ハイチ、ドミニカでのコレラ流行 続報

汎米保健機構(PAHO) 2011年01月03日

ハイチ

前回の流行警報と同様に、この情報はハイチ保健人口省(MSPP)によって提供されたものであり、MSPPは、Health Clusterに所属するパートナーから得られたデータを統合しています。

症例数

流行51週の間、MSPPは全国で16,838例の新たなコレラ症例を報告しましたが、前週の22,920例に比して26.5%減少していました。地域について、51週に症例が多かった県の中では、Grande Anse県が人口1万人当たり51.29例と、2週連続で最も多くの症例がみられました。続いて北東県で31.7例、北県で29.7例、中央県で21.85例となっています。51週には、新しい症例の66.4%、11,180例が病院レベルでの治療を受けました。

累積症例数

42週のコレラ流行開始から51週の間に、MSPPが記録したコレラ症例数は全国で147,392例であり、この中の55.7%、82,111例が入院しました。地域レベルで、症例数の多かった県は、順に、50,465例のArtibonita県、34,231例の西県、21,160例の北県、13,265例の北西県、12,798例の中央県です。
この間、コレラ罹患率が高かった県は順に、人口1万人当たり321,2例のArtibonita県、217.5例の北県、200.1例の北西県です。

致死率

51週に新たな死亡例が、ハイチ全国で540例みられ、前週の385例から40%増加しました。流行開始からの全死亡者は3,301例で、この中の66.2%、2,186例が医療機関で死亡し、33.8%、1,115例が地域で死亡しました。病院での症例致死率は2.7%で、全症例の致死率は2.2%でした。図に詳細が示されています。
51週に最も多くの死亡例が発生したのは、Grand Anse県で226例、次いで南東県の58例、北県の55例、北東県の52例です。

ドミニカ共和国

ドミニカ共和国公衆衛生省によると、流行46週に最初のコレラ症例が発見されて以来、2010年12月28日までに、検査室診断を受けたコレラ症例は131例で、このうち78%、103例が入院しました。現時点までに死亡例の報告はありません。
コレラの報告が多いのは、順に、28例のSan Juan県、27例のSantiago県、 27例のElias Piña県、17例のSanto Domingo県です。
コレラ症例数、入院数、死亡数に関する日々の更新情報は、次のリンクにあるコレラ:インターラクティブ地図で見ることができます。

http://new.paho.org/hq/images/Atlas_IHR/CholeraHispaniola/atlas.html
Health Clusterによって、国および県レベルで行われている対応に関する報告は、以下のリンクで参照できます。
http://new.paho.org/hq/index.php?option=com_content&task=view&id=4404&Itemid=3487

PAHOは加盟国に対して、サーベイランス、対応策および準備案の更新、適切な予防対策や広報について、強化するように注意喚起しています。

WHOによる2010年12月7日更新情報

ハイチへの旅行、貿易とコレラ流行

http://www.who.int/ith/updates/20101207/en/index.html

2010年12月7日
旅行者や短期滞在者は、安全な食事を心掛け、衛生に十分に注意を払う限り、コレラにかかることはあまりありません。しかし、依然としてコレラは、水の供給や下水整備、食物の安全、衛生状態が十分とは言えない地域で、重大なアウトブレイクを起こしています。WHOはハイチのコレラアウトブレイクに対して、旅行や貿易の制限を、いかなる形で行うことも推奨しません。政府当局は、到着客に対して、コレラの症状、衛生上の予防方法、症状が生じた場合の医療の受け方について、情報を伝えるようにして下さい。また、当局は世界的なコレラ流行状況、特に現在起きているアウトブレイクについて、トラベルクリニック、旅行医学ネットワーク、他の医療ネットワークに情報提供するようにしてください。

文献

1.Préliminaire data Ministère de la Sante Publique et de la Population de Haïti.
http://www.mspp.gouv.ht/site/index.php?option=com_content&view=article&id=57&Itemid=1