バングラデシュにおけるニパウイルス感染症の発生

Dhaka Mirror2011年1月24日

地元報道によると、バングラデシュ伝染病研究所(IEDCR) 施設長のMahmudur Rahman氏によると、Faridpur県およびRajbari県で5名のニパウイルス感染症が発生し、4人が1月に死亡したとのことです。感染した人々の約75パーセントが死亡するということからわかるように、ニパウイルスの犠牲者の死亡率は非常に高率です。現在のところ、ほぼこの発生は制御されており、IEDCRが注意深く状況をモニターしていることから、住民はしないようにしてください。

2001年以来バングラデシュ国内で、合計152名のニパウイルス感染症例が発生しました。これにより113名が死亡しました。ウイルス学研究者は、ニパウイルス感染がよく発生する地域の住民は、フルーツコウモリ(fruit bat)がかじった果実を食べない、また、ナツメヤシ(palm and date)の生のジュースを飲まないようにアドバイスしています。 専門家によると、ジュースを煮沸すれば、熱によってニパウイルスが死滅するので、消費者に危害が及びことはないとのことです。加えて、ナツメヤシのジュースはふたのないピッチャーに保存してはならないと注意しています。

専門家によると、昨年はニパウイルス感染症例の大部分が、1月から5月に報告されました。この時期はフルーツコウモリの繁殖期であり、妊娠中のコウモリはこのウイルスを保菌し、おそらくそれを人に伝播します。子ども達が果実を拾い集めて洗わずに食べると、コウモリの唾液から放出されたウイルスが伝播します。ニパウイルス感染が起こりやすい地域では、親に対して、子どもを果樹の下で遊ばせないように、強く勧める必要があります。

バングラデシュ国民、特に農村部の住民は、ウイルスの危険性を認識するように強く求められます。 同時に政府は、病院でニパウイルス感染者を治療するために隔離ユニットを設営し、防護措置を導入しなければなりません。
2004年に医師1名が、また2010年に研修医1名が、病院で患者からニパウイルスが感染し死亡しました。

The Daily Star2011年2月4日

この報道機関の情報によると、バングラデシュ伝染病研究所が、Lalmonirhat県、Rangpur 県で数日間続いている神経症状をともなう熱性疾患の原因が、ニパウイルス感染症であると確定したとのことです。死亡例は2月4日の段階で21名とされています。

図.バングラデシュの地図

いずれの発生についても、バングラデシュ伝染病研究所のホームページ上では情報提供されておりません。

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