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■国の役割
■狂犬病予防対策の概要について
狂犬病発生予防のための狂犬病予防法に基づき、1.飼い犬の登録、2.犬の狂犬病予防注射、3.未登録犬等の捕獲抑留、4.犬等の検疫による狂犬病予防事業が推進されています。
※1 平成15年度末現在
※2 動物管理センターは、狂犬病予防事業の他、動物の愛護・管理に関する
   事業を実施
※3 動物の輸入検疫頭数の推移(農林水産省動物検疫年報)

動物検疫所HP

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「狂犬病予防法」の解説
狂犬病の発生の予防、その蔓延防止と撲滅を目的とする狂犬病予防法では、1.狂犬病の発生がない通常時の措置と、2.狂犬病発生時の措置に分けて、国、地方公共団体、国民の責務を明示しています。

1.狂犬病の発生がない通常時の措置
日本では昭和32年以来狂犬病が発生しておらず、現在の対応はこれに基づいたものです。

<犬の登録>
犬の所有者は、所在地の市町村長に犬の登録を申請することとされています。
登録されると「犬の鑑札」が公布され、飼い主は犬にその鑑札を付けておくことが義務づけられています。
なお、犬が死亡したり、犬の所在地、所有者の住所・氏名の変更があった場合は、その旨の届出が必要です。(以上「狂犬病予防法」第四条)

<予防注射>
犬の所有者は、毎年一回(4月〜6月)、犬に狂犬病の予防注射を受けさせることとされています。注射を受けると、注射を打った獣医師から「注射済証」が交付されますので、これを市町村長に提示し「注射済票」の交付を受けなければなりません。飼い主は犬にその注射済票を付けておくことが義務づけられています。
(以上「狂犬病予防法」第五条、「同法施行規則」第12条)

<抑留>
都道府県知事は、職員の獣医師のうちより狂犬病予防員を任命しなければならず、狂犬病予防員は、登録をされていない犬、予防注射を受けていない犬等を捕獲し、抑留することが任務となります。
(「狂犬病予防法」第六条)

<輸出入検疫>
検疫を受けた犬等(犬、ネコ、キツネ、アライグマ、スカンク)でなければ、輸出入することはできず、その検疫事務は農林水産省が行うこととしています。(「狂犬病予防法」第7条)

2.狂犬病発生時の措置
万が一、狂犬病が発生した場合は、上記のフローチャートにあるように、狂犬病にかかった犬等又はその疑いのある犬等を診断した獣医師又はその犬の所有者に対し保健所長への届出義務、獣医師又は所有者に対しその犬等の隔離義務が課せられており、国、地方公共団体より必要な指示が出されることとされております。
(「狂犬病予防法」第8条〜19条)

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■動物由来感染症対策の概要について
●感染症の予防及び感染症患者に対する医療に関する法律に基づき、厚生労働省では動物由来感染症対策として、以下の5つの施策を進めております。

1. 国民への情報提供体制の整備
○ ホームページ「動物由来感染症を知っていますか?」の開設(平成13年〜)
○ ハンドブック「動物由来感染症」の作成、関係機関への配布(平成14年〜)
○ リーフレット「ウエストナイル熱を知っていますか?」の作成、関係機関への配布(平成15年〜)
○ 普及啓発用ポスター「動物由来感染症」、「狂犬病予防注射」の作成、関係機関への配布(平成13年〜)


2 .サーベイランス(人、動物ともに)体制の整備
○ 動物由来感染症の患者の届出(医師:法第12条)、動物由来感染症の感染源動物の届出(獣医師:法第13条)
 ・医師の届出
   1類〜4類感染症は全て即時届出、5類感染症は7日以内に届出
 ・獣医師の届出
   サル(エボラ出血熱・マールブルグ病・細菌性赤痢)、プレーリードッグ(ペスト)、イタチアナグマ、タヌキ及びハクビシン(SARS)、犬(エキノコックス症)、鳥類(ウエストナイル熱)が対象
○ 地方公共団体の動物由来感染症対策への補助事業
 「動物由来感染症予防体制整備事業」(厚生労働省疾病予防事業等補助金)
○ 厚生労働科学研究の推進
 厚生労働科学研究費補助金(新興・再興感染症研究事業)「動物由来感染症対策としての新しいサーベイランスシステムの開発に関する研究」主任研究者:山田章雄(国立感染症研究所獣医科学部長)


