トップへリンク集相談できるところは?もっと詳しく知りたい方へこんなことをした後は要注意世界であったこんな話動物由来感染症を知っていますか?
成田空港検疫所のホームページ

アメリカではコウモリに御用心!
(狂犬病)

ほんとにあったこんな話
米国オレゴン州に語学研修の生徒を引率して渡航した日本の高校のA先生に起きた、日本では信じられないようなお話です。

現地の宿泊先の大学学生寮に戻った先生が、洗面所の流しで手を洗う際、うずくまっていた小動物に右手拇指を咬まれてしまいました。その小動物とは弱ったコウモリで、指から出血はあったものの傷はたいしたこともなく、先生は医療機関にいくつもりはありませんでした。しかし、大学関係者に勧められて、救急病院で受診しました。
先生は、病院で狂犬病の発病を防ぐ予防ワクチン、免疫グロブリン等の注射を行いました。
問題のコウモリは、検査の結果、狂犬病であることが判明しましたが、適切な治療を受けた先生は、現在も健康に生活しています。
なお、平成15年11月から我が国では外国からのコウモリの輸入は法律(感染症法)で禁じられています。

米国では野生動物を中心に狂犬病が発生しており、毎年人も死亡しています。
狂犬病は発病すると必ず死ぬ病気です。しかし、咬まれた後のワクチン接種などで発病を防げる病気です。

米国をはじめ、世界の多くの国にはいまだに狂犬病がある。
コウモリなど、野生動物には絶対に触らない。
狂犬病は知らないと怖い病気だが、予防を行えば罹らない病気である

オーストラリアであったこんな話●こうもりについて

<関連リンク>
動物検疫所HP
日本獣医師会
米国感染症予防センター(CDC)
世界保健機関(WHO)
国立感染症研究所の狂犬病解説ページ
国立感染症研究所の人獣共通感染症ページ

▲TOPへ戻る

ペット用プレーリードックが大量死
(ペスト)

野生動物には注意が必要です
1998年4月下旬から5月上旬にかけて、テキサス州で約500頭のプレーリードッグが動物業者により捕獲され、そのうち356頭が同州の他地域のブローカーに送られま した。
到着3〜4日後、若干のプレーリードッグが死亡しましたが、輸送によるストレスによるものと考えられました。ところが、到着後7日目(捕獲後12〜17日後)には、相当数のプレーリードッグが死亡し、その状況は3〜4日続き、抗菌剤が投与されてようやく75頭が生き残りました。
CDCペスト研究部が死体を検査したところ、ペストであると確定診断され、ただちに残りのプレーリードッグ全てを安楽死させ焼却しました。

もし、ペスト菌に感染したプレーリードッグが発症して死ぬまでに、世界各国に輸出されていたとしたら、無数の人々がペスト菌に暴露されるところでした。この事件は、安易に野生動物をペットの目的などで生息地と異なる場所に持ち込み、人間と近く接触する環境に置くことの危険性を示唆するものです。
なお、我が国では、平成15年3月より、外国からのプレーリードッグの輸入は、感染症法に基づき、禁止されています。

【ペスト】>>もっと詳しく知りたい方
アメリカでは毎年約10〜15例のペスト患者が発生しており、発生地域は中西部から太平洋岸にかけての地域が圧倒的に多く、ニューメキシコ州、アリゾナ州、コロラド州、カリフォルニア州での発生が多く見られます。アメリカではプレーリードッグ、ジリス、イワリス、マウスなどの野生げっ歯類への感染が確認されています。
プレーリードッグはペスト菌に感染すると1〜2週間でほぼ100%死亡し、この間に菌が大量に増殖し周囲に拡散する危険性があります。
●感染に注意
ペスト菌に感染したノミ(ペスト菌は、げっ歯類→ノミ→げっ歯類という感染のサイクルを持つ)に咬まれる、また、感染したげっ歯類との直接接触により人への感染が起こり得ます。
●予防法
プレーリードッグやリスなどのげっ歯類は感染源となる危険性が高いので、それらの生息地には立ち入らない。
流行地では感染ダニやノミに咬まれないよう肌を露出しない。
死んだ動物には触れない。
流行地では犬やネコを放し飼いにしない。

