく知りたい方は、感染症についての情報をご覧ください。

また、感染症によっては、効果的な予防接種があります。日本国内で行われている海外渡航者のための予防接種について知りたい方は、海外渡航と予防接種をご覧ください。

 

Q 2 渡航のための予防接種はどこで受けられますか?

 

A 2 「黄熱」の予防接種は国際予防接種証明書(通称:イエローカード)の発行が必要なことから、現在のところ、全国の検疫所と(財)日本検疫衛生協会の診療所で接種を行っています。

「黄熱」以外の予防接種は、一般の医療機関でも実施しているところがあり、検疫所が把握している予防接種可能な医療機関についてはFORTH海外渡航者向けの予防接種機関(検索)で調べることができますので、ご参照ください

 

Q 3 トラベルクリニックとは何ですか?どこにありますか?

A 3 トラベルクリニック(travel clinic)とは、渡航を予定している方を対象として、渡航健康相談、予防接種や予防内服、英文の診断書や証明書の発行などを行っている医療機関の総称です。

       検疫所が把握しているトラベルクリニックはFORTH海外渡航者向けの予防接種機関(検索)で調べることができますので、ご参照ください

 

Q 4 予防接種は何回受ければよいのですか?一回の接種だけでも効果がありますか?

A 4 予防接種の回数は、予防接種の種類、これまでに接種した予防接種の履歴や年齢などによって、違いがあります。

      日本の予防接種スケジュールは国立感染症研究所 感染症情報センターホームページの予防接種スケジュールをご参照ください。

黄熱のように、1回の接種で10年間予防効果が期待できるワクチンもありますが、複数回の接種をしないと予防効果が期待できないワクチンもあります。このようなワクチンで、必要な回数を接種しないと、抗体価が上がらなかったり、上がったとしても長持ちしないなど、十分な予防効果が期待できないことがあります。

渡航の日程が決まりましたら東京検疫所ホームページの予防接種の案内に掲載している予防接種の間隔(表)をご参照の上、早めに最寄りの検疫所やトラベルクリニックにご相談ください。

 

Q 5 いくつかの予防接種を受けるには、どのくらいの期間が必要ですか?

A 5 複数のワクチンを希望される場合、異なる種類のワクチンを接種するためには、間隔を守ることが必要です。接種をする医師が必要と認めた場合は、複数のワクチンを同時にすることもあります。

また、同じワクチンを複数回接種する場合には、それぞれに定められた間隔があります。

このように、渡航に必要な予防接種を受けるには、ある程度の日数が掛かりますので適切な接種スケジュールを立ててから接種を開始することが必要です。渡航の日程が決まりましたら、東京検疫所ホームページの予防接種の案内に掲載している 予防接種の間隔(表)をご参照の上、早めに受診を予定している予防接種機関にご相談ください。

 

Q 6 妊娠中、もしくは授乳中でも予防接種はできますか?

A 6 一般的に、生ワクチン(黄熱、ポリオ、麻疹など)の接種は、胎児への影響を考慮して、全妊娠期間を通じて接種を行いません。また、理論上考えられるリスクを回避するために、接種後2ヶ月は避妊が必要とされています。

また、授乳中の予防接種によって、生ワクチンのウイルスが母乳を介して乳児に感染する可能性もありますので、接種後1ヶ月程度は授乳を避けることをお勧めします。

不活化ワクチン(A型肝炎、狂犬病、日本脳炎、破傷風など)の妊娠期間中の接種は、胎児に影響ないとされていますが、妊娠が安定した時期に接種することが望ましいと考えられますので、産科主治医にご相談ください。

 不活化ワクチンを授乳中に接種することは、一般的に差し支えありません。

 

黄熱に関する質問

 

Q 7 黄熱の予防接種は、日本国内ではどこで受けられますか?

A 7 日本国内では、全国の検疫所と(財)日本検疫衛生協会の診療所で接種することができます。その他の医療機関では接種することができません(もご参照ください)。

 

Q  どのような場合に黄熱の予防接種が必要ですか?

