トップへリンク集相談できるところは?もっと詳しく知りたい方へこんなことをした後は要注意世界であったこんな話動物由来感染症を知っていますか?
成田空港検疫所のホームページ

「子犬を飼い始めた方」の疑問
(狂犬病の予防注射はなぜ必要か)

【狂犬病】>>もっと詳しく知りたい方へ
東京郊外の一戸建てに引っ越したCさん一家、念願かなって犬を飼うことになりました。
知り合いに子犬をもらう際、「犬の登録と予防注射がいるよ」と言われましたが、何のためにするのか、どこでどんな手続きが必要かよくわかりません。かわいい子犬の ため何をしたらいいか教えてほしいとのことです。

【お問い合わせにあった犬の予防注射】
狂犬病はいまだに世界各地で、毎年3万〜5万人の命をうばっています。
世界的に見て犬が人への狂犬病の感染源となるケースが圧倒的に多く、なるべく多くの犬がワクチン予防接種を受けておくことで、万が一この恐い病気が日本に侵入した 際、犬に流行が再びおきることを未然に防ぐことができます。
皆さんがお飼いになっているそれぞれの犬に予防接種をすることが、流行防止につながります。毎年一回(4月〜6月)の予防注射は犬を飼われる方、愛犬家の努めとお 考え下さい。

【飼われる犬について登録(一生に1回)の義務】
狂犬病の予防とともに万が一の狂犬病発生時の対応を迅速・適切に行うための手段の一つです。届出はお近くの市町村の窓口でできます。

日本で撲滅できた狂犬病
昭和32年までは日本の犬にもこの病気が流行しており、病気の犬に噛まれて亡くなった方も大勢いました。この病気、発症してしまうと人も犬も助からない100% 死亡する恐い病気です。
唯一の予防方法が、ワクチン予防接種で発症を未然に防ぐことなのです。日本には無くなった病気ですが、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ地域の多くの国で、 犬や家畜、そして野生動物に狂犬病が発生しており、感染動物に咬まれた人のうち、年間3万〜5万人が命を落としています。日本には世界各地よりいろいろな種類の動物が輸入されており、このうち特に狂犬病に感染する可能性の高い動物である犬、ネコ、キツネ、スカンク、アライグマについて、動物検疫所で輸入時の検疫が行われています。

<関連リンク>
国立感染症研究所の狂犬病の解説ページ
国立感染症研究所の人獣共通感染症ページ
動物検疫所
日本獣医師会
米国感染症予防センター(CDC)
世界保健機関(WHO)

▲TOPへ戻る

飼っていたインコの病気にかかって発熱
(オウム病)

オウム病という病名を聞いたことがありますか。オウム病は近年増加傾向にあるといわれています。
我が国で、常時発生する最も重要な動物由来感染症のひとつです。

オウム病増加の要因
これはトリをペットとして飼う人が増えていることにもよりますが、ペットのトリを溺愛し、口移しで餌を与えたり、食事中の食卓でトリを遊ばせたりすることも、原因となっていると考えられます。

オウム病にかかったある男性のお話

その男性は、インコの雛を2羽買ってきて家の中で飼育していましたが、一月後にそのうちの一羽が死んでしまいました。その死を悲しんで三日目、今度は男性自らが体のだるさを感じ、微熱もでてきました。さらに数日するといよいよ息が苦しくなり、 熱も40度を越えるという大変なことになってしまいました。

病院に行ったところ肺炎との診断で、即、入院。病院で原因を調べて数日後男性の問診から「インコの飼育歴があること」、「雛が数日前に死んでいること」が判ったため、呼吸器科医がオウム病を疑って治療を開始したところ、男性は回復し、2週間後に退院できました。

動物展示施設で小鳥からオウム病の集団感染

ご記憶の方もいらっしゃると思いますが、このオウム病の集団感染は、2002年1月、山陰地方のある中核都市で大きな問題を引き起こしました。
このオウム病の集団感染は、観光振興の期待を担って開設された「鳥と花の展示施設」で飼育されていた鳥が原因となり、従業員と来園者の10名以上が感染し、大きなニュースとなりました。結局、施設は一時的な全面閉鎖に至ってしまったのです。
事件は、施設従業員の4名が次々と突然の高熱、全身の倦怠感等に見舞われ、オウム病と診断されたことに始まり、そのうちに、一般の来園者にも感染者がでてしまいました。来園者が触れあえるように展示されていたオウムなどの小鳥が感染源とされ、施設全体が病原体により汚染された可能性があることから、施設の全面閉鎖が決定されたのです。
この施設は開園して半年ながらも既に30万人が来園する人気施設であったことから、展示されていた小鳥から来園者がオウム病に感染したことが公表されると、来園した多数の人たちに不安をまねき、施設と関係の自治体に問い合わせが殺到しました。問い合わせ者の中には、来園者以外にも、オウム病を知らなかった小鳥の飼い主や、集合住宅のベランダに鳥が飛来して困っている人までいたそうです。
今回の集団感染事件では、鳥の展示施設の衛生管理体制が、動物由来感染症を防ぐには不十分であったとの指摘があり、その改善に取り組んでいくことが当該施設の今後の課題となりました。また、当該施設以外の動物展示施設においても、この事件を教訓に、動物由来感染症対策を十分に検討し、来園者をはじめ従業員の安全対策に万全を期することが大切でしょう。

