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ペットのは虫類が赤ちゃんの病気の原因
(サルモネラ症)

英国でのお話
生後3週間の赤ちゃんが発熱、嘔吐、痙攣の症状を示し亡くなりました。その赤ちゃんと赤ちゃんのお母さんから、サルモネラが分離されました。
この家族ではウォータードラゴンとチンチラをペットとして飼っていましたが、ウォータードラゴンの飲み水と木製の飼育ケースからサルモネラが分離されました。
赤ちゃんは、ウォータードラゴンの世話をした家族の手などからサルモネラに感染したものと考えられました。
英国に限らず、ペットのカメからサルモネラに感染したという事例がたくさん報告されています。

※ウォータードラゴンとはトカゲの1種で、タイやインドシナ半島などの東南アジアに分布し,熱帯雨林の水辺や平地の林に棲息しています。くすんだ緑色の体色で、黒いしま模様の尾を持っています。雑食ですが,生きたコオロギが好物です。

小さな子供やお年寄り、免疫能の低下した人がいるところではは虫類を飼うのは控えましょう。
は虫類などペットを触ったあとは手洗いを徹底しましょう。
飼育ケースなどの清掃はこまめに行いましょう。特に夏期は細菌が繁殖しやすい季節です。

<関連リンク>
国立感染症研究所のサルモネラ症解説ページ

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ハリネズミに触って病気になった男性
(ネズミチフス菌)

ノルウェーでのお話
2000年8月、ノルウェーに住むある男性が仕事の帰り道、自転車で走っていると、車にひかれたのかハリネズミが道路にうずくまっているのを見つけました。彼は、また車にひかれてしまうのはかわいそうだと思い、道路脇に移動してあげることにしました。あいにく周囲に道具になるようなものがなく、素手でつかみあげ移動させました。

次の日、彼は職場で腹痛におそわれ、ひどい下痢と嘔吐をしてしまいました。彼は病院を受診し、抗菌剤による治療により快復しました。
検査の結果、ネズミチフス菌(Salmonella enterica serover typhimurium)が分離され、サルモネラ症と診断されました。
お医者さんの話によると、その年の夏はハリネズミに接触したことが原因のサルモネラ症が集団発生しているということでした。彼が住んでいる地域ではハリネズミの数が増加して、これに続いて人へのサルモネラ感染の機会が増加したと考えられました。

【サルモネラ】
・サルモネラは腸内細菌科に属する菌
・人、哺乳動物、鳥類、は虫類、魚類などに分布し、人、哺乳動物、鳥類で消化器感染を起こします。
・消化器感染した動物は全て発症するわけではなく、保菌というかたちで不顕性感染することも少なくありません。
・保菌動物から直接、間接に感染するほか、人が菌で汚染された食物を摂取すると、8〜48時間後に発熱、頭痛、腹痛、下痢、嘔吐などの症状を伴った感染性食中毒(急性胃腸炎)を起こします。
・チフス菌、パラチフス菌、ネズミチフス菌など一部の菌は関節炎、骨髄炎、胆嚢炎などを起こします。抵抗性の弱いお年寄りや小さい子供、免疫力の弱っている人などでは全身感染を起こし、敗血症で死亡することもあります。

野生動物にむやみに触らないこと。
動物に触れた後は手洗いを徹底すること。

<関連リンク>
国立感染研究所の人獣共通感染症ページ
国立感染症研究所の腸チフス、パラチフス解説ページ

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人の健康には恐くなくても農業に大変恐い病気
(口蹄疫)

牛や羊、豚などに、口蹄疫という病気があります。この病気に罹ると、口や蹄(ひづめ)に水疱ができて、通常のように食べることができず、その結果痩せてしまい、家畜としての経済的な価値が低下してしまいます。
致死率が高い病気ではありませんが、病原体の口蹄疫ウイルスの感染力が強く、空気感染もすることから、国内畜産業への打撃を恐れる各国では、この病気に対する厳格な輸入検疫措置をしいています。

【2001年春に英国で口蹄疫が流行】
口蹄疫に感染した牛に濃厚に接触した人に、この病気がうつったのではとの疑いが生じました。結果として当初感染が疑われた男性を含めた21名が、検査の結果陰性と判明しました。

●ところで、口蹄疫に人も感染するのでしょうか。
「非常に希な例として、病気の動物に濃厚に接触した場合、感染することもあり得ます」

希な例
ヨーロッパ、アフリカ及び南アメリカ等で、これまでに40例程度の感染の報告が、学術的に報告されています。ただしこの病気が、膨大な数の動物を巻き込んで世界各地で大きな流行をたびたび繰り返して来たことを考えると、人が感染したことは異例中の異例と言えます。今回、疑いのある患者さんが発生した英国では、過去にわずか1例、1966年にあった口蹄疫の大流行の際に、男性が感染したことが確認されています。