A 8 渡航の順路どおりに、ルート上にある全ての国(乗り継ぎ国も含む)の要件をFORTHホームページの各国・地域の黄熱予防接種証明書要求及び推奨状況についてをご確認ください。

世界保健機関(WHO)が指定している黄熱に感染する可能性のある国(黄熱リスク国)には、黄熱の患者が現在発生している国だけでなく、現在患者は発生していなくても流行する可能性のある国も含まれており、アフリカと中南米の国々の一部が該当します。

黄熱の国際予防接種証明書(通称:イエローカード)の提示を求める国には

  黄熱リスク国であり、すべての渡航者に対して、入国の際に国際予防接種証明書の提示を求める国

  黄熱リスク国であり、黄熱リスク国から入国する渡航者に対して、国際予防接種証明書の提示を求める国

  黄熱リスク国ではないが、黄熱リスク国から入国する渡航者に対して、国際予防接種証明書の提示を求める国

 があります。

 また、

  黄熱リスク国であっても入国に際して国際予防接種証明書を要求しない国

もありますが、このような国で黄熱の流行地域に滞在される可能性がある場合にも、予防接種をお勧めします。

 

Q 9 黄熱の予防接種によって引き起こされる症状(副反応)にはどのようなものがありますか?

A 9 ワクチンは免疫をつけるために接種しますが、一部の方に、免疫がつく以外の反応が見られることもあり、これらを副反応といいます。

黄熱ワクチンの場合、比較的頻度が高い副反応としては、接種した部位(局所)の発赤(赤み)、腫脹(腫れ)、疼痛(痛み)などがあげられます。また、全身性の反応としては、発熱、筋肉痛、倦怠感(だるさ)などが見られます。これらの症状は、接種後まもなく発生し5〜10日で消失します(Q31Q32もご参照ください)。

その他に、非常に重い副反応の報告があります。これらのうちワクチンに対する過敏反応は、接種後30分以内におこることが多いので、黄熱の予防接種後少なくとも30分間は待合室で体調を確認させていただいております。

60歳以上の方の場合、若い方に比べ、非常に重い副反応が発生する可能性が高まることが知られています。黄熱感染によるリスクと予防接種に伴うリスクの両方を考慮した上で、接種を受けることをお勧めします。

 

  非常に重い副反応;過敏反応(ショック、アナフィラキシー様症状など)、神経疾患(脳炎、ギラン・バレー症候群など)、内臓疾患(熱性多臓器不全など)等

詳しくは検疫衛生課までお問い合わせください

 

Q10 黄熱の予防接種を受けることができない人や接種時に注意が必要な人はどういった方ですか?

A10 予防接種を受けることが不適当と考えられる方は、下記のとおりです。

1.  9ヶ月未満の乳児

2.  妊婦の方や妊娠している可能性のある方、授乳中の方(Q6をご参照ください)

3.  黄熱ワクチンの成分(ゼラチンなど)や容器のゴム栓(ラテックスゴム)に対してアレルギーを起こすおそれのある方

4.  鶏卵、鶏肉、その他鶏由来のものに対してアレルギーを起こすおそれのある方

5.  37.5℃以上の発熱がある方

6.  非常に重い急性疾患にかかっている方

7.  免疫が低下した状態、あるいは免疫を抑制する治療を行っている方

    免疫が低下する状態としては、

   がんや白血病などで、抗がん剤治療や放射線治療を行っている場合

   副腎皮質ステロイドなどの免疫を抑制する薬を内服している場合

  ※ステロイドの局所への使用(塗り薬、吸入薬、点眼薬など)は、問題ありません

   最近臓器移植を受けた場合や、過去に臓器移植を受けて免疫抑制剤を内服している場合

   人免疫不全ウイルス(HIV)感染や後天性免疫不全症候群(AIDS

   胸腺に関連した病気(胸腺腫、重症筋無力症など)や、胸腺を手術された場合

 などが考えられます。

 

 このほか、接種医が予防接種を行うことが不適当な状態にあると判断した場合、接種ができないことがあります。詳しくはご自分の病気について、主治医に病状をご確認の上、検疫衛生課までお問い合わせください。

 

また、次のいずれかに該当する場合は、健康状態や体質などから接種の適否などを慎重に判断した上で、注意して接種します。

1.  心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害などの基礎疾患を有する方

2.  以前の予防接種で、接種後2日以内に発熱のみられた方および全身性発疹などのアレルギーを疑う症状を起こしたことがある方

3.  過去にけいれんの既往のある方

 

なお、60歳以上の方の場合、非常に重い副反応(をご参照ください)が発生する可能性が高まるので、医師とよく相談し、黄熱ワクチンの有益性と危険性を十分に評価した上で、接種をするかどうか判断してください。

 

Q11 健康上の理由で黄熱の予防接種ができない場合、どうすればよいでしょうか?