<関連リンク>
国立感染症研究所の人獣共通感染症ページ
国立感染症研究所のペストの解説ページ
米国CDCのペスト情報

▲TOPへ戻る

ニューヨークで動物由来感染症
(ウエストナイル熱)

大都会ニューヨークと動物由来感染症といっても、なかなか関係が連想できないかもしれません。この病気、1999年秋のニューヨークで大変な騒ぎを起こしました。少なくとも7名が死亡し50人以上が発病したと伝えられています。
米国ではこの年以降、毎年、流行地域は西進し、2003年には46州で9,858人の患者が確認され、うち262人が死亡しています。

ニューヨークで発生したウエストナイルウイルス脳炎
本来は鳥の病気で、蚊の吸血により鳥の間で流行が広がります。
●人への感染
ウイルスに感染した蚊に刺されることにより感染し、人の他にも馬、犬などの 動物も感染します。
●病原体ウイルス
1937年にアフリカのウガンダのウエストナイル州で初めて見つけられ、それ以降、イスラエル、エジプト、フランスのローヌ川河口、南アフリカ、ルーマニアのブカレストなどでたびたび流行を起こしましたが、地球の西半球で発生したのはニューヨークが最初となりました。
●感染すると
多くの人は無症状ですが、約20%の人では、3〜6日の潜伏期で、インフルエンザ様症状を呈します。時に無菌性髄膜炎、脳炎が起こり(20%程度)、主に50歳以上の高齢者の方が重症になります(感染者の約1%)。

なぜニューヨークにこの病気がやってきたかについては判明しておりませんが、渡り鳥説、密輸された野鳥説(米国では野鳥の輸入が厳しく規制されています)があります。
カラスにおけるウエストナイル熱感染は、他の感染症と同様に徐々に死亡数が増加し、少なくとも数週間にわたって継続すると考えられています。
1999年におけるニューヨーク州のカラスの死亡数調査では、見つかった7万1332羽のほとんど(約90%)が、単独で発見されています。
1か所で同時期に多数のカラス等、野鳥の死体が見つかる場合は、ウエストナイル熱ではなく、中毒等が原因として疑われます。

<関連リンク>
国立感染症研究所のウエストナイルウイルス解説ページ
米国CDCウェストナイルウイルス情報

▲TOPへ戻る

ネズミが原因の新興感染症
(ハンタウイルス肺症候群)

1993年5月に、米国南西部のニューメキシコ州を中心に、突如出現した新興感染症(エマージング・ディジーズ)がこのハンタウイルス肺症候群です。

●これまでので発生状況
北米大陸の米国(363名罹患、死亡率38%)、カナダ(32名罹患、12名死亡)
南米大陸のアルゼンチン、チリ、パラグアイ、ブラジル、ウルグアイ、ボリビア(合計2 29名罹患、死亡率50%)

最初に発生があった場所は・・・
米国のニューメキシコ、アリゾナ、ユタ、コロラドの4州が直角に交差するFour Cornersregionとよばれる地域で、当初は先住民居留区の住人に感染がみられたことから、先住民の奇病として扱われてしまい、一部のパニックを起こしました。その後、ニューメキシコ州衛生当局の適切な対応と、米国CDCの迅速な原因ウイルス検出で、混乱の拡大が避けられ、統一的な診断と治療ができるようになりました。

●原因ウイルス
ユーラシア大陸で広くみられる腎症候性出血熱の原因と同じハンタウイルス属に含まれます。ウイルスの名称は、最初の患者が発生した地域の名前を住民の反対で使 用できなかったことより、シンノンブレ・ウイルス(スペイン語で“名無しウイルス”)と名付けられています。
自然界でこのウイルスは、南北アメリカに生息するいわゆる新世界ネズミ(アメリ カネズミ亜目)が保有しており、北米ではシカシロアシマウス(シカネズミ)、南米ではコメネズミ、ヨルマウスが病気の媒介動物となります。なぜ1993年から 病気の流行が認められるようになったかは不明ですが、一説ではエルニーニョ現象 に基づく多雨によって砂漠が緑化し、ネズミの生息数が急増したことが原因とも考えられています。
●人への感染
ネズミの糞尿中に排泄されるウイルスの飛沫によって起こるといわれています。
1〜2週間の潜伏期間をおいて、前駆症状として発熱、筋肉痛、発咳というインフルエンザ様症状を呈し、一般的なウイルス性疾患による症状と区別できません。
その後重症例では急速に呼吸困難、肺水腫、胸腔内への浸出液の貯留が進行します。ショック、低血圧によりほとんどの症例は第8病日以内に死亡します。
●治療について
この病気は急性の経過を特徴とするので、早期の適切な対症療法が極めて重要といわれています。
●予防方法
流行地ではげっ歯類との接触を避けること、感染ネズミの生息地域に入らないこと、また流行地ではげっ歯類の侵入を促すような不用意な食物の管理を行わないことが上げられています。

