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ネズミが原因の新興感染症
(ハンタウイルス肺症候群) |
1993年5月に、米国南西部のニューメキシコ州を中心に、突如出現した新興感染症(エマージング・ディジーズ)がこの
ハンタウイルス肺症候群です。
●これまでので発生状況
北米大陸の米国(363名罹患、死亡率38%)、カナダ(32名罹患、12名死亡)
南米大陸のアルゼンチン、チリ、パラグアイ、ブラジル、ウルグアイ、ボリビア(合計2 29名罹患、死亡率50%)
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最初に発生があった場所は・・・
米国のニューメキシコ、アリゾナ、ユタ、コロラドの4州が直角に交差するFour Cornersregionとよばれる地域で、当初は先住民居留区の住人に感染がみられたことから、先住民の奇病として扱われてしまい、一部のパニックを起こしました。その後、ニューメキシコ州衛生当局の適切な対応と、米国CDCの迅速な原因ウイルス検出で、混乱の拡大が避けられ、統一的な診断と治療ができるようになりました。
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●原因ウイルス
ユーラシア大陸で広くみられる腎症候性出血熱の原因と同じハンタウイルス属に含まれます。ウイルスの名称は、最初の患者が発生した地域の名前を住民の反対で使 用できなかったことより、シンノンブレ・ウイルス(スペイン語で“名無しウイルス”)と名付けられています。
自然界でこのウイルスは、南北アメリカに生息するいわゆる新世界ネズミ(アメリ カネズミ亜目)が保有しており、北米ではシカシロアシマウス(シカネズミ)、南米ではコメネズミ、ヨルマウスが病気の媒介動物となります。なぜ1993年から 病気の流行が認められるようになったかは不明ですが、一説ではエルニーニョ現象 に基づく多雨によって砂漠が緑化し、ネズミの生息数が急増したことが原因とも考えられています。
●人への感染
ネズミの糞尿中に排泄されるウイルスの飛沫によって起こるといわれています。
1〜2週間の潜伏期間をおいて、前駆症状として発熱、筋肉痛、発咳というインフルエンザ様症状を呈し、一般的なウイルス性疾患による症状と区別できません。
その後重症例では急速に呼吸困難、肺水腫、胸腔内への浸出液の貯留が進行します。ショック、低血圧によりほとんどの症例は第8病日以内に死亡します。
●治療について
この病気は急性の経過を特徴とするので、早期の適切な対症療法が極めて重要といわれています。
●予防方法
流行地ではげっ歯類との接触を避けること、感染ネズミの生息地域に入らないこと、また流行地ではげっ歯類の侵入を促すような不用意な食物の管理を行わないことが上げられています。
<関連リンク>
国立感染症研究所のハンタウイルス肺症候群の解説ページ
米国CDCのハンタウイルス肺症候群の情報ページ
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