3. 危機管理等のための対応ガイドライン等の作成、関係機関への配布
○ 狂犬病対応ガイドライン2001
○ 動物展示施設におけるヒトと動物の共通感染症対策ガイドライン2003
○ 身体障害者補助犬の衛生確保のための健康管理ガイドライン
○ ウエストナイル熱媒介蚊対策ガイドライン
○ CD-ROM「タイで麻痺型狂犬病と診断された犬の臨床経過」
○犬のエキノコックス症診断対応ガイドライン


4. 輸入動物の監視体制の整備
○リスクに応じた3段階の対応
 ・輸入禁止(法第54条)
   サル、プレーリードッグ、イタチアナグマ・タヌキ・ハクビシン、コウモリ及びヤワゲネズミ
 ・輸入検疫(法第55条)
   一部地域のサル
 ・輸入届出(法第56条の2)
   「生きた哺乳類、鳥類」及び「げっ歯目の死体」等
○ 動物の輸入実態の把握
 検疫対象の一部の家畜等を除き、動物の輸入統計が無かったことから、財務省に輸入品目表(財務省告示)の改正、動物の輸出入統計集計の開始を依頼。
 ・ 哺乳類について細分を設けた集計の開始(平成13年〜)
 ・ 鳥類、は虫類、両生類についても新たに集計を開始(平成14年〜)

5. 関係機関等との連携体制の整備
○ 「ウエストナイル熱対策関係省庁連絡会議」の開催(平成14年〜)
○ 農林水産省の「ウエストナイルウイルス感染症防御技術検討会」、「家きんペスト防疫技術検討会」への参加(平成14年)
○ 「鳥インフルエンザに関する関係省庁対策会議」への参加(平成16年)
○ 「犬等の検疫制度検討会」の農林水産省との共同開催(平成16年)

「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の
動物由来感染症対策の解説
この法律では、感染症の発生の予防及びその蔓延の防止のために、国及び地方公共団体の責務、国民の責務、そして医師等の責務を、次のように明示しています。
国及び地方公共団体の責務
1. 感染症に関する正しい知識の普及
2. 感染症に関する情報の収集、整理、分析及び提供
3. 感染症に関する研究の推進
4. 感染症の病原体等検査能力の向上
5. 感染症の予防に係わる人材の養成及び資質の向上
6. 感染症の患者が良質かつ適切な医療を受けられるように必要な措置を講じる。

さらに国の責務として以下もあげています。
1. 感染症に関する情報の収集及び研究並びに感染症に係わる
   医療のための医薬品の研究開発の推進
2. 感染症の病原体等の検査の実施等を図るための体制を整備
3. 国際的な連携
4. 地方公共団体に対し必要な技術的及び財政的援助
(以上、「感染症法」第3条)

そして国民の責務として以下を示しています。
1. 感染症に関する正しい知識を持つ
2. 感染症の予防に必要な注意を払う
3. 感染症の患者の人権が損なわれることがないようにすること
(以上、「感染症法」第4条)

また医師その他の医療関係者の責務も以下のように定めています。
1. 感染症の予防に関し国及び地方公共団体が講ずる施策に協力すること
2. 感染症の予防に寄与するよう努めなければならないこと
3. 感染症の患者等が置かれている状況を深く認識すること
4. 良質かつ適切な医療を行うよう努めなければならないこと
(以上、「感染症法」第5条)