リンク・・・厚生労働省通知

トリを飼うときは、羽毛や糞を除去し、清潔に。
トリへの接し方は、口移しで餌をあげたりせず、節度あるものとする。
トリを飼っていて、重い風邪の症状がある場合、オウム病も疑う。

【オウム病】>>もっと詳しく知りたい方
オウム病の病原体はオウム病クラミジアです。感染症法では4類感染症に指定されています。もともとトリからトリに感染します。人も汚染されたトリの羽毛やまき散らされた排泄物などを吸い込んで感染します。人が感染すると、突然の発熱(38℃以上)で始まり、筋肉痛、全身倦怠感などのインフルエンザのような症状を示し、ひどくなると肺炎になります。早期に診断し、有効な抗生物質(テトラサイクリン系等)を投与すれば回復しますが、診断が遅れて薬剤が使えなかった場合は、死亡することもありま す。感染したトリが病気になったり、体調を崩した際には、特に大量に排菌することが知られています。

オウム病に感染するトリ
主としてオウム、インコですが、ハト、鶏、ブンチョウ、ジュウシマツ、その他の野鳥も感染します。トリの場合、感染しても症状のでないことが多いですが、環境や飼育状態が悪いと発病し、衰弱死します。感染したトリが病気になったり、体調を崩した際には、特に大量に排菌することが知られています。
治療
クラミジアの検査は、特別な培養方法が必要で、細菌学的診断が遅れ治療が間に合わない場合があります。小鳥を飼っている、またはトリとの接触が明らかな場合は、オウム病を疑うことが必要です。

<関連リンク>
小鳥のオウム病対策の徹底について
国立感染症研究所のオウム病の解説ページ

▲TOPへ戻る

「知り合いがサルを飼っている方」の疑問
(輸入されるサルの検疫)

先日お隣の奥さんと立ち話をしていたとき、D子さんは「輸入されたサルを飼っている人がいる」と聞きました。「ペット用のサルなんて輸入されているのかしら?」というのがD子さんの第一印象です。

アフリカでは、いろいろな新しい病気が、サルから人に拡がったという記事をどこかで読んだ気がします。サルの病気について国の管理はどうなっているのか?というの が、D子さんの持った疑問です。

1999年4月より感染症対策のための新しい法律「感染症の予防及び感染症の患者 に対する医療に関する法律」(以下「感染症法」)が施行されましたが、この法律の特色の一つに、動物由 来感染症対策が盛り込まれたことがあります。

「感染症法」では、人と動物の間を行き来し人に病気を起こす病原体について、動物を感染源として人に感染が広がることが無いように、新たに予防手段を作りました。
具体的には、外国から輸入されるサルについて輸入時の検疫を義務づけ、人もサルも感染するエボラ出血熱、マールブルク病という病原体の侵入を水際で止めるようにしました。また、国内のサルにエボラ出血熱、マールブルク病の疑いがある場合は届出を義務づけ、監視の目を国内にも広げています。
なお、人もサルも感染する病気には赤痢や結核などもあり、厚生労働省では、輸入 業者等に対しサルによる健康被害の防止を図るような指導してきたところです。

▲TOPへ戻る

寄生虫の病気で外科手術
(エキノコックス症)

エキノコックス症にかかったある女性のお話
北海道のとある都市近郊に住むA子さんは、肋骨の下に膨満感と痛みを訴え、病院で受診しました。実は4年ぐらい前から肋骨の下に膨満感を覚えていたのですが放っておいたそうで、だんだん症状が強くなり痛みも出てきたため受診したということでした。

