フランスヴァール県で土着性のチクングニア熱の症例が発生

フランス公衆衛生研究所 2010年9月30日

2010年9月27日時

2006年以来、5月から11月にかけて、チクングニア熱およびデング熱感染についての強化サーベイランスが、この二疾患を媒介するベクターであるヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の定着がみられる県で行われてきました。2010年には、オート=アルプ県、アルプ=ド=オート=プロヴァンス県、コルス=デュ=シュド県、オート=コルス県、ヴァール県、ブーシュ=デュ=ローヌ県(Alpes-Maritimes, Alpes-de-Haute-Provence, Corse du Sud, Haute-Corse, Var, Bouches-du-Rhône)の各県でサーベイランスが行われました。

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このサーベイランスのなかで、2010年9月24日にヴァール県のフレジュス(Fréjus)で、最初のチクングニア熱に現地で感染した(土着性の)症例が確認されました。この患者は12歳女児で、最近フランス本土以外に旅行したことはなく、最初の症状である、発熱、関節痛、皮膚発疹、全身倦怠感が9月18日に生じました。この第一例の周囲で、チクングニア熱に罹患した他の症例の有無について積極的な調査を行ったところ、第二の地域感染例が9月25日に診断されました。この症例はフレジュスの12歳少女の症例で、フランス国外への旅行既往はなく、最初の症状(発熱、倦怠感、関節痛、皮疹)が9月18日に突然生じました。この二例の地域感染例はフレジュスの同じ学校の生徒でした。

チクングニア熱の輸入症例については、サーベイランスシステムに9月6日に報告されていました。これはフレジュス在住の7歳の男児例でした。インドから帰国しており、8月29日に最初の症状が出現していました。ベクター対策としての蚊駆除が、この症例の居住地と小学校の近隣部で行われていました。一方、この症例は、第二の地域内感染例と同じ通りに居住していました。

9月26日にこれら二例の地域内感染例の居住地と学校施設に対して、ベクター駆除のための対策がとられました。その他のチクングニア熱症例の有無について、積極的な調査が二症例の近隣および小学校の生徒に対して、現在行われています。現在までのところ、他の症例はみつかっていません。9月25日、26日の週末に、開業医、小児科医、勤務医およびフレジュス検査施設からの情報収集が行われました。

地域住民に対しては、特に蚊の除去対策および蚊に対する個人防御対策について注意を怠らないように広報されました。

(蚊に対する駆除方法についてさらに情報が必要な場合には、フランス公衆衛生研究所のサイトをご参照ください。)