A11 入国時に黄熱の国際予防接種証明書の提示が必要な方が、健康上の理由により黄熱ワクチンを接種できない場合には、医師の診断書などに基づき、禁忌証明書を発行します。

       ただし、禁忌証明書は国際予防接種証明書に代わるものではありませんので、禁忌証明書での入国が可能か、事前に渡航先国の大使館や領事館に確認してください。

また、黄熱は蚊によって媒介する感染症ですので、予防接種を受けられない方は、黄熱リスク地域で蚊に刺されないよう、虫除け剤を使用したり、長袖、長ズボン服を着用するなど、防虫手段を行うようにしてください。

 

Q12 黄熱の国際予防接種証明書(通称イエローカード)は、いつもらえますか?有効期間はどれくらいですか?

A12 黄熱の国際予防接種証明書は、予防接種当日に、接種後少なくとも30分間程度、体調が悪くならないか確認させていただいた後にお渡ししています。有効期間は、接種後10日目から10年間です。

 

Q13 黄熱の国際予防接種証明書の再発行や、記載内容の変更には、どのような手続きが必要ですか?

A13 黄熱の国際予防接種証明書は接種後10年以内であれば、予防接種を受けた機関で再発行することができます。

      また、結婚などでパスポートの姓名を変更した場合も、国際予防接種証明書の名前を変更する必要があり、こちらも予防接種を受けた機関で変更することができます。

    予防接種を受けた機関で手続きを行ってください(それぞれの機関で定めた手数料がかかります)。

 

渡航プラン別の質問

 

Q14 バックパックでの世界一周旅行を予定しています。どのような予防接種を選べばよいですか?

A14 まず、黄熱に感染する危険のある国(黄熱リスク国)に立ち寄るかどうかご確認ください。黄熱リスク国からの渡航者(乗り継ぎのみの場合も含まれます)に対して黄熱の国際予防接種証明書の提示を要求する国もあります。入国予定国だけでなく、乗り継ぎなどで渡航ルート上にある国も合わせてご確認ください(詳しくはQ8をご参照ください)。

 また、滞在予定地域で流行している感染症がないか、FORTHホームページの・地域別感染症情報で調べてください。ポリオ、日本脳炎、髄膜炎、ジフテリアなどの感染症は予防接種がありますが、流行地域が限られています。

  詳しくはFORTHホームページの旅行前の注意をご覧ください。

 

Q15 留学のため、海外に滞在します。どのような予防接種を選べばいいですか?

A15 各学校で要求している予防接種が異なりますので、まずは留学先の学校に、必要な要件をご確認ください。予防接種の英文証明書が必要となる場合もありますので、その際は対応できる医療機関をFORTH海外渡航者向けの予防接種機関(検索)から探してください。

 

Q16 海外赴任に伴い、子どもを含め、家族で海外に長期間滞在します。どのような予防接種を選べばいいですか?

A16 お子様の予防接種については、将来日本に戻られることを念頭に、まずは年齢に合わせた日本の定期接種を終了しておかれることをお勧めします。その上で、渡航国の定期予防接種に含まれるワクチンを追加していくことをお勧めします。

           各国の定期予防接種については、外務省 在外公館医務官情報の地域別医療事情 各国ページにある「現地の小児定期予防接種一覧」をご参照ください。

     世界保健機関(WHO)のホームページ WHO Vaccine Preventable Diseases Monitoring Systemからも調べることができます(英文)。

転入予定の学校や保育園等がお決まりの場合は、施設によって要求している予防接種が異なりますので、入学書類等を取り寄せ、必要な要件をご確認ください。母子健康手帳に記載されている予防接種の記述を英訳したり、予防接種の英文証明書が必要となる場合もありますので、その際は対応できる医療機関をFORTH海外渡航者向けの予防接種機関(検索) から探してください。

ご両親の予防接種については、外務省 在外公館医務官情報の地域別医療事情 各国ページにある「赴任者に必要な予防接種」の項目をご参照ください。

 

Q17 ボランティア活動のため、開発途上国の僻地に滞在します。どのような予防接種を選べばよいですか?

