リフトバレー熱の流行-南アフリカ

WHO(GAR)  2010年5月4日

2010年4月27日現在、ドイツ保健当局者は、南アフリカに2010年3月17日から4月8日にかけて旅行した後、ドイツに帰国した旅行者1名に、検査室診断でリフトバレー熱(RVF)が確認されたと報告しました。この症例は3名の同伴者と東ケープ州と西ケープ州の海岸沿いの田園地帯と鳥獣保護区に旅行していました。この症例は、2010年4月7日に発熱、頭痛および発疹などの症状をきたしました。ドイツ保健当局は現在この確定例で感染に関連する状況を調査中です。

2010年5月3日の段階で、南アフリカ保健省はフリーステート州、東ケープ州、北ケープ州、西ケープ州、北西州で集団発生が始まって以来、172例のRVF症例を報告しており、このうち15例が死亡しました。ほとんどの症例でRVFに感染した家畜との直接接触があったか、RVFと確認された動物症例が発生した農場と疫学的に関連がみられるものですが、現在のところ感染経路がわからない症例も多くみられます。現時点ではこのような例で感染した蚊に暴露されたことで感染した可能性も否定できません。

南アフリカ政府は公衆衛生学的制御を実行しており、これにはリスクのある群に対して鍵となるようなリスク低減措置の策定、および医療従事者に対する症例特定と症例報告のガイドライン、検査室検査、臨床での症例管理、院内感染制御、予防と制御のための公衆衛生的手段、感染が起こっていない地域での動物へのワクチン接種等についてのガイドラインが含まれています。

WHOは南アフリカへの、また、南アフリカからの海外旅行を制限する必要はないと助言します。しかし、WHOは南アフリカを訪問する人に対して、特に農場や(または)鳥獣保護区を訪れる予定のある人には、動物の組織や血液に接触することを避けるように、殺菌されていないか料理されていないミルクを飲んだり、生の肉を食べたりすることを避けるように勧奨します。旅行者はすべて蚊に刺されないように適切な予防措置(蚊帳や昆虫忌避剤の使用)をとるべきです。旅行医療の専門家や旅行医療サービスは、南アフリカでの現在のRVFの状況について十分に認識し、それによって助言やケアを提供できるようにしなければなりません。

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