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寄生虫の病気で外科手術
(エキノコックス症) |
北海道のとある都市近郊に住むA子さんは、肋骨の下に膨満感と痛みを訴え、病院で受診しました。実は4年ぐらい前から肋骨の下に膨満感を覚えていたのですが放っておいたそうで、だんだん症状が強くなり痛みも出てきたため受診したということでした。
検査の結果、彼女は
エキノコックス症と診断され、医者から、肝臓の5分の3を切除しなければならないと言われ、「なんとか手術をせずに治る方法はないでしょうか」と尋ねたところ、「駆虫薬を投与する方法もあるが、寄生虫の発育を押さえる程度であまり効果はなく、完治するには外科的に肝臓を切除するしかない」ということでした。
放っておけば重度の肝機能不全となり、黄疸・腹水などの症状を呈し、命を落としてしまうことになってしまうということでした。
彼女は手術を受ける決意をし、術後の経過は順調で無事に退院することができました。
【エキノコックス症】>>もっと詳しく知りたい方
エキノコックス症とは、エキノコックスという寄生虫が肝臓などに寄生して起こる病気で、キツネや犬の糞に混じった寄生虫の卵を口から摂取することによりヒトに感染します。エキノコックス症には単包虫症と多包虫症の2種類がありますが、ここでは特に北海道で問題となっている多包虫症について説明します。
●発生
世界的には患者は主に北半球で発生しており、我が国では主に北海道で発生がみられます。
北海道では1936年に礼文島出身者から最初に患者が発見されて以降、平成11年度までに392人の患者が確認されており、ここ10年間では毎年10人前後が新たに患者となっています。
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年 度
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H11年度
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H12年度
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H13年度
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H14年度
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H15年度
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H16年度
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報告数
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7
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22
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15
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10
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20
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25
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死亡数
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4
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2
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3
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1
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3
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-
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報告数:「感染症発生動向調査」、死亡数:「人口動態統計」
●感染・症状
ヒトへの感染は、エキノコックスの卵が口から入ることによります。卵は腸の中で幼虫となり、この幼虫が肝臓に寄生して嚢胞を作ります。病巣の拡大はゆっくりで、感染後、数年から数十年ほど経ってから自覚症状が現れます。
初期症状は上腹部の不快感・膨満感で、更に病気が進行すると肝機能障害を起こし、発熱や黄疸などがみられます。適切な治療がされずに病気が進行すると、重度の肝機能不全となり、腹水・浮腫等を合併し、場合によっては肝臓以外の臓器に寄生虫が転移することもあります。
●治療
治療薬などの研究が進められており、現在のところは薬で寄生虫の成長を妨げることはできますが、最も有効な治療法は手術で病巣を除去することです。病巣がまだ大きくならない早い時期であるほど、治療が容易ですが、はっきりした症状が現れた時には病状が進行している例が多いので、健康診断の受診による早期発見・早期治療が大切です。
●予防法
エキノコックス症の予防には、エキノコックスの卵を口から摂取しないようにする事が大切です。次のことに十分注意しましょう。
・外出後は手をよく洗いましょう。
・山菜などはよく洗い、十分加熱してから食べましょう。
・沢や川などの生水は飲まないようにし、飲む場合には煮沸してから飲むようにしましょう。
・キツネを人家周辺に近づけないよう、残飯や生ゴミを放置しないようにしましょう。また、野生のキツネ等にエサを与えないようにしましょう。
・犬も感染した野ネズミを食べることにより寄生するので、放し飼いせず、きちんと飼育管理しましょう。
●検査
初期診断としては血清検査があり、その後必要であれば腹部超音波検査などを行います。完治するためには早期発見が重要ですので、心配な方は検査を受けられることをおすすめします。
北海道では、最寄りの市町村や保健所に問い合わせると受診方法がわかります。
●犬などの検査と治療
近年、人の感染源となる飼い犬などのエキノコックス感染の有無を調べる糞便検査方法が開発されています。また、エキノコックス症に感染した犬を診断した獣医師は最寄の保健所に届け出なければいけません。
万が一飼い犬が感染していたら、ブラジカンテルという駆虫薬があります。
(問い合わせ先:
環境動物フォーラム)
<関連リンク>
国立感染症研究所のエキノコックスの解説ページ
国立北海道大学獣医学研究科寄生虫学研究室のエキノコックスのページ
北海道庁の「エキノコックス症の知識と予防」ページ
厚生労働省通知「北海道内の飼い犬におけるエキノコックス感染例及び北海道から移動する犬の感染実態調査結果と感染予防対策について(情報提供及び啓発依頼)」
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