Q17 日本より衛生状態の悪い地域で、民家などに滞在される場合や、現地で交流の一環で食事を共にする場合には、A型肝炎の予防接種をお勧めします。また、他の食べ物から感染する病気を防ぐためにも、生水や加熱調理していない食べ物は口にしないようにしてください。

 また、B型肝炎は体液で感染するため、主として性行為等での感染が知られていますが、開発途上国では医療機関での治療や輸血でも感染リスクが伴うので、長期間滞在する方には予防接種をお勧めします。

また、ボランティア活動の内容によって、必要な予防接種が異なります。

野外での農作業など、動植物に接する機会が多く、怪我をしたり、動物に咬まれたりした場合に、都市部から離れていて、すぐに医療機関へ受診することが難しい地域に滞在される場合は、破傷風狂犬病の予防接種をしておくことをお勧めします。

また、の媒介する感染症を防ぐため、現地の虫除け剤(忌避剤)を使用したり、長袖・長ズボンを着用して肌の露出部分を少なくするなど、防虫対策を行ってください。

医療機関や施設での奉仕など、人体に直接触れる機会が多い場合は、B型肝炎をお勧めします。

詳細については、FORTHホームページ病気予防について及び海外渡航と予防接種をご参照ください。

 

Q18 マラリアの流行地域を旅行することになりました。マラリアの予防薬はどこで入手できますか?

A18 検疫所ではマラリアの予防薬を取り扱っておりません。取り扱っている医療機関についてはFORTH海外渡航者向けの予防接種機関(検索)で検索が可能です。

なお、マラリアの予防薬は、服薬期間が長く、帰国後も服薬を続ける必要があり、また地域によっては、薬剤耐性のマラリアが流行していることがありますので、ご自身の渡航状況を含め医療機関でご相談ください。

 

滞在先・渡航後の健康状態に関する質問

 

Q19 海外で動物に咬まれた場合や怪我をした場合、どうすればよいでしょうか?

A19 海外で動物に咬まれた場合や怪我をした場合、狂犬病破傷風に感染する可能性があります。傷口を石けんときれいな水でよく洗い、速やかに現地でワクチンを常備している医療機関を受診してください。発症を防ぐためには、事前に予防接種を受けていても、受傷後速やかにまず1回目のワクチンを接種する必要があります。

それ以降に必要なワクチンの回数や処置については、事前の予防接種の回数や接種されてからの期間によって異なります。傷の状態を確認し、必要な治療を受けるためにも、まずは医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。

 

Q20 海外から帰国後、具合が悪くなりました。どこへ受診すればよいでしょうか。

A20 旅行先で発症して治療を受けた場合や、帰国の途中で症状が出た場合は、日本到着時に症状や滞在先を検疫官に申告してください。必要に応じて検査を実施したり、医療機関をご紹介します。

帰国後に発症した場合、症状が重くなければ、まずはかかりつけの医療機関に相談されることをお勧めします。その際、海外へ行って来たことを必ず医師に申告してください。

病気には、潜伏期があり、感染してもすぐに発病しないものもあります。症状が重かったり、専門的なアドバイスを受けたい場合は、感染症の診療を行っている最寄りの医療機関で検査と治療を受けてください(医療機関がわからない場合は、検疫衛生課までご連絡ください)。

なお、感染症によっては周囲の方に感染させる恐れがあります。手洗いを励行するとともに、咳・くしゃみなどの呼吸症状がある場合は、必ずマスクを着用して受診してください。

 

 


第二部 東京検疫所で実施している予防接種

 

接種前(事前予約など)に関する質問

 

Q21 東京検疫所で接種できる予防接種は何ですか?それらの同時接種は行っていますか?