検査の結果、彼女はエキノコックス症と診断され、医者から、肝臓の5分の3を切除しなければならないと言われ、「なんとか手術をせずに治る方法はないでしょうか」と尋ねたところ、「駆虫薬を投与する方法もあるが、寄生虫の発育を押さえる程度であまり効果はなく、完治するには外科的に肝臓を切除するしかない」ということでした。
放っておけば重度の肝機能不全となり、黄疸・腹水などの症状を呈し、命を落としてしまうことになってしまうということでした。
彼女は手術を受ける決意をし、術後の経過は順調で無事に退院することができました。

【エキノコックス症】>>もっと詳しく知りたい方
エキノコックス症とは、エキノコックスという寄生虫が肝臓などに寄生して起こる病気で、キツネや犬の糞に混じった寄生虫の卵を口から摂取することによりヒトに感染します。エキノコックス症には単包虫症と多包虫症の2種類がありますが、ここでは特に北海道で問題となっている多包虫症について説明します。

●発生
世界的には患者は主に北半球で発生しており、我が国では主に北海道で発生がみられます。
北海道では1936年に礼文島出身者から最初に患者が発見されて以降、平成11年度までに392人の患者が確認されており、ここ10年間では毎年10人前後が新たに患者となっています。

年 度
H11年度
H12年度
H13年度
H14年度
H15年度
H16年度
報告数
7
22
15
10
20
25
死亡数
4
2
3
1
3
-
報告数:「感染症発生動向調査」、死亡数:「人口動態統計」

●感染・症状
ヒトへの感染は、エキノコックスの卵が口から入ることによります。卵は腸の中で幼虫となり、この幼虫が肝臓に寄生して嚢胞を作ります。病巣の拡大はゆっくりで、感染後、数年から数十年ほど経ってから自覚症状が現れます。
初期症状は上腹部の不快感・膨満感で、更に病気が進行すると肝機能障害を起こし、発熱や黄疸などがみられます。適切な治療がされずに病気が進行すると、重度の肝機能不全となり、腹水・浮腫等を合併し、場合によっては肝臓以外の臓器に寄生虫が転移することもあります。

●治療
治療薬などの研究が進められており、現在のところは薬で寄生虫の成長を妨げることはできますが、最も有効な治療法は手術で病巣を除去することです。病巣がまだ大きくならない早い時期であるほど、治療が容易ですが、はっきりした症状が現れた時には病状が進行している例が多いので、健康診断の受診による早期発見・早期治療が大切です。

●予防法
エキノコックス症の予防には、エキノコックスの卵を口から摂取しないようにする事が大切です。次のことに十分注意しましょう。
・外出後は手をよく洗いましょう。
・山菜などはよく洗い、十分加熱してから食べましょう。
・沢や川などの生水は飲まないようにし、飲む場合には煮沸してから飲むようにしましょう。
・キツネを人家周辺に近づけないよう、残飯や生ゴミを放置しないようにしましょう。また、野生のキツネ等にエサを与えないようにしましょう。
・犬も感染した野ネズミを食べることにより寄生するので、放し飼いせず、きちんと飼育管理しましょう。

●検査
初期診断としては血清検査があり、その後必要であれば腹部超音波検査などを行います。完治するためには早期発見が重要ですので、心配な方は検査を受けられることをおすすめします。
北海道では、最寄りの市町村や保健所に問い合わせると受診方法がわかります。

●犬などの検査と治療
近年、人の感染源となる飼い犬などのエキノコックス感染の有無を調べる糞便検査方法が開発されています。また、エキノコックス症に感染した犬を診断した獣医師は最寄の保健所に届け出なければいけません。
万が一飼い犬が感染していたら、ブラジカンテルという駆虫薬があります。
(問い合わせ先:環境動物フォーラム

<関連リンク>
国立感染症研究所のエキノコックスの解説ページ
国立北海道大学獣医学研究科寄生虫学研究室のエキノコックスのページ
北海道庁の「エキノコックス症の知識と予防」ページ
厚生労働省通知「北海道内の飼い犬におけるエキノコックス感染例及び北海道から移動する犬の感染実態調査結果と感染予防対策について(情報提供及び啓発依頼)」

▲TOPへ戻る

ネコを飼ったらインフルエンザ様の病気に
(Q熱)

ある小学校5年生の男の子のお話
2ヶ月ほど前にインフルエンザ様の症状が出て、咳は減ってきたのですが微熱が続き 全身倦怠感もありました。そのため学校も休みがちになり、いくつか病院を受診しましたが、お医者さんは「よくあることでたいしたことはない」と言うだけでした。
ところがある病院で、血清中の抗体測定などの検査によりQ熱と診断されたのです。抗生剤を投与したところ症状は改善し、以前のように元気に登校できるようになりました。また、インフルエンザ様の症状が出る直前に飼い始めた子ネコと家族の検査を行ったところ、子ネコ、祖母、母親も抗体陽性で、症状がない不顕性感染であることが 判明しました。子ネコも抗生剤を投与して治療し、現在も大切な家族の一員となっています。

