■ジアルジア症 giardiasis

病原体:ランブル鞭毛虫Giardialamblia
好発年齢:特になし
性差:なし
分布:世界的に分布

ジアルジア症の背景
■疫学状況
●世界中に分布するが、特に熱帯や亜熱帯の発展途上地域では、きわめてありふれた疾患である。わが国で感染することもある。

■病原体・毒素
●原虫の1種であるランブル鞭毛虫〔Giar-dialamblia(G.intestinalisやLambliaintestinalisと記されることもある〕。

■感染経路
●食事や飲水時にシストを経口摂取して感染する。
●欧米の大都市で水道を介して集団感染した事例がある。

■潜伏期
●不定であるが、2〜3週間くらいの場合が多い。

診断と治療
■臨床症状
●下痢(軟便〜水様便までその程度はさまざまで、正常便と下痢便を繰り返すこともある。脂肪便をみることもある)。
●通常、発熱はない。
●感染しても症状のない無症候性感染者や、有症後の無症候性感染者が多い。
●まれに胆管炎や胆嚢炎を起こすことがある。

■検査所見
●合併症のないジアルジア症では、一般的な血液検査で異常所見はない。

■診断・鑑別診断
◎確定診断
●新鮮な便(水様便や泥状便ならばそのまま、軟便や正常便では生理食塩水で薄めて)をスライドグラスに乗せ、カバーグラスをかけて観察し、ランブル鞭毛虫の栄養型やシストを検出する。
●便を集シスト(集卵)法で処理し、シストを観察する。詳細は寄生虫学の教科書を参照されたい。

◎鑑別診断
●下痢性疾患全般。特に細菌性の感染性腸炎。

■治療
●メトロニダゾールの経口投与。

■経過・予後・治療効果判定
●経過および予後は良好。投薬中および終了後に便中のランブル鞭毛虫の有無を検査する。

■合併症・続発症とその対応
●通常、合併症や続発症はない。

■2次感染予防・感染の管理
●症状の有無にかかわらず、感染者はよく手を洗うように指導する。
●予防ワクチンはない。



出典:日本医師会編・発行≪日本医師会生涯教育シリーズ≫「感染症の診断・治療ガイドライン」より、日本医師会の許可を得て転載