A21 東京検疫所では毎週火曜日、海外渡航者向けに生ワクチン(黄熱、ポリオ※及び麻しん)の単独の接種、もしくは生ワクチンと不活化ワクチン(A型肝炎、狂犬病、日本脳炎及び破傷風)の同時接種を行っています。不活化ワクチンの単独接種や、生ワクチン同士の同時接種は行っておりません。詳しくは東京検疫所ホームページの防接種のご案内をご覧ください。

   ※ポリオは毎月1回、第1回目の接種日(通常第一火曜日)のみとなります。

        ポリオ、麻しん、日本脳炎については、予約後ワクチン取り寄せになります。

  黄熱予防接種をご希望の方で、東京検疫所の接種スケジュールにご都合が合わない方は、FORTH黄熱ワクチン接種機関一覧

  その他の予防接種をご希望の方は、FORTH海外渡航者向けの予防接種機関(検索)をご参照の上、お問い合わせください。

 

Q22 東京検疫所で狂犬病の予防接種を受けることはできますか?

A22 東京検疫所では黄熱など生ワクチンと同時接種の場合のみ、狂犬病の予防接種を行っています。狂犬病など不活化ワクチンのみの予防接種は実施しておりません。

狂犬病の予防接種のみをご希望の場合は、最寄りの接種機関をFORTH海外旅行者向けの予防接種機関(検索)で検索することができますので、参照ください

なお、狂犬病の予防接種は、狂犬病が蔓延している地域の僻地などを旅行される方で、動物に咬まれた際に、医療機関へ直ちに受診するのは難しいと予想される場合にお勧めします。

また、狂犬病の予防接種は、発症を完全に防ぐものではありませんので、事前に受けていても、受傷した場合は、速やかにまず1回目のワクチンを接種する必要があります。詳しくはをご参照ください。

 

Q23 東京検疫所で予防接種を受けるにはどうすればいいですか?

A23 東京検疫所の予防接種は、ワクチンや証明書の準備の関係から、完全電話予約制となっております。予約なしで当日来られても、接種はできません。

予約は渡航予定日の2ヶ月前から受付けております。渡航予定日と渡航先(経路)が決まりましたら、このスケジュールに合わせてお電話にてご予約ください(ビザの申請等で早めの接種が必要な場合は、検疫衛生課までご相談ください)。

詳しくは東京検疫所ホームページ予防接種のご案内をご参照ください。

 東京検疫所の予約・接種スケジュールにご都合が合わない方は、FORTH黄熱ワクチン接種機関一覧にお問い合わせください。

 

Q24 東京検疫所の場所はどこですか?周辺に駐車場や食事をする場所はありますか?収入印紙は買えますか?ATMはありますか?

A24 東京検疫所の所在地は、〒135-0064東京都江東区青海2-7-11東京港湾合同庁舎8Fです(地図・交通機関などはこちら)。

東京港湾合同庁舎には、1階にレストラン(ランチ11:0014:00、喫茶16:30まで)、2階に職員食堂(ランチ11:0013:30 一般の方の利用可)があります。2階には売店もあり(営業時間7:3020:00)、収入印紙を購入できます(クレジットカード使用不可)。庁舎内にATMはありませんので、付近のコンビニエンスストアー等をご利用ください。

庁舎内に駐車はできませんので、付近の民間駐車場をご利用ください。

 

Q25 予約を変更・キャンセルするにはどうすればよいですか?

A25 日程や予防接種の種類など、予約内容を変更したい場合は、速やかに検疫衛生課までお電話ください。ワクチンは前もって必要な分量を準備しておりますので、当日に予防接種の種類を変更することはできません。

また、ご予約された日の接種ができなくなった場合、キャンセルのご連絡を早くいただければ他の方の予約を受け付けることができますので、変更する必要が生じた時点で早急にご連絡いただきますようお願いいたします。

 

Q26 黄熱以外の予防接種の証明書を発行してもらうことは可能ですか?

