南アフリカにおけるリフトバレー熱

CDC 2010年10月21日

南アフリカ国立感染症研究所は、南アフリカでのリフトバレー熱のアウトブレイクについて報告しました。2010年8月27日の時点で232名の症例と26名の死亡例が確認されました。ほとんどの症例はフリーステート州と北ケープ州で報告されています。また北西州、西ケープ州、東ケープ州でも症例が報告されています。アウトブレイクの活動性は低下していますが、現在でもリフトバレー熱に対する注意が必要です。症例は、雨季などの季節的な要因によって、これからの数ヶ月に再度起こってくる可能性もあります。通常雨季は、11月から3月にかけて見られます。
リフトバレー熱はウイルスによって起こる疾患で、主として感染を受けた家畜との直接接触や、蚊によって広がります。南アフリカで確認された症例のほとんどは、感染した動物に直接接触をした人で起こりました。職種には農場労働者、動物保健関連の労働者、食肉査察官などがあります。

旅行者に対する推奨事項

南アフリカでのリフトバレー熱のリスクは、ほとんどの旅行者では低いと考えられます。しかし、農場地域に旅行する予定があったり、感染地帯で野外に宿泊するなどの場合には、リフトバレー熱にかかるリスクはより高くなります。健康に過ごせるように、また感染を受ける機会を減らすために、以下の推奨事項を守ってください。
・感染地域では農場に行くことを避ける
もし農場に行くことが避けられない場合には、納屋や囲いなどの動物が飼われている場所に近づかないようにし、動物との直接接触を避けること。
・蚊から刺されることを避ける
●昆虫忌避剤を皮膚の露出部につけてください。
○以下の有効成分のいずれかが含まれている忌避剤を使用してください:DEET、ピカリジン(picaridin: KBR 3023)、レモンユーカリの木の油(PMD)、IR3535。忌避剤を使用する場合には、必ず添付文書にかかれた使用法を守ってください。
○通常、忌避剤の蚊に対する防御効果は、どの成分であっても有効成分の濃度に比例して持続性が長くなります。しかし、50%超えた場合、持続時間の延長はあまりみられなくなります。有効成分濃度が10%未満の場合、1から2時間以下といった短い防護効果しかえられなくなるかもしれません。
アメリカ小児科学会は2か月以上の小児についてはDEET濃度30%までの忌避剤使用を認可しています。
○2か月未満の乳児の場合には端が柔らかく、ベビーカーにぴったりと合う蚊帳で覆ったベビーカーを使用してください。乳児、小児に対する忌避剤の使用については、「乳児小児と安全に旅行するには」のセクションの「蚊やダニから自分を守る」の項、CDCの「昆虫忌避剤に関するFAQ」内の「小児」の項をご参照ください。
○昆虫忌避剤についてさらに情報が必要な場合には、ウェブページ「蚊やダニから自分を守る」をご参照ください。
●野外活動の際には、ゆったりした、長袖のシャツやズポンを着用します。
●野外や網戸がない部屋で寝る場合には、殺虫剤で処理された蚊帳を使用します。

リフトバレー熱の症状と治療

リフトバレー熱にかかった人は、通常症状がないか、発熱、倦怠感、背部痛、めまいといった軽い症状を示すことがほとんどです。通常、出現後2日から1週間で症状は軽くなります。しかし、時にこの疾患は重篤になることがあります。必要な場合にはリフトバレー熱に対する治療を、この疾患による症状を抑えることを主眼に行うことになります。

さらにリフトバレー熱についての情報、南アフリカでのアウトブレイクの情報が必要な場合には、以下のリンクから情報を得てください。
リフトバレー熱(CDCウイルス、リケッチア疾患部門)
ウイルス性出血熱(CDC旅行者のための健康情報)
ウイルス性出血熱(ウイルス、リケッチア部門)
南アフリカ国立感染症研究所

南アフリカへの旅行に関して健康情報が必要な場合には、CDC旅行者のための健康情報のウェブページで、目的地別情報-南アフリカを参照してください。