●患者さんの症状
いずれも軽く、若干の発熱と、口の水疱、手のむずがゆさなどが主なもので、数週間で完治することが知られています。ちなみに、人から人への感染はこれまでに報告されていません。

今回の英国の口蹄疫の流行では、200万頭以上の家畜が流行拡大防止のために殺処分されており(感染が確認された家畜は2千頭弱のみ)、世界各国の動物の衛生対策は厳格なものになっています。これに対して、公衆衛生対策(人の感染防止対策)については、上記したように発生そのものが非常に希で、万が一感染があってもその健康危害は軽微なことから、各国とも公衆衛生上の問題は無いとし、むしろ人が機械的にウイルスを運び動物への感染源となることを危惧し、空港などで旅行客の靴の消毒などを行っています。

※人の病気に手足口病がありますが、この病気は今回の話の口蹄疫とは全く別の病気です。

<関連リンク>
農林水産省の口蹄疫関連情報
国立感染症研究所の手足口病解説ページ
英国衛生週報(CDR 2001)
・1March
・12April
・3May
Eurosurveillance Weekly(2001)
・1March
・3May

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森林に潜むダニが媒介する動物由来感染症
(ダニ媒介性脳炎)

ヨーロッパの静かな森を散策することは、魅力的な旅のプランの一つでしょう。しかし、ヨーロッパの森に入ることによって、知らないうちに感染してしまう病気があることをごぞんじでしょうか。実際に日本の旅行者で被害に遭った人もいます。その病気を紹介します。
ヨーロッパからロシアにかけては、森林に生息する小さなげっ歯類が保有するウイルスを、げっ歯類に寄生するダニが人に運び、ダニに刺されることで人が感染してしまうダニ媒介性脳炎という病気が知られています。
この病気の患者はヨーロッパを中心に毎年6千人〜1万人発生し、中部ヨーロッパ脳炎(オーストリア、チェコ、ハンガリー、ポーランド、スウェーデン、ロシア西部)と、ロシア春夏脳炎の2種類に病気は分かれます。
この二つの脳炎は、それぞれ中部ヨーロッパ脳炎ウイルス、ロシア春夏脳炎ウイルスの2種類のウイルスによって引き起こされ、人の感染は先に説明したように、げっ歯類→ダニ→人の順にウイルスが伝わることにより起こります。すなわち、人がウイルスの潜む森林に入ることによりダニに刺され、これによって感染が起きるのです。
感染すると初めはインフルエンザ様の症状を示し、後に重篤な中枢神経症状を示し、回復しても半数近くの人に後遺症が残る恐ろしい病気です。
現地ではワクチン接種が行われていますが、日本では市販されていません。
ヨーロッパの流行地では、発生地を知り、森林地帯に入る場合にはダニに刺されないような衣服等を着用することが大切です。


<関連リンク>
厚生労働省検疫所
国立感染症研究所のダニ媒介性脳炎の解説ページ

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ウシの伝達性海綿状脳症」(BSE)と
「ヒトの新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病」
(vCJD)の関連について

1996 年3月に、英国で計10 名の古典的CJD と異なる臨床経過と病理像を示す20 歳代のCJD 例、vCJD が報告され、BSE との濃厚な関係が疑われました(注)。現在、vCJDの原因はBSE 感染牛の神経組織の摂取によることが原因であるとされています。ヒトのvCJDはBSE感染牛の異常プリオンを摂食したことによる動物由来感染症ということができます。
(注)
英国の海綿状脳症諮問委員会(Spongiform Encephalopathy Advisory Committee(SEAC))は、BSEとvCJDとの関連を直接的に示す科学的証拠はないが、他に確度の高い選択肢もなく、最も適切な説明としては、患者の発生は1989年の特定の臓器(Specified Bovine Offal)の使用禁止前にこれらを食べたことに関連があるとしました。


<関連リンク>
国立感染症研究所
厚生労働省“牛海綿状脳症(BSE)等に関する厚生労働省の対応”
農林水産省“牛海綿状脳症(BSE)関連情報”
動物衛生研究所“牛海綿状脳症(BSE)について”
WHO
The UK Creutzfeldt-Jakob Disease Surveillance Unit
UK Food Standards Agency“BSE”
BMJ “variant Creutzfeld-Jakob Disease”
米国CDC BSE/CJD
OIE
人畜共通感染症連続講座

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