●エボラ出血熱 ●クリミア・コンゴ出血熱 ●ペスト
●マールブルグ熱 ●ラッサ熱 ●重症急性呼吸器症候群(SARS)



■クリミア・コンゴ出血熱 Crimean- Congo hemorrhagicfever(CCHF)

病原体:クリミア・コンゴ出血熱ウイルス(CCHF virus )
好発年齢:成人
性 差:なし
分 布:アフリカ、中近東を含むアジア、ロシア、中国、東ヨーロッパ

クリミア・コンゴ出血熱の背景
■疫学状況
●アフリカ、東ヨーロッパ、中近東を含むアジア、ロシア南部、中国西部などに患者の発生が確認されている。

■病原体・毒素
●ブニヤウイルス科ナイロビウイルス属の(ー)鎖のRNA ウイルスである。

■感染経路
●CCHF ウイルスを保有するダニに咬まれることにより感染する経路。
●CCHF ウイルスに感染している家畜・動物の血液などの体液に暴露し感染する経路(農場や屠殺場での感染)。
●CCHF 患者体液に暴露感染する経路(院内感染)。

■潜伏期
●3 〜12 日間。

診断と治療
■臨床症状
●突然の発熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、上腹部痛が出現する。発熱は40 °C を超える発熱が出現する。結膜炎症状、顔面や胸部の紅潮、口蓋の紫斑が出現することが多い。徐脈になることがある。下痢を伴うことが多い。発病3 〜5 日で各粘膜からの紫斑が出現する。肝・腎機能障害を伴うことが多い。

■検査所見
●末梢血血液検査での白血球減少(特にリンパ球減少)と血小板減少。
●AST (GOT )、ALT (GPT )、LDH の上昇(肝機能障害)やBUN 、Cr の上昇(腎機能障害)。
●尿検査で血尿、蛋白尿。

■診断・鑑別診断
●確定診断
●ウイルス抗原の検出(ウイルス分離、RT- PCR や抗原検出ELISA によるウイルスゲノムの検出)。
●ELISA 、蛍光抗体法(IFA )、ウエスタンブロット法による抗CCHF ウイルス抗体の検出(IgG の有意な上昇の確認、IgM の検出)。
●鑑別診断
●(1)その他の出血熱(エボラ出血熱、マールブルグ病、ラッサ熱、腎症候性出血熱)、(2)マラリア、チフス、(3)発熱性疾患、(4)その他、出血を伴う疾患。

■治療
●(1)患者の隔離、(2)輸液・電解質補正、輸血などの対症療法、(3)抗ウイルス剤(リバビリン)の投与、(4)DIC 対策、(5)2 次感染予防のための抗生物質の投与。

■経過・予後・治療効果判定
●致死率は15 〜30 %。

■合併症・続発症とその対応
●(1)多臓器不全、(2)呼吸・循環不全。

■2次感染予防・感染の管理
●院内感染を起こすことが多く、厳重な患者の隔離が必要である。医療提供者は特に注意を要する。



出典:日本医師会編・発行≪日本医師会生涯教育シリーズ≫「感染症の診断・治療ガイドライン」より、日本医師会の許可を得て転載