<関連リンク>
国立感染症研究所のハンタウイルス肺症候群の解説ページ
米国CDCのハンタウイルス肺症候群の情報ページ

▲TOPへ戻る

サルに咬まれて(Bウイルス病)

この病気の名前は、最初の患者である米国のB博士の名前にちなんだものです。博士は1932年にアカゲザルに咬まれてこのウイルス性の病気に罹患し、脳炎症状を呈して死亡しました。
B博士の死亡後、これまでに米国内で約40例の感染例が報告されており、その7割がウイルス性脳炎で死亡しています。

Bウイルス>>もっと詳しく知りたい方
●原因ウイルス
ニホンザルを含むアジア産のマカカ属サルが自然宿主として保有しているヘルペスウイルスで、感染したサルは健康のまま一生涯ウイルスを保有し、抵抗力が落ちた折々に唾液中などにウイルスを出します。
成体のマカカ属サルの多くがこのウイルスを保有しています。
●人への感染
実験動物やペットのサルに咬まれたり、実験室内でこのウイルスを扱っているときの事故などで感染します。

<関連リンク>
国立感染症研究所のBウイルスの解説ページ
米国CDCのBウイルス情報ページ

▲TOPへ戻る

生物テロ兵器と動物由来感染症
(炭疽、ペスト、野兎病等)

2001年秋に米国で発生した大型旅客機による同時多発テロ事件と、それに続いて米国で起きた炭疽菌の郵送による生物テロ事件以来、各国の衛生当局の重要な対応事項に生物テロ対策が上げられるようになりました。
生物テロ兵器とは、無差別大量殺人を可能にする兵器の一種です。核兵器、化学兵器に比べて、殺人力が大きく、安価であること、輸送や散布が容易であることが一般的な特徴とされています。
医学的にみると、簡単に人から人へ感染すること、高い死亡率であること、社会不安を引き起こせること、予防には特別な公衆衛生上の対策を必要とすることが、生物テロ兵器の特徴です。
米国CDCは生物テロ兵器として使用されうる微生物(感染症)をA、B、Cのカテゴリーに分類しています。その中には動物由来感染症(病原微生物)が多く含まれています(以下、仮訳)。

カテゴリーA
 炭疽、ボツリヌス症、ペスト、天然痘、野兎病、ウイルス性出血熱(例えば、エボラ出血熱、マールブルグ病、ラッサ熱など)

カテゴリーB
 ブルセラ症、ウェルシュ菌の毒素、食中毒(例えば、サルモネラ、O-157、赤痢)、鼻疽、類鼻疽、オウム病、Q熱、ヒマ種子の毒素、ブドウ球菌毒素B、発疹チフス、ウイルス性脳炎(例えば、ベネズエラ馬脳炎、頭部馬脳炎、西武馬脳炎など)、水系感染(例えば、コレラ菌、クリプトスポリジウム・パルバムなど)

カテゴリーC(6種類中の5種類)
 例えば、ニパウイルス感染症、ハンタウイルス肺症候群、などの新興感染症

以上の感染症のうちで、特にカテゴリーAの炭疽と天然痘が、空気中に病原体を散布することに適し、病原性も強く、ワクチン接種などの特別な予防措置が必要であることから、生物テロ兵器としての使用が危惧されています。
また、生物テロ兵器として使用される病原微生物(動物由来感染症)は、先進国では人における通常時の発生が少なく、むしろ動物の病気として獣医学領域で研究されてきた歴史があります。
今後はこれらの感染症に対する対応として、医学と獣医学の一層の連携が求められるところです。

<関連リンク>
厚生労働省:米国の同時多発テロ関係ホームページ
米国CDC:Biological Diseases/Agents Listing
米国CDC:Emerging Infectious disease

▲TOPへ戻る