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馬も人も死に至る新しい感染症
(ヘンドラウイルス) |
ビック・レイル氏(49歳)は、オーストラリア、ブリスベインで馬の調教師をしていました。1994年9月、彼の厩舎にキャノンヒルから運ばれてきた1頭の馬が41度の高熱をだし、鼻から血の混じった泡を出し窒息死しました。他の馬も次々に発病し死亡した後、なんと厩務員(40歳)が9月14日に発病し、レイル氏自身も翌15日に発病しました。
死亡した馬からウイルスが分離され、これを馬へ感染させたところ、自然感染馬と同じ症状を呈して発病しました。レイル氏の腎臓からも同じウイルスが分離され、彼が馬から感染したことが確認されました。ウイルスが分離された場所の名前をとってヘンドラウイルスと呼ばれています。
その後、このウイルスの自然宿主の動物は何かと調査したところ、フルーツを食べるオオコウモリだけが抗体陽性でした。更にその後、オオコウモリからヘンドラウイルスが分離され、オオコウモリがヘンドラウイルスの自然宿主と結論されました。
※オオコウモリから馬がどのようにしてこのウイルスに感染したかは未だに不明です。
●コウモリ
コウモリ(翼手目)は極地を除く世界中に分布し、約1000種が知られており、旧世界(マダガスカル島からインド、インドシナ半島および太平洋上の島々)の熱帯雨林に分布するオオコウモリ亜目(約200種)と世界中に分布するコウモリ亜目に分かれます。
オオコウモリはフルーツバットと呼ばれ、比較的大型(20〜1500g)で、もっぱら植物食(果実、花、花蜜、花粉)です。夜に目で果物を探すため、目が大きく鼻がとがっていて高貴な顔つきであり、キツネ顔なのでフライングフォックスとも呼ばれます。
ペットとして輸入されていたコウモリのほとんどはオオコウモリです。近年、オーストラリアで見つかったリッサウイルス、ヘンドラウイルス、マレーシアで見つかったニパウイルスはオオコウモリに由来すると考えられています。
コウモリ亜目は超音波で餌を探すので、超音波の発信部位である鼻は複雑な構造になっています。また超音波の受信器である耳は異常に大きく、構造も複雑です。
食虫コウモリの他にチスイ(吸血)コウモリがいます。ブタ顔で醜いのであまりペットとして売られることはありません。コウモリは、アメリカ大陸では人への狂犬病の感染源の大部分を占めています。
なお、わが国への外国からのコウモリの輸入は感染症法に基づき平成15年11月から禁止されています。
アメリカであったこんな話●狂犬病
<関連リンク>
国立感染症研究所の人獣共通感染症ページ
米国CDCのヘンドラウイルス感染症の解説ページ
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