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長期間土壌に潜む動物由来感染症
(炭疽)

炭疽という病気の名前を、生物兵器との関連でお聞きになった方も多いかと思います。この病気は古くから世界各地にみられ、病気の原因となる炭疽菌の分離は、1876年にかの有名なコッホが行いました。

炭疽>>もっと詳しく知りたい方
●炭疽の発生

炭疽菌に感染して死亡した動物により、土壌が炭疸菌に汚染され、土壌中に芽胞が形成されると、その地域は長期間にわたり(数十年の単位で)炭疽の発生がおこりやすくなります。
※この菌は土の中にあることから土壌菌ともよばれており、土壌中などで極めて抵抗性のある芽胞という形になって、長い間(少なくとも数十年)栄養素がない状態で生存することが可能です。
このような地域を炭疽地帯と呼び、我が国を含む世界の各地にみられますが、特にトルコ‐パキスタン間は炭疽ベルトと言われ、年間数百人の患者を数えています。
降雨が多く土中の小動物の活動が盛んな夏期に、土壌が変化して、土中の炭疽菌の芽胞が地表に現れ、これを動物が飲み水や牧草などと共に摂取すると、菌が発育増殖し発症します。
炭疽菌は、感染した動物の体液、血液、乳を初め、全身臓器にみられます。
●人への感染
動物のように土壌から直接感染することもありますが、通常、
感染した動物や死亡した動物にふれることによる創傷面からの経皮感染
汚染された肉などを食べての経口感染
希に呼吸器感染
があります。人から人への感染は報告されていません。
●炭疽菌の分布
中南米、カリブ海諸国、アジア、アフリカ、中近東、東及び南ヨーロッパに広く分布
●予防の基本
炭疽の発生地域での家畜との接触は避けること、不衛生な食品の摂取を避けること
●我が国での家畜伝染病対策
現在、約20の都道府県で家畜に生ワクチンの定期的な投与が行われ、発生時に備えた防災訓練を行っている自治体もあります。
我が国での炭疽の発生は、現在、人、家畜ともにほとんどみられなくなっています。
但し、以前はまれに、密殺解体した肉を食べたことによって人に集団発生したこともあります(1965年岩手県)。それ以外では1973年まで毎年1から2人に感染がみられましたが、それ以 降1998年まで数人感染したのみ(一人死亡)でほとんど見られなくなっています。

<関連リンク>
米国CDCの炭疽の情報ページ
国立感染症研究所の炭疽の解説ページ
動物衛生研究所の炭疽関連情報
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旅先では家畜との接触は控えめに
(ブルセラ症)

ブルセラ症は、日本ではほとんどみられなくなった病気ですが、クウェート、イスラエル、サウジア ラビア、トルコ等の中近東・地中海地域などをはじめとする世界各地で、依然として流行がみられる動物由来感染症の一つです。

【ブルセラ症】>>もっと詳しく知りたい方
病気の原因となるブルセラ属の細菌のうち、人間がかかるブルセラ属菌
・牛由来
・羊・山羊由来→地中海地域で健康危害をもたらし問題
・豚由来
・犬由来
※感染症法では4類感染症に指定され、また、家畜にも被害を及ぼす重要な疾病として、家畜伝染病にも指定されています。
●病原細菌を保有する動物の種類
上記の家畜や犬のほか、野ウサギや、またアザラシなどの海洋哺乳類など
●人間への感染
動物に接触する機会が多い職業の人や、乳汁に菌が排出されるため汚染された山羊などの乳を加熱せずにチーズなどに加工して食べることで起こります。
●症状
感染は全身のあらゆる臓器に起こり、その症状は多様です。
●治療
抗生物質が用いられます。
予防法
・根本的な対策は、この病気を家畜から無くすこと(現在、日本の家畜ではみられません)
・動物に接する職業従事者に注意喚起すること
・乳製品の製造に加熱工程を加えることなど

<関連リンク>
国立感染症研究所のブルセラ症の解説ページ
米国CDCのブルセラ症の情報ページ

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