メキシコ、コスメル(Cozumel)で発生したレジオネラ症

CDC (In the News) 2011年01月12日東部標準時19時28分

状況

レジオネラ症がメキシコのコスメル島内、Regency Club Vacation ResortおよびWyndham Cozumel Resort& Spa(旧formerly Reef Club)で発生しています。 2008年5月以来、このリゾートに滞在したアメリカ合衆国とオランダからの旅行者内で、レジオネラ症が計9例確認されています。 2010年4月の公衆衛生調査の調査結果に基づいて、リゾートの共用飲用水システムの消毒が勧告されました。 2010年12月に、対策として水道に対する消毒が実施されましたが、CDCはリゾート関連の9番目の症例発生の通知を受けました。このことから、暴露源が現在でも存在したままであることが疑われます。

米国旅行者のための勧奨事項

レジオネラ症は、レジオネラ菌で汚染されたエアロゾル化された水を吸入することによって引き起こされる肺炎です。 レジオネラ症は人から人には感染しません。 一般的には、ホットタブ、冷却塔、園芸用の霧吹き、シャワー装置のノズル、蛇口などから発生する、霧状の水がレジオネラ菌の感染源となります。

感染のリスクの高い旅行者は、他のリゾートに滞在することを考えるか、Regency Club Vacation ResortおよびWyndham Cozumel Resort& Spaでは、霧状の水への暴露、特にシャワーの使用を避けるべきです。
高リスクのグループとして、以下の人が挙げられます

  • 喫煙者もしくは喫煙経験者
  • 50歳以上
  • 以下のいずれかの慢性疾患がある人
  • 糖尿病
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺気腫など、慢性呼吸器疾患
  • 癌、臓器移植、あるいはある種の処方薬による免疫能低下
  • 慢性腎疾患、喘息、心臓病、肝疾患などの他の慢性疾患

まれに、全く危険因子のない人が、レジオネラ菌への暴露を受けた後にレジオネラ症を発症します。

感染徴候は、暴露の2から14日後に始まり、高熱、咳嗽、息切れなどがみられます。また、多くの人が下痢、頭痛、あるいは筋肉痛を訴えます。 レジオネラ症は、重篤で致命的な病状を呈する可能性がありますが、ほとんどの人は適切な抗生物質治療を受けることで、回復します。旅行中や旅行後の2週間に、上記の徴候がみられる旅行者は、医師の診察を受けるべきです。 アメリカ合衆国で診察を受ける旅行者は、自分がメキシコのコスメルに旅行し、Regency Club Vacation ResortあるいはWyndham Cozumel Resort& Spaに滞在したと、明確に医師に伝えなければなりません。 同じタイプのレジオネラ菌によって引き起こされるより軽症の疾患として、ポンティアック熱(Pontiac fever)と呼ばれる疾患があります。 ポンティアック熱の症状は、通常2から5日間持続し、発熱、頭痛、筋肉痛などがみられる可能性があります。しかし、肺炎症状は全くみられません。 ポンティアック熱の症状は治療をしなくても消失します。

より詳しい情報について

レジオネラ菌は、1976年にアメリカ在郷軍人団(American Legion)のフィラデルフィアコンベンションに参加した人の多くが、肺炎に罹患したことから名付けられました。毎年アメリカ合衆国では、8,000人から18,000人がレジオネラ症で入院します。細菌で汚染された霧や蒸気(空気中の微小な水滴)を吸い込むと、レジオネラ症に罹患します。

レジオネラ症に関する詳しい情報に関しては、CDCのレジオネラ症情報サイトをご参照ください。

メキシコへの旅行に関する追加情報に関しては、CDCの旅行者健康情報ウェブサイトの、目的地メキシコのページをご参照ください。