A26 留学などで、黄熱以外の予防接種の証明書を希望される場合、発行手数料として830円分の料金が発生します。予防接種を予約される際に、お申し出ください。

なお、他の医療機関で発行された予防接種記録表をお持ちいただいた方には、無料で接種記録を記入することが可能ですので、当日の受付の際に提出してください。また、無料で検疫所の書式(トラベルメイト)に接種記録を記入することも可能ですので、ご希望の方は当日の受付の際にお申し出ください。

 

予防接種当日に関する質問

 

Q27 当日はどのくらい時間がかかりますか?

A27 当日は、予約の際にお伝えする集合時間にお集まりいただき、当日の受付を行った順に接種を行います。また、接種後少なくとも30分間は、体調が悪くならないか確認させていただき、その後に国際予防接種証明書が発行されます。接種する方が多い場合は、集合時間以降の待ち時間が1時間以上かかることもありますので、当日の予定に余裕を持ってお越しください。

 

Q28 急用が入り、集合時間に間に合いそうにありません。どうしたらいいですか?

A28 まずは電話で検疫衛生課に遅れることをご連絡ください。黄熱ワクチンは1瓶が複数分となっており、また、開封後1時間以内に使用しなければなりません。ご到着が大幅に遅れる場合は、接種ができなくなりますので、ご了承ください。

 

29 当日持って行く物は何ですか?どのような服装がよいですか?

A29 接種料金分の収入印紙と、黒のボールペンなどの筆記用具をお持ちください。収入印紙は東京検疫所のある東京港湾合同庁舎の2階の売店でもご購入できます。

インターネットにアクセスできる場合は、東京検疫所ホームページより予防接種申請問診票をダウンロードしていただき、それぞれAサイズの用紙にプリントアウトし、可能な範囲でご記入の上、お持ちいただきますと、手続きのお時間を短く済ますことができます。

未成年の方の予防接種につきましては、保護者の同意が必要となりますので、問診票に保護者の署名を忘れずご記入ください。なお、中学生以下の場合、保護者の同伴が必要になります。

また、これまでの予防接種記録(他の医療機関で発行された記録表など)をお持ちいただくと、当日の接種内容を記録することが可能です。

予防接種は、上腕の外側に注射しますので、服装は袖のない服か、袖が上腕の上部まであがる服が便利です。袖をまくることが難しい場合は服を脱がなくてはならないこともありますので、上下が分かれている服の方が望ましいです。

 

Q30 当日は、飲酒、運動などに制限がありますか?お風呂に入れますか?

A30 接種当日の飲酒や激しい運動は、副反応が出やすくなると言われていますので、避けてください。

入浴は注射の後1時間以上経過すれば差し支えありませんが、注射をしたところを揉んだりこすったりすることはやめてください。また発熱や疲れた感じがする場合には、入浴は避けてください。

発熱や疲れがひどく感じる場合は、接種時にお渡しした注意書きを持って医療機関(内科など)を受診してください。受診後で結構ですので、受診したことを検疫衛生課にもご連絡ください。

 

接種後の注意事項に関する質問

 

Q31 予防接種後、注射したところが腫れてきました。大丈夫でしょうか?

A31 ワクチンの局所に対する副反応として、接種後1〜3日後に、注射したところが赤くなったり腫れたりして、痛みを感じることがあります。腫れたところが自分の手の平より大きい場合や、ひどい痛みや痒みがある場合は、注意書きを持ってお近くの医療機関(内科・皮膚科など)を受診してください。また受診後で結構ですので、受診したことを検疫衛生課にご連絡ください(Q9もご参照ください)。

 

Q32 予防接種後、急に熱などの症状がでてきました。大丈夫でしょうか?

A32 ワクチンの全身に対する副反応として、接種後2週間以内に発熱などの症状が現れたりすることがあります。発熱に伴い頭痛、嘔吐などの強い症状が出た場合は、接種時にお渡しした注意書きを持ってお近くの医療機関(内科など)を受診してください。また受診後で結構ですので、受診したことを検疫衛生課にもご連絡ください。

なお、接種後2週間以内に海外へ出発される方は、念のためアセトアミノフェン系の解熱剤(デング熱など、他の感染症による発熱に使用しても安全なもの)を携帯されることをお勧めします(Q9もご参照ください)。