動物病院に相談し、感染源となるペットの検査・治療を行いましょう。

【Q熱】>>もっと詳しく知りたい方
Q熱は世界中で発生しており、諸外国では熱性呼吸器疾患の起因菌のひとつとして広く認識されています。日本では国内にQ熱が存在しないと考えられている時期がありましたが、10年前に国内の患者から病原体が分離され、その後血清学的調査が実施されたところ、家畜・野生動物で抗体保有率が高いことが判明しました。動物ではほとんどが症状を示さない不顕性感染になることが多く、乳汁や糞便、尿、羊水などに 病原体を排泄し人への感染源となります。日本において感染源として最も重要な動物はネコで、特に妊娠動物の胎盤や羊水に病原体が多く含まれています。

●症状
感染者の約50%が不顕性感染で、一過性の発熱、軽度の呼吸器症状で治る事も多いですが、急性型Q熱は発熱、頭痛、悪寒、筋肉痛などインフルエンザ様の症状を示します。進行すれば気管支炎、肺炎、肝炎、髄膜炎、心内膜炎等を起こします。患者の多くは2週間程度で回復しますが、治療が遅れると死亡することもあります。お話の少年のように不定愁訴(漠然とした身体的不調)を示すこともあります。
●予防法
ワクチンは開発されていないので、感染源となるペットや家畜の検査・治療が重要です。

<関連リンク>
国立感染症研究所のQ熱の解説ページ

▲TOPへ戻る

アウトドアーに行く前に
(レプトスピラ症)

沖縄県八重山地域の島で野外活動の
インストラクターをしている男性のお話
99年夏、男性は、発熱、頭痛、全身の筋肉痛を訴え病院を受診しました。病院の先 生からは「最近川遊びをした経験はないか。」と尋ねられました。彼は、自分は島で野外活動のインストラクターをしていることを話しました。

今年の夏は、八重山地域でネズミが原因のレプトスピラ症という病気がはやっており、シーカヤックインストラクターやカヌーガイド、農業を営み水田で働いている人など水に接する機会が多い人たちが10数名感染しているというのです。推定される感染場所は川や滝が一番多いということでした。
彼は抗菌剤治療により快復しましたが、血液培養の結果、レプトスピラが分離されたそうです。

※沖縄県では毎年散発的に本症が発生していますが、今回のように同一地域で同時期に多発した例は少ないそうです。なぜ99年夏の八重山地域で本症が多発したのかは不明です。

汚染地域での川遊びの後の発熱には注意


【レプトスピラ症】
症状にかなり個人差があり、軽症型、髄膜炎型、重症型(ワイル病型)があります。
レプトスピラはネズミの尿中に排泄され、これに汚染された水や土壌などを介して人が感染すると言われています。

<軽症型>
夏の沖縄で、農業を営む53歳の男性が、田の中で農業に従事した2週間後、寒気がしてがたがたとふるえ、熱が39.8度にあがりました。その後軽度の腹痛と下痢を認めて 5日後に病院を受診・入院しました。入院後は点滴だけで4日目には自然に熱が下がり、1週間後に退院しました。入院時の血液培養からレプトスピラが分離され、レプトスピラ症と診断されました。
<髄膜炎型>
沖縄に住む14歳の男の子が父、弟、従兄弟と川に泳ぎに行った9日後、寒気とともに熱が38度に上昇し、3日目には筋肉痛、軽い腹痛と下痢も認められました。熱は40度に上がり、嘔吐、頭痛も憎悪したため7日目に病院に行きました。一緒に川に行った他の人にも軽症ながら同様の症状が認められ、近くの医院に通って回復しました。男の子は頭痛がひどく、髄液検査の結果白血球数1359/ulであり、髄膜炎と診断 されました。ペニシリン系の抗菌薬(アンピシリン)が投与されて3日目から平熱となり、1週間後に退院しました。後に、入院時の血液培養からレプトスピラが分離されました。
<重症型>
農業を営む49歳の男性が、3日間連続して田の仕事に従事した2日後、寒気とふる え、39度の熱、結膜が黄色味を帯びて充血、嘔吐、全身の筋肉痛、強い頭痛があり、9月22日、病院を受診しました。集中治療が行われ、抗菌剤投与も始められました。黄疸が進行し、急性腎不全にもなってしまいましたが、その後治療の甲斐あって回復し、10月21日退院しました。入院時の血液培養からレプトスピラが分離されました。