●動物由来感染症対策の強化
 感染症法の成立とともに、わが国の動物由来感染症対策は大きく充実してきました。しかし、従来の制度では想定していなかったさまざまな現象を迎えるにおよび、新たな対応が求められてきました。
 エボラ出血熱をはじめ、鳥インフルエンザウイルス感染症、ニパウイルス感染症、サル痘、ウエストナイル熱など、法の制定後これまでに発生した新興感染症の多くは動物由来感染症でした。最近では、中国で発生した重症急性呼吸器症候群(SARS)も、原因ウイルスの起源は解明されていないものの、野生動物に由来することが示唆され、現在原因動物の調査が進められています。
 平成10年の感染症法制定時には、エボラ出血熱・マールブルク病対策のため、サルを輸入禁止動物に指定し、特定地域・施設のサルに限って検疫を実施して輸入を許可する制度が導入されました。しかし、その後サル以外にも、年間100万頭以上の多種・多数の野生動物が世界各地から航空機などによって輸入され、動物の種類や安全性が確認されることのないまま、複雑な流通ルートを経てペット用に販売されている実態が明らかとなりました。ここに、従来の制度に加えて、現状に沿った一層の輸入動物の安全確保を図る必要性が生じてきたといえます。
 折しも、野兎病に感染したおそれのあるプレーリードッグがアメリカから輸入された事件が起こります。この事件では、トレーサビリティーの欠如などのため、ひとたび国内に流通してしまうと、事後対応が極めて困難となるなど、輸入動物の安全対策上の課題が明らかとなり、その対応が急務となりました。
 また、対象疾患についても、従来の制度では動物由来感染症対策を実施できたのは1〜3類感染症に限定されていたため、輸入動物だけではなく国内動物対策においても十分な対応を計ることができないケースが見られました。平成13年に起きたオウム病の集団発生では、発生源となった動物展示施設での疫学調査の実施や、蚊が媒介する感染症(ウエストナイル熱など、旧4類感染症に指定されていたもの)の対策は、根拠となる法規定の明示がないなど、その明確化を計る必要性が生じてきました。
 このように、動物由来感染症を取り巻く状況の変化にあわせて、平成15年10月の改正では以下のような新制度の創設と新たな規定の追加等がなされ、動物由来感染症対策の充実強化が図られることとなりました。

1)動物の輸入に関する届出制度の創設(第56条の2)
 今回、新たに創設された動物の輸入届出制度では、感染症を媒介させるおそれのある動物等(哺乳類及び鳥類等(その死体も含む)を対象)を輸入する者は、当該動物について輸出国で衛生管理を行い感染症に罹っていない旨の衛生証明書を取得添付した上で、動物の輸出国・種類・数量等の輸入履歴とともに厚生労働大臣に届出ることが義務づけられました。これにより、我が国に輸入される動物の公衆衛生対策は、従来からの「狂犬病予防法に基づく犬等の検疫制度」、「感染症法に基づく輸入禁止動物の指定及び検疫制度」に加えて、本届出制度によっても実施されることとなります。(動物の輸入届出制度は公布から2年以内の政令で定める日から施行)

2)輸入禁止動物(指定動物)の対象疾患の拡充(第54条)
 従来は、我が国にない1〜3類感染症を媒介するおそれのある動物に限って輸入禁止とすることとされていましたが、今次改正において対象疾病が拡充され、我が国にない4類感染症等についても対象とすることとされました。(改正法の施行後、コウモリについては4類感染症のニパウイルス感染症、リッサウイルス感染症、狂犬病の侵入防止のため輸入禁止とされた)

3)動物の調査規定の明示(第15条)

 今次改正では、感染症の発生状況等の疫学調査について規定する関連条文が改訂され、都道府県知事(緊急の場合にあっては厚生労働大臣も)は職員を、感染症を媒介するおそれのある動物等の所有者等に質問させ、または必要な調査をさせることができることとされ、動物由来感染症対策のための動物調査規定の明文化が図られました。

4)獣医師等の責務規定の創設(第5条の2)
 従来から規定のあった医師等の責務と並び、獣医師等も感染症の予防に関し国及び地方公共団体が講ずる施策に協力するとともに、その予防に寄与すべき旨の責務規定が創設されました。また、動物等取扱業者(輸入者、販売者、展示者等)については、感染症の予防に関する知識・技術の習得、及び動物の適切な管理等の措置を講ずべき旨の責務規定が課せられました。

5)獣医師の届出対象疾患の拡充(第13条)
 従来の規定では、獣医師に感染動物の届出を求めることができる対象疾患は1〜3類感染症のうち政令で指定される感染症に限定されていましたが、今般の改正では新たに4類感染症も対象に政令で指定できることとされました。

6)その他の対物措置(動物、節足動物等も対物措置の対象)の対象疾患の拡充
(第27条、28条、29条、35条)

 従来の感染症類型が改められるとともに、対物措置を行うことができる対象疾患の範囲が拡大され、これまでは1〜3類感染症に限定されていた対象疾患が1〜4類感染症に改められ、病原体に汚染された場所の消毒(第27条)、ねずみ族、昆虫等の駆除(第28条)、物件に係わる措置(第29条)、更にその措置のために必要な質問及び調査(第35条)が行うことができることとされました。

7)新たな動物由来感染症の追加(第6条の5)
 新たにE型肝炎、高病原性鳥インフルエンザ、サル痘、ニパウイルス感染症、野兎病、リッサウイルス感染症、レプトスピラ症が4類感染症として追加されました。

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