●E型肝炎 ●ウエストナイル熱 ●エキノコックス症 ●黄熱
●オウム病 ●回帰熱 ●Q熱 ●狂犬病 ●高病原性鳥インフルエンザ
●腎症候性出血熱 ●サル痘 ●炭疽
●ツツガムシ病 ●デング熱
●ニパウイルス感染症 ●日本紅斑病 ●日本脳炎
●ハンタウイルス肺症候群 ●発疹チフス ●マラリア ●ライム病
●リッサウイルス感染症 ●レプトスピラ症 ●野兎病
●Bウイルス病 ●ブルセラ症 ●インフルエンザ
●急性脳炎(日本脳炎を除く)



■黄熱 yellowfever

病原体:黄熱ウイルスyellowfevervirus
好発年齢:特になし
性差:特になし
分布:熱帯アフリカと中南米

黄熱の背景
■疫学状況
●熱帯アフリカと中南米が黄熱の流行地域であり、風土病として猛威をふるっている。アジアでの流行はない。

■病原体・毒素
●フラビウイルス属の(+)鎖RNAウイルスである黄熱ウイルス。

■感染経路
●蚊によって媒介される。脊椎動物では、主にヒトとサルが感染する。感染サイクルは森林型サイクルと都市型サイクルに分けられる。森林型サイクルは、宿主のサルとカの間でサイクルが形成され感染が維持される。
●一方、都市型サイクルは、ネッタイシマカとヒトの間で形成され、都市での大流行の原因となる。

■潜伏期
●潜伏期間は3〜6日。発熱前数日から第3〜第5病日までの患者血液は、カに対し感染力がある。

診断と治療
■臨床診断
●突然の発熱、頭痛、背部痛、虚脱、悪心・嘔吐で発症する。発症3〜4日後に症状が軽快し、そのまま寛解することもあるが、重症例では、数時間〜2日後に再燃し、発熱(比較的徐脈)、腎障害、出血傾向(鼻出血、歯根出血、黒色嘔吐、下血、子宮出血)、黄疸が加わる。

■検査所見
●白血球数減少、蛋白尿、腎不全所見、血小板減少、血清抗体価の上昇。

■診断・鑑別診断
◎確定診断
●発症早期(4〜7日以内)の血液を乳のみマウスの脳内に接種するか、組織培養により分離できる。抗体の検出は、中和試験(NT)、赤血球凝集抑制試験(HI)、ELISAなどの方法がある。

◎鑑別診断
●発熱疾患全般。

■治療
●特異的な治療法はなく、対症療法が中心となる。対症療法のなかでも、常にショックを念頭に水と電解質の管理に注意する。

■経過・予後・治療効果判定
●黄疸までに至った例では、致死率20〜50%との報告もある。

■合併症・続発症
●腎障害、肝障害。

■2次感染予防・感染の管理
●黄熱ワクチンによって予防可能。
●直接ヒトからの感染はなく、特別の注意は不要。



出典:日本医師会編・発行≪日本医師会生涯教育シリーズ≫「感染症の診断・治療ガイドライン」より、日本医師会の許可を得て転載