検査方法に関する情報
ラテックス凝集試験によるレプトスピラ抗体検査に関する専門家の方への注意の呼びかけです。

<関連リンク>
国立感染症研究所のレプトスピラ症の解説ページ
国立感染症研究所の人獣共通感染症ページ

▲TOPへ戻る


本の動物由来感染症の代表選手
(日本脳炎)

日本では1950年代に小児を中心に年間数千人の患者が発生していたこの病気も、今では年間数例(2000年には7例)を数えるのみとなりました。しかし、一時の脅威はなくなりましたが、日本脳炎ウイルスを持つ蚊は、今でも夏になると北海道を除く全国でみられ、アジア全体では毎年3〜4万人もの患者が発生しています。

【日本脳炎】>>もっと詳しく知りたい方
いったん発症すれば致死率は高く、回復したとしても高率で後遺症を残す疾患であり、今日でも注意を要する病気です。

●日本脳炎ウイルス
ウエストナイルウイルスと同一のグループで、蚊により媒介されます。
●感染のサイクル
ウイルスを保有する蚊が免疫のない豚を吸血して豚が感染(人間と同じ様な症状を示します)
   ↓
感染して体内でウイルスを増やした豚を新たな蚊が吸血
   ↓
今度はその蚊がウイルスを保有する
   ↓
この蚊と豚の感染環によって日本脳炎ウイルスは次々と増幅
●感染経路
人(馬などの動物も)はウイルスを保有した蚊に吸血されることで感染します。
●症状
5〜15日の潜伏期の後、頭痛、発熱により始まり、小児では腹痛、下痢などから始まる場合もあります。感染が進むと高熱を発し、筋の硬直など(髄膜刺激症状)が出現し、さらに重症例では意識障害、痙攣、昏睡がみられ、ついには死にいたります。
●確定診断
3主徴候(高熱、頭痛、意識障害)、髄膜刺激症状、発症が流行時期と一致していること(海外流行地への渡航歴も参考になります)、抗体検査などによります。
●治療法
抗ウイルス剤は開発されておらず、対処療法が主となります。
予後は、患者の20〜50%が死亡し、回復しても半数近くは重篤な後遺症を残します。
●予防方法
有効で安全なワクチンがあり、日本で小児の患者が少ないのはワクチン接種が有効に行われているためと考えられます。
●日本脳炎ウイルスの抗体保有状況(1996年の調査)
0〜4歳で約60%、5〜29歳で約90%、30〜59歳で約70%、60歳以上で80%以上となっています。
日本で1991年〜1998年に発生した35名の患者をみると、そのほとんどが60歳以上のお年寄りでした。日本の流行地では毎年ブタのウイルス汚染度を監視し、その情報を公表しています。発生予防には地域住民への啓蒙活動が重要となります。
●日本での2000年の患者の発生地
中国、四国及び九州地方です。
●アジアで患者発生の多い国
中国(毎年2〜3万人)、インド(3千人)、ネパール(2〜3千人)
ベトナム(2〜3千人)、タイ(1〜2千人)

<関連リンク>
国立感染症研究所の日本脳炎の解説ページ

▲TOPへ戻る

ペットの口の中に普通にいる菌で飼い主が病気に
(パスツレラ症)


いつも身近にいる犬やネコなどの口の中に普通に見られる細菌で、飼い主の方が病気になる場合があります。

犬やネコに咬まれたり、引っ掻かれたりした場合に、パスツレラと呼ばれている細菌が人に感染することがあります。通常は限局性の創傷感染で、咬まれたりした場所が赤く腫れたりするのみで一般には軽症です。傷が深かった場合は骨髄炎になったり、希には発症したあと風邪のような症状を起こすことがありますが、普通予後は良好です。なお、近年の調査によれば日本では鼻や口などからおこる呼吸器感染も多いことが報告されています。

●厚生省が行った調査
・犬では75%
・ネコでは97%
に保有が認められ(口腔内の正常細菌叢といわれています)、20%のネコで は爪にも保有が認められました。
●予防対策
人がかかるパスツレラ症の約半数は犬、ネコの咬傷、掻傷によることから、
・犬、ネコから咬まれたり引っ掻かれたりしないように、動物の習性を知って飼育を行うことが大切
・かわいい動物ですが、人間とは違った細菌を持っていることを理解し、室内で飼う場合などは動物の爪を切っておく、口移しなどでエサをあげない、動物に触った後は手をよく洗う
・飼い主、飼っている動物の健康に異常があった場合は、医療機関、獣医病院に相談する
人の臨床例について

▲TOPへ戻る